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「NPO絵本コーナー」をリニューアルしました! [2022年09月03日(Sat)]
こんにちは、スタッフのおがさわらです。


たがさぽの情報サロン入口にある「NPO絵本コーナー」をリニューアルしました。

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このコーナーでは、絵本で子どもたちや保護者、教育機関に社会課題の啓発を行っているNPOの絵本を取り揃えています。

今回は、その中から、いくつかピックアップして紹介したいと思います。

***

『リオン』
作:NPO法人防災士会みやぎ
絵:庄子陽
発行:NPO法人防災士会みやぎ

宮城県内に在住する防災士有志によって構成されているNPO法人防災士会みやぎが、東日本大震災を教訓とし、子どもたちに命の大切さを伝えるために制作した減災絵本です。
タンポポの綿毛から生まれた妖精『リオン』が地球を旅しながら、地球の恵みと災害の危険、それに対する備えをわかりやすく教えてくれます。
読み聞かせをすることを前提に作られているので、読み手が問いかけることで、子どもたちと一緒に「どうすればいいのか」を考えることができるようになっています。

9月は『防災月間』です。
防災・減災を考える際に取り入れてみてください。


『はたはたはたふれ!〜せかいのはたとせかいちず〜』
作:もうりもりもり
絵:みついやすし
発行 NPO法人ユニバーサルデザイン絵本センター

NPO法人ユニバーサルデザイン絵本センターは、視覚に障がいのある子どももない子どもも一緒に読んでコミュケーションを取ることができるような絵本づくりを行っています。
さまざまな国の特徴と旗が楽しく紹介されているこの本も、絵や文字はもちろん、点字や凹凸が施されており、触感でも楽しめるようになっています。


『発達凸凹なボクの世界―感覚過敏を体験する−』
著:プルスアルハ
作・絵:細尾ちあき
発行:ゆまに書房

精神科の看護師や医師を中心に心理教育ツールの作成と普及活動を行っているプルスアルハが制作した絵本。発達の進み方が早いところ遅いところ、得意なこと苦手なこと、人によってさまざまな違いがある中、聴覚、視覚、触覚などの感覚が過敏だという特性を持っている人がいるということを詳しく描いています。感覚過敏の方や家族、まわりの方が安心して日々の生活を送るためのヒントになる1冊です。

***

小さなお子さんも、福祉、環境、災害などにまつわる社会課題や、それらに取り組むNPOに触れる機会になるのではないでしょうか?

NPO絵本を含む『たがさぽ文庫』は、簡単な利用登録で、本の貸出が可能になります。
利用登録、貸出は無料です。
Posted by 小笠原 at 10:00 | スタッフブックレビュー | この記事のURL
【ブックレビュー】 動物たちの3.11 被災地支援ドキュメンタリー [2022年07月30日(Sat)]

こんにちは。スタッフの浅野です。
毎週土曜日は市民活動のお役立ち情報をお届けします。本日はスタッフによるブックレビューです。



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動物たちの3.11被災地支援ドキュメンタリー

著者:阿部 智子
発行所:株式会社エンターブレイン

発行:201244 


〇「あの日」

この本の著者である阿部智子さんは、NPO法人アニマルクラブ石巻の代表で犬や猫の里親探しや救援活動の協力、不妊・去勢手術の支援、パネル展・講演など啓蒙活動をしています。


2011年3月11日の発災時、阿部さんは多賀城市民会館でアニマルクラブのパネル展の準備中でした。自宅にいる保護した動物たちの安否を一刻も早く確かめようと、すぐに石巻市に戻りました。繰り返し続く余震や大津波警報の中、やっとの思いでたどり着いた場所で目にしたのは、1階部分が津波に浸かり、巨大なガレキが流れこんだ自宅と可愛がっていた動物たちの変わり果てた姿でした。


3月の寒空の下、ガレキの中で呆然とたたずむ当時の阿部さんの驚きと悲しみは計り知れません。感情を押し殺したように淡々と綴られる文章から「あの日」の出来事がいかにすさまじいものであったかが伝わってきます。

しかし、阿部さんは「嘆いている暇はない」と自らを奮い立たせ、震災翌日から動物たちのために動き出します。



〇待ったなしの現実

津波の爪痕が残る通信網が途絶えたまちで、阿部さんは生き残った動物たちのためにフードやトイレ砂を確保しようと奔走します。自衛隊や消防署の協力を得て無線機で日本動物福祉協会や東京の知人にSOSを送り、支援物資を依頼しました。

