こんにちは、スタッフの櫛田です。
毎週火曜日は市民活動お役立ち情報をご紹介しています。
みなさんの団体運営の課題は何ですか?と聞かれた時に何をあげますか?
「資金が足りない」
「人材不足」
「会員の減少」
各々の課題が浮かんだと思います。しかし、みなさんが感じている課題は果たして本当の課題なのでしょうか。
今回ご紹介するのは、本当の課題は一体何なのかを深堀していく手法です。
なぜなぜ分析
『トヨタ生産方式(著:大野 耐一)』の中で紹介された手法で、ある課題に対して「なぜ?」と5回繰り返し問うことで本質的な課題を明らかにする手法です。
たとえば、「資金が足りない」という課題があったとします。そこで「なぜ資金が足りないのか」を考えます。そして「なぜ資金が足りないのか」から導き出したことに対して、さらに「なぜ?」と問います。
「なぜ資金が足りないのか」→「会員が少なくて会費が入らないから」
「なぜ会員が少ないのか」→「活動を知らない人が多いから」
「なぜ活動を知らない人が多いのか」→「活動をPRできていないから」
「なぜ活動をPRできていないのか」→「有効な広報手段が分からないから」
「なぜ有効な広報手段が分からないのか」→「広報すべき対象が定まっていないから」
このように、どんどん「なぜ?」を突き詰めていきます。
注意しなければならないのは、団体の運営課題の場合、「なぜ?」に対しての答えは一つとは限りません。むしろ1つの要因だけに断定せず、客観的に見ることも必要です。
たとえば、
「なぜ資金が足りないのか」→「会員が少なくて会費が入らないから」「事業の支出が多いから」「収益事業がないから」と複数の要因がある場合もあります。その場合は、真の要因はどこか絞り込み、それぞれ「なぜ?」突き詰めていくとよいと思います。
複数の要因を導き出す際は、こんなシートを使うと便利です。
マンダラチャートクローバ経営研究所の村松寧雄氏が考案した手法です。野球選手の大谷翔平さんが活用していたことで有名ですね。目標達成のために必要なことを9×9マスに書いていきます。
※小さくて見にくい場合は画像を開いてください。
一番真ん中に解決したい課題を書きます。そして、その周囲に課題の要因を書きます。
次に、周囲に書いた要因を各色の真ん中に書き、その周囲に各々の要因をさらに書いていきます。
マンダラチャートはあくまでも目標達成のツールとして使われているので、前向きになれるように「資金不足」→「資金獲得」のように言い換えてもいいかもしれません。
※小さくて見にくい場合は画像を開いてください。
事業を進めるのに手いっぱいで運営課題のことを考えていくのは大変かもしれません。また、どこから考えていったらよいのか分からないという方もいるかもしれません。
今回ご紹介した手法が少しでもヒントになればと思います。
●参考
トヨタの問題解決
著:(株)OJTソリューションズ
発行:(株)KADOKAWA
図解 マンダラチャート
著:村松 寧雄
発行:青春出版社