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【ブックレビュー】きかせてあなたのきもち 子どもの権利ってしってる? [2025年04月19日(Sat)]

こんにちは。スタッフのあさのです。

毎週土曜は市民活動のお役立ち情報をお届けします。本日はスタッフによるブックレビューです。


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きかせてあなたのきもち

子どもの権利ってしってる?


著 者:長瀬正子・文

                   momo・絵
出版社:ひだまり舎

発 行:2021910

〇子どもの気持ちを大切に

本書は、新型コロナウイルスの世界的な流行が始まったときに、国連・子どもの権利委員会が出した声明をもとにつくられました。

緊急事態宣言が出されたりロックダウンがなされている国々では、たくさんの子どもたちが心身に大きな影響を受けました。大変な状況が続き大人の心にゆとりがなくなってくると、子どもの気持ちは後回しにされがちです。だからこそ「子どもに寄り添い、子ども自身が自分の気持ちを発信する力を育むことが大切だ」と子どもや若者の支援に取り組む著者の長瀬さんは考え、絵本を制作したそうです。




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〇みんなに「子どもの権利」がある

国連・子どもの権利委員会が出した声明文は、絵本のなかで子どもにもわかるシンプルな日本語訳で紹介され、子どもと本を読みながら「子どもの権利」について話し合えるよう10の問いかけからなるワークページとなっています。国連の声明や子どもの権利条約を知ることで「あなたは大切な存在である」と多くの子どもに伝えたいという長瀬さんの願いがこの絵本には込められています。



こちらの本はたがさぽ文庫のNPOの絵本コーナーにあります。「子どもの権利」についての理解を深められる一冊です。ぜひお手に取ってご覧ください。


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【ブックレビュー】市民活動家は気恥ずかしい だけど、こんな社会でだいじょうぶ? [2025年01月25日(Sat)]
こんにちは。スタッフのあさのです。

毎週土曜は市民活動のお役立ち情報をお届けします。本日はスタッフによるブックレビューです。


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「市民活動家」は気恥ずかしい

だけど、こんな社会でだいじょうぶ?


著 者:小竹雅子
発行所:株式会社現代書館
発 行:20231015

〇市民活動のはじまり

著者の小竹さんは北海道の豊かな自然に囲まれて育ちました。1979年にパートナーと東京に移り住んだのを機に「障害児を普通学校へ・全国連絡会」の「連絡先」として担当を引き受けることになったそうです。


それまで障がいのある人と直接関りがなかったという小竹さんでしたが、会報の発行や電話相談、講座の企画など連絡会の活動に尽力します。そして、連絡会で出会った人たちから障がい者の現状について話を聞きながら障がいへの理解を深めていきます。


連絡会のボランティアに来ていた母親たちのわが子の障がいを受け入れ、親がいなくても子どもが自立できる世の中にしていこうと奮闘する姿を見て、母の強さを感じたと小竹さんは当時をふりかえります。


〇市民福祉を考える

10年間続けた「連絡先」としての活動を終えた小竹さんが次に携わったことは、高齢者問題でした。介護保険法成立後に「介護問題ホットライン」という電話相談を開設し、高齢者分野の市民活動に従事することになりました。介護保険制度の勉強を進めていくと次第に「本当に利用者本位の制度なのだろうか」と疑問を抱くようになり、高齢者に必要な支援について考えていくようになります。


その後、市民福祉サポートセンターの発足にも関わり、2003年からは個人で介護保険制度の情報を発信する「市民福祉情報オフィスハスカップ」をスタートさせ、メールマガジンの配信や介護セミナーの開催、電話相談など幅広く活躍しています。




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〇ささやかなはじっこの市民活動

小竹さんは自身の性格を「昔から落ち着いた性格で、競争心や闘争心もうすかった」と回想していますが、これまでの活動の軌跡をたどっていくと「互いに相手を思いやり、共に暮らせる社会にしたい」という小竹さんの静かな情熱が活動の原動力となっていたように感じます。


「病気や障がいの当事者が主張できないことは、周りにいる人が我慢せずに主張すればいい。これからもささやかなはじっこの市民活動を続けていく」と小竹さんは本書の最後に記しています。



こちらの本は「たがさぽ文庫」の新刊図書のコーナーにあります。市民活動の始めの一歩を踏み出してみたいと考えている方におすすめの自伝エッセイです。ぜひお手に取ってご覧ください。

【ブックレビュー】認知症世界の歩き方 実践編 対話とデザインがあなたの生活を変える [2024年11月16日(Sat)]