そして、被災して預かれなくなった人からのペット引き取り依頼や迷子の保護依頼も次々と入ってきました。避難所に動物を連れて行けず、自分の判断ミスで死なせたと心に傷を負っている人、はぐれたペットを必死に捜し続けている人たちと接する中で、非常時に命に順番をつけてはいけないことや、マイクロチップ普及の必要性を痛感したそうです。


震災では、人間と同じようにたくさんの動物の命も犠牲になりました。飼い主と引き離され、水に浸かったり、食べることもできなかったりとつらい目にあった動物もまた被災者なのです。




〇みんなで支援する

阿部さんは「せっかく生き延びた命を幸せに導きたい」と震災から約3か月後に動物の里親探しを再開します。そして、地震や津波を経験した今だからこそマイクロチップも普及するのではないかと考え、被災地のペットにマイクロチップを装着するプロジェクトを助成金で始めました。


非常時に動物が人間と同じように救済されるためには、法律で動物の生きる権利が守られていること、動物を救済した人間をサポートする援助態勢が確立されていることが必要だと感じ、誰もが助成を受けられるシステムをつくり“みんなで動物を支援する”ということを実現するために現在も精力的に活動を続けています。

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「あの日」起こったことが淡々と綴られていた文章は、本の中盤では阿部さんの生き生きとした表情が見えてくるような文体に変わり、終盤では読者に命の重さと、人の優しさと、生き直す強さを教えるような内容になっていきます。

災害が起こった時のペットの安全確保や同行避難について考えるきっかけにもなりますので、ペットを飼っている方などにおすすめの一冊です。たがさぽ文庫の「H6動物・ペット」コーナーにありますのでどうぞ手に取ってご覧ください。



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NPO法人アニマルクラブ石巻

HP 

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【ブックレビュー】ローカル女子と未来をひらく [2022年07月09日(Sat)]
こんにちは。スタッフのおがさわらです。

たがさぽにある貸出図書『たがさぽ文庫』には、NPO、ジェンダー、福祉、まちづくりなど、皆さんの市民活動を応援するさまざまな本を取り揃えています。

中には、一般の書店や図書館ではあまり目にしないような本もあります。
そのひとつを、今回はご紹介したいと思います。


ローカル女子と未来をひらく
災害復興と女性のエンパワーメントの記録 2011-2020

編集:小島まき子/塩本美紀
発行:NPO法人ウィメンズアイ



NPO法人ウィメンズアイは、東日本大震災を機に生まれました。
立ち上げメンバーは、被災地でのボランティアに参加した際、避難所の生活や復興において声をあげられずにいる女性たちの姿を目の当たりにしたことをきっかけに、女性たちの声を拾い、自立の支援をする活動を始めました。

この本は…
・震災ボランティアで必要な物資を届けたり話を聞くといった活動が、趣味や体操などの講座を経て、「女性の視点で地元を元気にすること」について考える勉強会を開くようになり、女性のエンパワーメント活動へ変化して行った過程
・子育てをする家族のためのイベントやパン作りのスキルアップ教室など、南三陸をはじめとする地域の女性のアイデアのサポートの実例
・「何かを始めたい」という想いを持つ人が抱える課題、その解決のために生み出した『ナリワイ塾』などの取り組み
・『国際地域女性アカデミー』『グラスツール・アカデミー』などの研修の様子
・東北の被災地で学んだことを活かし、『ローカル女子と未来をひらくプロジェクト』を立ち上げ、地域で活動する若い世代へ向けた支援を行う様子
…など、NPO法人ウィメンズアイの10年にわたる活動の歩みが凝縮された1冊となっています。

2011年に、メンバーのみなさんが撒いた種が、太い根っことなって張り巡らされ、いろいろな地域でエンパワーメント=持っている力を引き出すこととして形になっていることがわかります。

地域の未来を拓いて行く『ローカル女子』の力に触れてみませんか?


