みんなで考える 〜つなぎ活かす多賀城碑〜 [2024年10月24日(Thu)]
スタッフのあべです。 2024年は、多賀城創建1300年とあって記念のイベントが目白押しですね。 11月には記念式典が行われるので、お祝いのムードが高まってきました。 10月19日には、「多賀城創建1300年記念歴史シンポジウム2024」がたがさぽを会場に開催され、市内外から古代史ファンが駆け付けました。 テーマは、「三古碑、それぞれの碑に学ぶ古代日本 〜つなぎ活かす多賀城碑〜」。 主催者は、歴史シンポジウム実行委員会。 多賀城・七ヶ浜市民活動団体等連絡協議会(T・Sまちづくり協議会)と多賀城市町内会有志の会で構成されています。 記念の年を迎えるにあたって、多賀城市民の立場から機運を高めるために活動してきた歴史シンポジウム実行委員会の皆さん。今年の多賀城碑の国宝指定は、「実行委員会としても一市民としても大きな喜びだった」と話しました。 昨年から開催していた歴史シンポジウムですが、今回はその集大成として「日本三古碑」にスポットを当て、未来につなげるための多賀城碑の保存と活用について考えました。 第一部は、講話「日本三古碑における多賀城碑」。 日本三古碑とは、那須国造碑(なすのくにのみやつこのひ/栃木県大田原市)、多胡碑(たごひ/群馬県高崎市)、多賀城碑を指します。 宮城県多賀城跡調査研究所所長・吉野武さんの説明で、歴史と外観、記載内容からそれぞれの古碑について学び、三古碑の中の多賀城碑について考えました。日本古代最大の碑といわれる多賀城碑は、歴史的背景からみても他の二碑と違ってスケールの大きさを知ることができました。 第二部は、「三古碑の保存と活用の現状の調査報告」。 歴史シンポジウム実行委員から、他の二古碑を視察した際の報告がありました。 三古碑の共通点のほか、二古碑の活用状況について紹介し、地元住民と行政との連携の強さや市民団体が活動しやすい環境作り、小中学生への歴史教育の実施など、さまざまな取り組みがされていることに触れました。中でも、子どもたちに対して「ふるさとに価値のある歴史的な資料がある」という働きかけをしていることが印象的でした。 最後に「参加者との意見交換」の場がありました。 多賀城碑の碑文についての質問からはじまり、整備中の政庁跡周辺の見学ルートや覆屋の地震対策、学生の歴史教育への活用などの提案があり、市職員が答える場面もありました。 参加者からは、「今回初めて参加した。他の市町村の歴史講座には行っていた。多賀城市民が企画したというので話を聞きにきた」「古代史に興味がある。専門家が話してくれるような会が七ヶ浜にはないからね」などの声がありました。最年少の参加者だった地元中学生からの「わかりやすい説明だった」という感想に会場が湧きました。 創建1300年の根拠となる歴史資料である多賀城碑。歴史シンポジウム実行委員会は、これからの活用と、どうやって保存したらいいのかを市民が真剣に考える時期だと思い、このシンポジウムを企画しました。 文化遺産を守ることは、次の世代へ伝えていくこと。子どもたちの学習に活かしている二古碑のような取り組みが、地元愛にもつながっていくのではないでしょうか。 |