こんにちは。スタッフのあさのです。

毎週土曜は市民活動のお役立ち情報をお届けします。本日はスタッフによるブックレビューです。


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認知症世界の歩き方 実践編

対話とデザインがあなたの生活を変える


著 者:筧 裕介

    issue+design
発行所:issue+design
         
特定非営利活動法人イシュープラスデザイン

発 行:2023318日 


〇誰もが暮らしやすい社会を目指して

みなさんは「認知症」と聞くとどのようなことを思い浮かべますか。「人の名前を忘れてしまう」「迷子になってしまう」「探し物ばかりしている」などのイメージでしょうか。認知症は脳機能が低下して社会生活が困難になることを指しますが、認知症のある方ご本人が生きる世界、見える景色、どのような思いを抱えているかは、あまり知られていません。

本書は、認知症のある方への誤解や偏見をなくし、誰もが暮らしやすい社会を実現したいという思いから生まれた一冊です。



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〇想像力と対話

本書は認知症の世界を旅するストーリーから始まります。「ミステリーバス」や「七変化温泉」を体感すると、なぜ迷子になるのか、なぜお風呂嫌いになるのかその方の視点で世界、景色、思いを想像できるようになります。そして「理解不能」だと思っていた言動が腑に落ち、相手への接し方も変わってきます。

認知症のある方とともに暮らすために必要なのは、相手の立場に立った想像力と思いを共有する対話だと筆者は述べています。



〇生活環境デザイン

認知症のある方が抱える生活トラブルの大半は、環境側に問題があるそうです。家の中の複雑な模様やインテリア、抽象的なサインや表示、迷いやすい商業施設を改善して認知症のある方ご本人の視点によるデザインを生活に取り入れれば、多くの障壁がなくなります。



高齢者に限らず、子どもや大人もその時々で何らかのトラブルを抱え、生きづらさを感じているものです。認知症のある方が暮らしやすい社会は、誰もが暮らしやすい社会に他なりません。

こちらの本は「たがさぽ文庫」の新刊図書のコーナーにあります。認知症のある方へのインタビューを元にした同シリーズの『認知症の世界の歩き方』も文庫にあります。ぜひお手に取ってご覧ください。


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【ブックレビュー】 発達障害サバイバルガイド 「あたりまえ」がやれない僕らがどうにか生きていくコツ47 [2024年11月09日(Sat)]

こんにちは。スタッフのさいじょうです。

毎週土曜日は市民活動のお役立ち情報をお届けします。本日はスタッフによるブックレビューです。


発達障害サバイバルガイド 「あたりまえ」がやれない僕らがどうにか生きていくコツ47

著 者:借金玉

発行所:ダイヤモンド社

発売日:2020/7/30


本日ご紹介する本は、日本一意識の低い啓発本作家と名乗る著者が、発達障害・グレーゾーンの特性によって生きづらいと感じている人生を、どうにかうまくやっていくために生み出されたノウハウを紹介するサバイバルガイド本です。





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みんなができる生活の中の「あたりまえ」。それができない理由が、発達障がいと診断されたことで納得はしたけれど、「生きづらさ」への問題は存在し続けている。結局は障害を抱えたまま人生をうまくやっていくための工夫やコツを生み出す以外に生き延びる方法はない!と、著者が長年かけて試行錯誤の上に生み出した具体的なノウハウを掲載しています。


「この本には一人の発達障害者としての僕が、少しでもまともな生活を

手に入れるために重ねてきた工夫をみなさんと分かち合いたいという気持ちがこめられています。」※【はじめに】より


イラストや、実際に著者が使っているあると便利なおすすめの道具も紹介されていて、世界一意識が低い啓発本といいつつも、いま生きづらさを抱えている人が生活も心も少しラクになる1冊です。


当事者の方だけでなく、その近くにいる方が読むことで当事者が抱えている「できない」理由や、苦しみが少し理解できるかもしれません。


こちらの本は「たがさぽ文庫」にあります。ぜひお手に取ってご覧ください。

【ブックレビュー】稼ぐNPO 利益をあげて社会的使命へ突き進む [2024年10月12日(Sat)]