『たがさぽ文庫』は、簡単な利用登録で、本の貸出が可能になります。
利用登録、貸出は無料です。

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たくさんのご利用、お待ちしています!
【ブックレビュー】 レイチェル・カーソン 〜地球の悲鳴を聴いた詩人〜 [2022年06月11日(Sat)]

こんにちは。スタッフの浅野です。


6月は環境月間です。1972年にストックホルムで環境問題に関する初めての国際会議「国連人間環境会議」が開催されました。そして日本の提案を受け、65日が『世界環境デー』となりました。本日はこれにちなんで環境に関するブックレビューをお届けします。




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レイチェル・カーソン 〜地球の悲鳴を聴いた詩人〜

著者:利光 早苗
発行者:株式会社メディアファクトリー

発行:1992920日 


〇沈黙の春


「自然は沈黙した。うす気味悪い。鳥たちはどこへ行ってしまったのか」


これはレイチェル・カーソン『沈黙の春』の冒頭に出てくる一節です。

『沈黙の春』は環境汚染問題を人々に気づかせ、アメリカを始めとする世界中の考えを変えるきっかけをつくった一冊です。

レイチェルが著書で記した寓話の中に出てくる町では、春がきても森に鳥たちの声は響きわたらず、野原、森、沼地もみな黙りこくっています。幼い頃から自然を愛し、慈しんできたレイチェルはこの寓話を現実のものとさせないように、DDTやその他の農薬の散布を善しとする社会の大きな流れに「ちょっと待って」と立ち向かう決意をします。

こうして化学薬品による環境汚染を世間に広く伝える『沈黙の春』は出版されました。

※トリクロビスクロルフェルエタンを有効成分とする薬剤



〇レイチェルの決意

本書では、豊かな自然と文学に囲まれて過ごしたレイチェルの少女時代から海洋学者となり、野生動物保護の仕事をしながら作家として創作活動を始めるまでの過程を知ることができます。控えめで人前に出ることが苦手だった彼女は、自然観察が好きで毎年春の訪れを心待ちにしていたそうです。


1958年、レイチェルは鳥類保護地区の近くで暮らす友人夫妻から一通の手紙を受け取ります。

手紙には、州当局が蚊を撲滅するためにDDTの散布を行って以来、鳥たちが次々と倒れていったこと、バッタやミツバチやほかの無害な昆虫はすべていなくなったにも関わらず害虫は相変わらず活発に動き回っていることなどが書かれていました。

それについて調べれば調べるほど、無害とされていた化学薬品の恐ろしさにレイチェル自身も気づいていきます。散布を推し進めている政府も企業も、最終的に環境にどんな影響を及ぼすかには無関心だったのです。


『沈黙の春』出版以前は、化学薬品の危険性に関する人々の認識が十分ではなかったため、彼女が書いた内容は世間に衝撃を与えました。化学薬品が世界中で使用されるようになってから農作物の収穫量は増え、経済的な恩恵は計り知れませんでした。

それらに「NO」を突きつけることはとても勇気のいることだったに違いありません。

それでもレイチェルが進み続けたのは、自然保護の想いに共感して一緒に立ち向かってくれる協力者がいたからです。




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〇レイチェルからの贈り物

1962年、『沈黙の春』が出版されるとすぐにベストセラーとなり、アメリカ国民や化学工業界、政府機関に大きな影響を与えます。翌年からは世界中で翻訳版が出版され、60年経った今でも私たちに地球環境について問いかけています。

元々は自然を愛する物静かな女性だったレイチェルが身近なところで問題に遭遇し、あるいは遭遇している人たちと出会い、それを「何とかしたい」と自ら動き出しました。


問題解決の道筋を描くのは困難だけれども目をつぶって通り過ぎるわけにはいかない、世の中を変えたいという彼女の強い意志をこの本を通して感じました。


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この本は、たがさぽ文庫の「H1 環境全般」の棚にあります。世界が環境問題に取り組むきっかけとなった本を書いたレイチェル・カーソンに興味のある方はぜひ手に取ってみてください。




【ブックレビュー】本当の貧困の話をしよう 未来を変える方程式 [2022年06月04日(Sat)]

こんにちは、スタッフのカツイです。

本日はたがさぽ新刊図書の一つでもある「本当の貧困の話をしよう 未来を変える方程式」のご紹介です。


本当の貧困の話をしよう 未来を変える方程式

著:石井光太    出版:文芸春秋


この本はどうすれば貧困から脱出できるのか、なぜ悪循環に繋がるのか、どうしたら社会や世界をより良いものに出来るのか…日本や海外で起きている貧困にまつわる問題について、未来を担う17歳の学生に向けて書かれた本です。


