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【ブックレビュー】 悲しいけど、青空の日 [2021年10月09日(Sat)]

こんにちは。スタッフの浅野です。
毎週土曜日は市民活動のお役立ち情報をお届けします。

モミジやイチョウが少しずつ色づき、肌寒くなる秋は親子で身を寄せ合い、絵本や児童書を楽しむのにピッタリの時期ですね。本日はスタッフによるブックレビューを掲載します。


植物 罫線.png



『悲しいけど、青空の日』

―親がこころの病気になった子どもたちへ―


文・絵:シュリン・ホーマイヤー
訳  :田野中恭子
発 行:株式会社サウザンブックス社

発行日:202065日 

新型コロナウイルスの感染拡大で外出を控える期間が長くなり、子どもを育てる親の孤立化などが、家庭内で起きている問題を見えづらくさせています。日本では精神疾患にかかっている人は419万人(厚生労働省,2017)と年々増加傾向にあり、国民の30人に1人の割合になります。

親のこころの不調により、いつもと違う家庭の様子を目の当たりにしたとき、子どもはどのように感じるのでしょうか。


「私がいるせいかも」

「僕が何かしたからか」

「自分がもっといい子にならなきゃ」


など、自分と関連づけて考える子どもも少なくありません。


親の状況が何もわからない・誰にも聞けないと、隠し事をされているように感じてこころの負担になる場合もあります。そんなとき、まわりの大人たちは子どもとどのように関わっていけばよいのでしょうか。そして、必要なサポートや子育て支援とは何でしょうか。



今回ご紹介するこの絵本は、モナという9歳の女の子の視点を通して描かれています。

モナはママと二人で暮らしています。ぬいぐるみのマックスも小さな頃から一緒です。


青空.jpg



「青空の日」と「悲しい日」

モナは大好きなママと庭で本を読んだり、ハイキングに行ったり、一緒に遊べる日を「青空の日」と呼んでいます。そんな日がずっと続けばいいのにと思っていました。


けれど「悲しい日」も突然やってきます。学校から帰ると家の鍵が閉まっていて、何度呼びかけてもママは出てきません。やっと出てきたママは悲しい顔をしていて、会話ができず、家の中はめちゃくちゃ。モナにできることは具合の悪そうなママを静かに見守ることだけでした。



●ママに怒ってもいいの?

モナは食事や片づけなど、身の回りのことを自分でしなければならなくなりました。うっかり寝坊して、学校にも遅刻するようになります。ママの元気がないのに自分だけ楽しく過ごすことにも罪悪感を覚えるようになります。ママのことがクラスで噂され、友達と遊ぶこともできません。モナは心の底でママに怒りを感じていたことに気がつきます。


「ママに怒ってもいいのかな?だめ、だめ、ママがもっと悪くなってしまう!」


自分の気持ちをグッと胸の奥にしまいこみました。



ママが元気になる方法

ある夜、モナは思いつきます。

「自分の宝物を神様に差し出せばママを元気にしてくれるかもしれない」と考え、庭に穴を掘ると、ぬいぐるみのマックスを埋めてしまいました。



子どものせいではない

モナはママのことやマックスのこと、いろいろなことが重なって授業中もずっと上の空です。そして授業が終わるとひとりだけ教室に残り、担任のルイーズ先生にママのことと「悲しい日」について打ち明けました。


話を聞き終えた先生は、優しくモナに語りかけます。

「ママの調子が悪くなるのはあなたのせいではない、あなたはみんなと同じように楽しく過ごしていいのよ」


その後、モナはすぐさまマックスを土の中から救い出します。

ルイーズ先生はモナの家庭を訪問し、ママを助ける方法を一緒に考えてくれました。

そしてママは専門家によるさまざまな治療を受けて、少しずつ元気を取り戻していきます。


 植物 罫線.png



モナの場合は、抱えていた秘密を身近な大人に話すことで、ママの病気を治療するきっかけをつくることができました。病院の医師からもママの精神疾患をよくするために助けてくれる専門家たちがいることを聞いて、徐々に治る病気であることを理解していきます。

病気のことに限らず、心配ごとを何でも話せる場所があるということは、子どもに安心感を与えます。また、身近な大人が周囲の人に支えられながら、困難を乗り越える姿を見て「困ったときは支えてもらえる」ということを子ども自身が学ぶきっかけにもなります。


親のこころの問題を子どもに伝えるのは、容易なことではないかもしれません。

子どもの年齢に合わせて、何度かに分けて少しずつ話したり、時期がきたらきちんと説明することを約束するなどの配慮が必要です。




当事者である子どもがひとりで不安を抱えないようにするために


・あなたのせいではない

・あなたが大切

・治療している


これらのことを周囲の大人が伝え続ければ、ママやパパが病気であっても子どもが子どもらしく友達と遊び、楽しみをもち、幸せな日々を過ごしてくれるはずだとこの絵本を読んで感じました。



この絵本は、たがさぽ文庫のC福祉・医療」の棚にあります。気になった方はぜひ手に取ってみてください。

たがさぽ文庫には、この他にも子どもの心理を題材にした絵本があります。


『ボクのせいかも−お母さんがうつ病になったの−』

 お母さんが病気になってしまった子どもの不安に、大人がどう向き合えばいいかが描かれています。

 著   :プルスアルハ

 お話と絵:細尾ちあき

 解説  :北野陽子

 発行  :ゆまに書房


『わたしのココロはわたしのもの −不登校って言わないで−』

 学校に行けなくなってしまった子どもの抱える不安を大人が理解し、寄り添っていく過程が描かれています。また、子ども向けの相談ダイヤルも

 載っています。

著   :プルスアルハ

 お話と絵:細尾ちあき

 解説  :北野陽子

 発行  :ゆまに書房


子どもや病気に関わる家族、子育て支援機関の方、すべての年代の方におすすめです。お気軽にスタッフにお問い合わせください。




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