こんにちは。スタッフのあさのです。
毎週土曜日は市民活動のお役立ち情報をお届けします。本日はスタッフによるブックレビューです。



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稼ぐNPO

利益をあげて社会的使命へ突き進む


著 者:後房雄 藤岡喜美子

発行所:株式会社カナリアコミュニケーションズ

発売日:20165


〇稼ぐNPOになるために

多くのNPOはどのように収入を得ているのでしょうか。会費、寄付金、助成金、補助金等さまざまな資金源がありますが、安定した運営を続けていくためには継続的な収入を確保する必要があります。

本書のメインテーマは「稼ぐNPO」です。収益を団体の活動を支える重要なツールとしてとらえ、NPO型ビジネス・モデルを構築し、事業型NPOへと成長する秘訣が提示されています。


〇成果志向のNPO

NPOは社会貢献活動を行う非営利組織です。公益性が高ければ必ずしも利益を求める必要はありません。一方で、経営の課題として資金や人手不足をあげるNPOも少なくありません。活動を継続するためには必要な収入を持続的に生み出すことが不可欠です。


NPOは特定の社会課題を意識して設立される場合が多いです。しかし、NPOには「成果を重視しない傾向」が内在していると経営学者のピーター・ドラッカーは指摘しているそうです。NPOのミッションに照らした成果を測定するのは難しいが、寄付者、ボランティア、助成財団、行政等の資源を提供する側に団体を評価してもらうためにも、成果志向の経営を意識すべきだと著者は述べています。



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〇独自のビジネス・モデル

「稼ぐNPO」の事例紹介の章では、その地方の風土を取り込んだビジネス・モデルの確立や成果も知ることができます。高齢者と赤ちゃん、障害児と健常児、ボランティアと市民が自然と交流できるような地域の居場所づくりに取り組むNPOが全国で増えてきています。

住民のニーズを形にしていくような新しい働き方で地域課題を解決し、経済の活性化、新しい雇用の形態をつくっていくという事業型NPOの起業家たちの力強いメッセージを感じ取ることができました。


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こちらの本は「たがさぽ文庫」の新刊図書のコーナーにあります。事業型NPOのノウハウやマネジメントの仕組みを知りたい方におすすめの一冊です。ぜひお手に取ってご覧ください。



【ブックレビュー】自分を活かせるプロボノ、始めてみませんか? マンガでわかる ちょこっと社会貢献 [2024年08月24日(Sat)]

こんにちは。スタッフの浅野です。
毎週土曜日は市民活動のお役立ち情報をお届けします。本日はスタッフによるブックレビューです。


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自分を活かせるプロボノ、始めてみませんか?

マンガでわかる ちょこっと社会貢献


著 者:上村彰子

出版社:小学館

発 行:202341日 



〇プロボノとは?

近年、新しい社会との関り方として広がりを見せるプロボノ。プロボノとは、ラテン語の「公共善のために」(Pro bono publico−プロ・ボノ・プブリコ)が語源とされる職業上のスキルや知識、趣味や得意分野を活かしたボランティア活動です。


本書では、左遷の憂き目にあったクリエイティブディレクターや妊娠を機に退職したデザイナー、定年間近の会社員の3人の主人公がプロボノと出会い、仕事以外のやりがいや居場所を見つけるまでの過程が描かれています。

3人の主人公それぞれが新しい世界に飛び込み、自分にしかできない貢献の方法を見つけるストーリーが「こういうセカンドライフもあるのか!」と読む人に勇気を与えます。


プロボノは無償で行うことがほとんどですが、ボランティア仲間など異業種の方との交流で自分の特技に気づき、人から感謝される喜びを知ることができるのが活動の醍醐味とも言えます。




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〇プロボノを始めてみませんか

「今までボランティアをしたこともないのに、世の中のためになる活動を始めるのはハードルが高い」と感じる方も多いと思いますが、個人が仕事を何年も続けるなかで備わった経験やスキルを「役立ててほしい」と願っている団体は数多く存在します。

私もプロボノに参加するのは「特別なスキルをもった優秀な人」、「ボランティア経験豊富な人」とだ思っていましたが、プロボノ運営事業を行うNPO法人サービスグラントによると、参加者のおよそ半数はボランティア活動をするのは初めてだったそうです。


初めて経験するボランティアがプロボノという人は意外と多いということを知ると、ボランティアに慣れていない方でも思い切ってはじめの一歩を踏み出すことができるのではないでしょうか。




こちらの本は「たがさぽ文庫」新刊図書コーナーの棚にあります。ぜひお手に取ってご覧ください。


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【ブックレビュー】大阪に来たらええやん!西成のNPO法人代表が語る生活困窮者のリアル [2024年06月08日(Sat)]

こんにちは。スタッフの浅野です。
毎週土曜日は市民活動のお役立ち情報をお届けします。本日はスタッフによるブックレビューです。


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大阪に来たらええやん!