本書内に「低収入と貧困は違う」という一文がありますが、貧困とは低収入によって困難な状況に追い詰められることを表します。

貧困により追い詰められることで自己肯定感が低下し、社会に所属できず、孤立し、助けを求めることが出来なくなる…という負の連鎖が生まれます。

貧困とは無縁だと感じている人々が、貧困問題を無視したり、「自己責任だ」と無関心に放置すればその対策のためにより多額の税金が使われるなど、自分自身の生活にも関わってくるのです。このように、貧困は社会すべてと繋がっています。


この本はショッキングな現実だけを取り上げているのではなく、どうしたら貧困の連鎖を止められるのか、必要な支援についても記されています。

ほか、「孫正義」氏や「安室奈美恵」氏などの有名人が貧困や困難とどう向き合ったか、壁を乗り越えたかも載っています。


日本は国民の7人に1人が貧困層と言われています。ひとびとが貧困に陥る原因は本当に自己責任なのでしょうか。

生活困窮者への支援を行う団体の人だけでなく、関心がある・子どもに関わる全ての方に読んでほしい本です。


多賀城市では、令和2年度の時点で生活保護を受けている世帯が580世帯あり、人数にすると725人となります。

そして前半で記述したように、貧困は社会すべてと繋がっており貧困から起きる負の連鎖を断ち切るためには社会全体でこの問題と向き合っていかなければなりません。

※多賀城市の生活保護支給状況は「令和2年度版統計書」から引用しております。


たがさぽ文庫では12冊まで、2週間本を借りることができます。登録は無料です。のぞいていくだけでも結構ですので、ぜひ来てみてください。

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【ブックレビュー】初歩的な疑問から答える NPOの教科書 [2022年03月12日(Sat)]

こんにちは。スタッフの浅野です。毎週土曜日は市民活動お役立ち情報をお届けします。本日はスタッフによるブックレビューを掲載します。



初歩的な疑問から答える 

NPOの教科書


著 者:乙武洋匡 佐藤大吾
発 行:日経BP社

発行日:2015年3月9日 



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みなさんはNPOと聞くとどのようなことを思い浮かべますか?

「いいことをしている」、「ボランティア」、「よくわからない」などといったイメージでしょうか。本書では、NPOの専門家ともいえる佐藤大吾さん(NPO法人ドットジェイピー理事長)がNPOの重要性や働き方について解説し、NPO初心者である乙武洋匡さん(作家)が聞き手役になり、対談形式でNPOに対する知識や理解を深めていきます。



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NPOって何だろう

佐藤さんと乙武さんは2004年に起きたプロ野球の合併問題で「プロ野球の未来を考える」提言を出すメンバーとして出会い、社会問題に関心を持つ仲間となり交流を続けてきたそうです。

二人の対談は「NPO(非営利団体)」「非営利」とはどのような意味なのかを質疑応答を通して理解するところから始まり、NPOと企業の成り立ちを比較しながら、両者のサービスと収益の流れの違いについてもふれています。


企業はサービスを受益者(サービスを受ける人)に提供することで利益を得ますが、中には対価を支払うことができずサービスを受けられない人もいます。そこをカバーするのがNPOです。お金は活動のための手段であり、社会課題の解決を最終目的とするのがNPOであることが本の前半でわかります花見(さくら)



世界で一番古いNPOは日本にある

経営学者のPドラッカーは著書で「広い意味で非営利活動をする組織を見ていくと、日本のお寺がNPOの原形にあたる」と述べているそうです。お寺は仏教の普及だけではなく公共サービスの多くを担い、教育や福祉活動が市民の浄財(=寄付)によって行われていました。

日本のNPOの歴史は古く、住みよいまちにするための手段として昔から地域に根づいていました。その共助の精神は脈々と受け継がれ、現在も社会課題を解決するためにNPOがさまざまな分野で活動をしています花見(さくら)花見(さくら)


「NPOに関わる」こと

本の後半では、個人のNPOとの関わり方についても紹介されています。

・新卒でNPOに就職することはあるのか

・NPOに転職する人の動機は

・どういう人が向いているのか

など、これからNPOで働いてみようと思っている人がイメージを抱きやすいよう佐藤さんが具体的な事例を挙げています。



自分が困ったときに周りを見回したら

同じように困っている人たちがいて

「じゃあ、みんなで集まって一緒に考えましょう!」

動き始める人が増えることを願って佐藤さんと乙武さんは「NPOの基礎編」を本にしたそうです。


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たがさぽでは、地域で開催されるイベントのチラシや身近で活動するNPOの情報を探すことができます。「この春から新しいことを始めてみたい」と思っている方がいらっしゃいましたらぜひお立ち寄りください。働き方が多様化し、おうち時間が増えた今こそ新しい一歩を踏み出してみませんか花見(さくら)花見(さくら)花見(さくら)