西成のNPO法人代表が語る生活困窮者のリアル


著 者:坂本慎治
発行所:信長出版

発 行:2021528日 


NPO立ち上げのきっかけ

著者の坂本さんが生活支援機構ALLを立ち上げたきっかけは、不動産会社の営業をしていたときの出来事にあります。「訳ありな人」と判断されたお客さまが部屋の紹介を断られるケースを何度も目にして、坂本さんの中に「多くの人の助けになりたい」という思いが芽生えます。

25歳で生活支援機構ALLを立ち上げてからは、相談者を「見捨てない」「孤独にしない」をモットーに、一度関りをもった人のことは何年も何十年もとことん面倒を見続ける決意で活動しています。



〇生活支援機構ALL

生活支援機構ALLは生活困窮支援、居住支援、住宅情報支援、障がい者支援を行っています。生活保護申請の手助けなど、相談者が生きるのに必要な支援制度を紹介することが主な活動です。そして新しい住まいを探す住宅確保と生活用品を揃える生活支援も無償で行っています。


世の中にもっと生活困窮者の実情を知ってほしい。手をさしのべる人が増えてほしいという思いでこの本を執筆したそうです。




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〇大阪に来たらええやん!

坂本さんは本書で「大阪は懐が深く、どんな人でも包み込む温かい街」と述べています。

生活保護の需給をサポートする体制や、生活困窮者の住まい探しを支援する体制が充実していて、生活保護を受給しながら、再起に向かって頑張っている人もたくさんいるそうです。


今住んでいるところで立ちゆかなくなったら、大阪に居を移して再起すればいい。

大阪に来てくれさえすれば、生活支援機構ALLのメンバーがどんな相談にも乗る。

「大阪に来たらええやん!」と力強く語っています。


こちらの本は「たがさぽ文庫」新刊図書コーナーの棚にあります。ぜひお手に取ってご覧ください。 

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NPO法人生活支援機構ALL HP

【ブックレビュー】感覚過敏と感覚鈍麻の感じ方 カビンくんとドンマちゃん [2024年03月09日(Sat)]

こんにちは。スタッフの浅野です。
毎週土曜日は市民活動のお役立ち情報をお届けします。本日はスタッフによるブックレビューです。


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感覚過敏と感覚鈍麻の感じ方

カビンくんとドンマちゃん


著 者:加藤路瑛
発行所:株式会社ワニブックス

発 行:2023810



〇感覚過敏とは?

著者の加藤路瑛さんは感覚過敏の当事者として活動をしている現役の高校生です。

加藤さんが初めて「感覚過敏」という言葉を知ったのは、中学1年生の夏でした。

休み時間になりクラスが賑やかになると、甲高い声が耳に突き刺さり、頭痛がしてきて保健室に駆け込むことが多くなりました。

先生とつらくなる原因を探るなかで、感覚過敏について調べてみるとその症状の多くが自分に当てはまりました。


感覚過敏とは、視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚などの感覚が過敏になり、日常生活が困難になる状態のことです。


加藤さんはこのとき「自分が弱虫なのか神経質なのか」「なぜ人と同じようにできないのだろう」などずっと抱えていた違和感の答えにたどり着いた気がしたそうです。



〇カビンくんとドンマちゃん

本書は、加藤さんをモデルにした感覚過敏の中学生の男の子が主人公の物語です。感覚過敏とは対照的に寒さや痛みを感じにくい「感覚鈍麻」の女の子も登場します。


感覚過敏なカビンくん感覚鈍麻なドンマちゃんの日常をかいまみることで、これらの人々がどんなことで困り、どんなことに葛藤を抱えて生活しているかを知ることができます。



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まわりの雰囲気に同調できない

まわりとズレているのかもしれない


同じ悩みを抱えていたカビンくんとドンマちゃんはお互いの特性について語り合い、理解を深めていきます。


制服、給食、友だちの声、窓際の席など何でもないことがつらいカビンくん。

寒さ、暑さ、空腹、満腹を感じにくい不思議ちゃんと言われるドンマちゃん。


「感覚」は見た目にはわからないので、まわりと違う言動が目立つと「変わった人」「わがまま」と誤解されてしまうこともあるかもしれません。多くの人にとって何でもないことが、当事者にとってはとてもハードなこともあります。