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【ブックレビュー】 「地域猫」のすすめ ノラ猫と上手につきあう方法 [2022年01月29日(Sat)]

こんにちは。スタッフの浅野です。
毎週土曜日は市民活動のお役立ち情報をお届けします。本日はスタッフによるブックレビューです。


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「地域猫」のすすめ ノラ猫と上手につきあう方法

著者:黒澤 泰
発行者:瓜谷 綱延
発行所:株式会社文芸社

発行:20051215日 



〇地域猫とは?

住民・ボランティア・行政が協力し、地域の理解を得た上で、ルールに基づいたエサやり、トイレの管理、不妊去勢手術等を行い、迷惑にならない飼い方でノラ猫を管理することです。

この本の著者で横浜市職員だった黒澤泰さんが1999年に「地域猫」という言葉を発案したことで、ノラ猫を処分せずに被害を減らし、人と猫が共存する方向が打ち出されました。


黒澤さんが横浜市役所に入所した当時は、自由奔放に生活するノラ猫が多く、市民からの苦情が相次いでいました。黒澤さんは動物行政を担当する獣医師としてみんなが困っていることを解決するために、相談を寄せてきた地域に足を運びいろいろな人たちから話を聞きます。そうした中で近所同士のコミュニケーションが不足していることに気づき、ノラ猫をテーマとして地域住民が一致協力することが解決のきっかけになると考えたそうです。

そして、住民で猫問題を話し合う場を設け、さまざまな立場の人の意見を反映させたノラ猫の「飼育ガイドライン」ができました。


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〇地域猫活動の輪

猫が好きな人も苦手な人も行政も“ノラ猫トラブルを無くして共存する”という目的は同じです。地域でノラ猫のことを話し合う中で住民同士のコミュニケーションが生まれ、防犯、防災、環境美化、高齢者福祉、子どもの教育等にも関心が広がり、住みよいまちづくりへと発展していくことが期待できるそうです。


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〇人と猫が幸せに暮らすまちへ

地域猫活動は、飼い主のいない猫を減らして、屋内の飼い猫にしていくための過渡的対策です。このような取り組みを重ね、人も猫も幸せに暮らしていくためのまちづくりが全国に広がっていってほしいですね。

著者の黒澤さんは、横浜市を定年退職した後も地域猫活動を普及させるための講演活動等を続けているそうです。


こちらの本は「たがさぽ文庫」H6動物・ペットの棚にあります。地域猫実践マニュアルも書かれていますので、気になっているノラ猫がいる、飼えないけれど地域で見守りたいと思っている方やノラ猫のイタズラに困っている方などにもおすすめです。ぜひお手に取ってご覧ください。


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「オンラインのあたたかい場づくり自主研究ノート」ブックレビュー [2022年01月22日(Sat)]

こんにちは。スタッフのカツイです。


本日はNPO法人ハンズオン埼玉発行の、「オンラインのあたたかい場づくり自主研究ノート」をご紹介いたします。


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一時期「オンライン飲み会」などという言葉が流行りましたが、みなさんもオンラインツールを利用して人とコミュニケーションを取る機会がコロナ禍でぐんと増えたと思います。遠くに住む人と会える良さがある反面、あわない目線、読めない空気、見えない反応にオンラインの難しさを感じることがあったのではないでしょうか。 


「オンラインのあたたかい場づくり自主研究ノート」はそんなオンラインツールであたたかい場(本書でいう『あたたかい場』とは、その集まりが終わったときに参加者が「今日、参加してよかった」「集まってよかった」「また集まりたい」と思える空間)を作るにはどうしたらよいかを可愛いイラストと共にわかりやすく説明しています。


オンラインの場づくりは、多くの人の協力が必要になります。参加者全員がカメラをオフにして真っ暗な画面の中で話を続けないといけないとしたら、聞いている人の反応も知れず不安ですよね。

本書では、「誰かの『応え(リアクション)』が、『安心』を生む」とあります。「安心」があればひとは表現を始めたいと思うようになり、おのずとあたたかい場へ繋がっていくのです。


あたたかい場づくりのために参加者が出来ることは


@うなずく

A質問する

Bチャットに書く

C映像・音声を常時オンに

D意見を出すときは受け止めてから


ちょっとした心配りで、慣れないオンラインでも安心できる場へ変わります。



それでも「どうしても緊張してしまう…」という場合は、アイスブレイクをしてみるのはいかがでしょうか。


本書ではオンラインで出来るアイスブレイクが28種類紹介されています。「所要時間」、「参加人数」、「準備」、「進め方」まで丁寧に書いてあり、緊張がほぐれるどころか盛り上がること間違いなしです。

「ズームでやる気チェック」は、講座や会議のスタートで参加者のその時点のやる気や思いをカメラとの距離で表現してもらいます。オンラインならではのアイスブレイクですよね。本書では「やる気」とありますが、違った問いかけでも出来そうですね。


サークルや町内会、仲間内の場だけでなく、オンライン会議で活発な意見交換ができない、どうも緊張してギクシャクしてしまう…などと悩んでいる方にも読んでいただきたい内容です。



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こちらの本はノート2(開)たがさぽ文庫ノート2(開)にて貸出しています。


詳細についてはこちら

https://hands-on-s.org/2021/05/17/atatakai/

【ブックレビュー】 防災かあさん [2021年12月18日(Sat)]

こんにちは。スタッフの浅野です。
毎週土曜日は市民活動のお役立ち情報をお届けします。本日はスタッフによるブックレビューを掲載します。

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『防災かあさん』

―わたしの家族はわたしが守る!―


著 者:みんなの防災部
発 行:株式会社 羽鳥書店

発行日:2015311日 

●「防災かあさん」とは?

それは家族の中で、家族全員の健康と安全を考えるキーパーソンのことです。

災害が発生したとき「自分は、家族は、どうするだろう」と想像するきっかけになるようなQAがこの本には集められています。災害発生前・発災時、避難時・避難所生活までシーン別の質問の答えを考えながら災害に関する知識を学ぶことができます。

この本を読んで特に印象に残ったのが「いざというときの避難行動」についての章です。災害のとき、どのように情報を集めて、冷静に行動を開始するのかを考えるきっかけになりました。



警戒レベルを用いた防災情報

日本では毎年のように大雨や台風になどによる多くの被害が出ています。気象庁の注意報や警報、市町村から出る避難指示などさまざまな情報を住民が正しく理解できるよう5段階の警戒レベルと避難情報を用いて情報を伝えています。


本の第5章でもふれていますが、例えば、警戒レベル3の「高齢者等避難情報」が出された場合、高齢者など介護が必要な人や、乳幼児など避難する際に援護が必要で時間のかかる家庭はどうすべきでしょうか?


正解は「避難に時間がかかるおうちは、情報が出たらすぐに避難行動を開始する」です。


対象となる地域住民が危険な場所から全員避難する警戒レベル4の「避難指示」以前に発表されるので空振りに終わることもあるかもしれません。ですが、本番に生きる真剣な訓練と思ってすぐに動けるように心がけたいですね。

避難情報に関するガイドラインについてはこちらをご覧ください。

内閣府 防災情報のページ



身近に援護が必要な人がいるとき

2019年に東日本各地に被害をもたらした台風19号豪雨のとき、私は自宅で川の氾濫や土砂災害のニュースを観ていました。避難すべきか、家にとどまるべきか、右往左往している間に一気に雨風が強まり、玄関を開けることさえできなくなったのを覚えています。雨風が強まる前に外の様子を見ていた私の子どもが「こわい」と言ったときが避難のタイミングだったのかもしれません。

保護者が、通常よりも早めに慎重な避難行動をとることが、何より大切であることを痛感しました。


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もしものとき、家族が別々の場所にいても

「どう連絡を取り合うか」

「どこへ何を持ってどう逃げるか」

「避難所に優先順位をつけて、複数決めておく」など

それぞれが自分を守るために日頃から家族で話し合ってそなえておくことが必要です。


そして、避難所に無事にたどり着くためには、近隣の方たちときちんと関係を築いておくことも大切です。家族と離れ離れのとき自分の命を救うために大事なのは、近くにいる避難者と協力し合うことだとこの本には書かれています。



今年の925()にたがさぽがオンラインで開催したTSR会議2021「防災とインクルーシブなまちを考えるシンポジウム」でも「高齢者や心身に障がいがあって介護が必要な人、妊婦や乳幼児、日本語が不得意な外国人などの要援護者に災害に関する情報を伝えるにはどうすればよいのか?」、「避難行動の際にはどのような配慮が必要なのか?」、「いろいろな立場で想像力を広げよう」など参加者からさまざまな意見がでました。


シンポジウムの詳細はこちらをご覧ください。

Tagajo Sustainable RelationshipTSR2021〜多賀城から持続可能な関係性を探る会議


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たがさぽ文庫ではこの他にも災害・防災に関する本を取り揃えています。

E3災害」の棚にありますので、お気軽にスタッフにお問い合わせください。


Facebookグループ「防災かあさんの会」に入ってみませんか?

「防災かあさん」を育てるためにつくられたグループです。防災の情報交換をしたり日頃疑問に思っていることを相談できる交流の場で、どなたでも参加できます。




SDGsの本集めてみました!団体PRにもご活用ください! [2021年10月30日(Sat)]

こんにちは。

スタッフの川口です。

今日は最近耳にするSDGsについて、相談でも寄せられているのでまとめてみました。

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最近、テレビでもSDGs(エスディージーズ

SDGsとは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称で、20159月の国連サミットで採択されたもので、国連加盟193か国が2016年から2030年の15年間で達成するために掲げた目標です。


実は2030年まで、あと9年しかありません。

遠いどこかの世界の課題だと感じているかもしれませんが、日本でも貧困は起きているし、最近だと温暖化で海洋資源が変わってきているというニュースを聞くと、海の資源を大切にするという観点と大きく環境の課題でもあると思います。

ひとつの課題に解決策があるのではなく、いろいろ課題はつながっていることがわかります。


SDGsのアイコンを掲げ、自分の興味のあることや取り組みを表現することも、私たちがすぐにできる大切な発信であると思います。


さて、今日はSDGs関連のたがさぽにある本をまとめてみました。貸出できますので、興味のある方はぜひ借りに来てください。


1冊目は、


「未来を変える目標 SDGsアイデアブック」


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紀伊國屋書店 (2018/5/8) 著書:一般社団法人Think the Earth


「世界、国内の事例を紹介していますが、単なる活動紹介ではなく、アイデアにこだわって紹介しています。「そんな方法があるなら、こんな方法もあるかも! 」と心が動くことを期待しているからです。先端テクノロジーを使った活動もあるし、子どものアイデアが実現した例もあります。読んだ人が、自分ならどうするか、と考えられるような視点を提供することを目指しました。」解説文より

身近な日々感じていることからアイデアって生まれているはず!そこをSDGsでつなげていける一冊です。


2冊目は、


「暮らしの中のSDGs 今と未来をつなげるものさし」


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編/アノニマ・スタジオ 2010年発行


「私たち生活者にとっても、日々の暮らしのなかで実践していることや気になっていることに、つながっていることがたくさんあります。この本は住む場所も年齢も暮らし方もさまざまな人たちの考えやアイデアをQ&A(Question&Action)形式で紹介するほか、専門家の話や企業・団体の取組もコラムとして掲載。SDGsを身近に感じて、暮らしのなかでのAction(行動・活動・ふるまい)のヒントにしてほしい一冊です。」解説文より



3冊目は


「実践 地方創生×SDGs  持続可能な地域のつくり方」


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著者:筧裕介 英治出版 (2019/5/9)


SDGsの視点で、地域を着実に変える

「一過性のイベントやハコモノ頼みの施策ではなく、 長期的かつ住民主体の地域づくりはどうすれば可能なのか? SDGs(持続可能な開発目標)の考え方をベースに、行政・企業・住民一体で地域を着実に変えていく方法をソーシャルデザインの第一人者がわかりやすく解説。」解説文より


筧さんはたがさぽのイベントにもゲストででてくれたことがあるんです!

その時の模様はこちら→https://blog.canpan.info/tagasapo/archive/2907


以上、SDGsな3冊でした。

ほかにも何冊かありますのでご紹介できます!


国際連合広報センターのHPでSDGsに関するロゴなどがダウンロードできます。

(使用のガイドラインをお読みの上、利用してください)

https://www.unic.or.jp/activities/economic_social_development/sustainable_development/2030agenda/sdgs_logo/


まずは知るところからはじめまてみませんか?