最近では、感覚過敏の人たちが生活しやすいよう配慮する試みも始まっています。

静かな環境でスポーツ観戦や買い物ができる「センサリールーム」「クワイエットアワー」や建物内の光の明るさや音の大きさなどの情報を示す「センサリーマップ」を公開する施設も増えてきています。



加藤さんは現在感覚過敏研究所を設立し、当事者コミュニティの運営や普及啓発に取り組んでいます。五感にやさしいセレクト商品や自社開発商品の紹介もしています。詳しくはHPをご覧ください。



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感覚過敏研究所HP



【ブックレビュー】僕たちはヒーローになれなかった。 [2024年02月10日(Sat)]

こんにちは。スタッフの浅野です。

毎週土曜日は市民活動のお役立ち情報をお届けします。本日はスタッフによるブックレビューです。



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僕たちはヒーローになれなかった。


著 者:葉田甲太
発行所:株式会社あさ出版

発 行:20191127 


〇一歩踏み出す決心

著者の葉田甲太さんは、子どもの頃から国境なき医師団に憧れ医師を志すようになったそうです。

葉田さんが大学2年生のとき人生に転機が訪れます。「150万あればカンボジアに小学校が建つ」というポスターを見たことがきっかけでカンボジアのコンポントム州に小学校を建設します。そのストーリーを綴ったノンフィクション小説『僕たちは世界を変えることができない』2011年に映画化されています。

大学卒業後、臨床医として日本で多忙な日々を送っていた葉田さんは、支援を続けていたカンボジアで生まれたばかりの赤ちゃんを亡くして悲しむお母さんの姿を目の当たりにします。

やがて「子どもの頃の自分が憧れたヒーローとは何だったのか」と自問自答するようになり、本当にやりたかったことに向けて一歩踏み出す決心をします。



〇メッセージ

本書では、葉田さんとスーダンでNPO活動をしている先輩医師との出会いや現地の人との友好を通して「困っている人を笑顔にしたい」と改めて決意し、カンボジアの僻地に新しい保健センター(病院)を建てるまでの軌跡が綴られています。そして、カンボジアの現状を遠い国の問題ではなく、自分事として当事者に寄り添う気持ちや人前では語りづらいはずの医師としての迷いや無力さなども率直に綴られています。


なかなか変えられない現実と自分の限界を知ってもなお「行動を止めない」という選択をした葉田さんの姿からは「ひとりの力は小さくてもみんなの力を合わせれば世界を変えることができるかもしれない」というメッセージが伝わってきます。



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私たちの周りを見渡してみても「困っている人を助けたい」「自分の夢をかなえる活動をしたい」と考えてNPOを立ち上げる方は年々増えてきていますし、まちづくりや防災といった身近なボランティア活動への関心も高まっています。



この本は、たがさぽ文庫A6ボランティア」のコーナーにあります。春から新しく何かを始めたい人や人生の岐路に立っているという人におすすめの一冊です。ぜひお手に取ってご覧ください。


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【ブックレビュー】PTA をけっこうラクにたのしくする本 [2023年12月09日(Sat)]

こんにちは。スタッフの浅野です。毎週土曜日は市民活動のお役立ち情報をお届けします。本日はスタッフによるブックレビューです。




PTA をけっこうラクにたのしくする本


著 者:大塚玲子
発行所:株式会社太郎次郎社エディタス

発 行:201461日 


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〇PTAは負担?

年末のこの時期になると来年度のPTA役員(委員)の選出が始まる学校も多いのではないでしょうか。私の周辺でも「年内に全員決めたいのに」「希望者が集まらない」など、さまざまな声が聞こえてきます。

最近では子育て世帯も共稼ぎが多数派になってきました。「PTAは負担」というイメージが先行して役員(委員)がなかなか決まらず、くじ引きやじゃんけんで強制的に決められることもめずらしくありません。そうなると“やらされ感”が増し、来年度はよりいっそうなり手が見つかりにくくなる悪循環…。


本書では「もっと子どものことに関わりたい」「教育をサポートしたい」と願っているけれども「今のPTAと関わるのはちょっと…」と感じている保護者に向けて、

PTAを今よりラクに楽しくするための具体的なアイディアが紹介されています。



〇楽しいPTAとは

「PTA」と聞くと役員の押しつけと回避、過大な負担などが思い浮かび、ドンヨリした気分になる方もいるかもしれませんが、こういったことがすべてではありません。「楽しいPTA」の実現を目指し、新しい取り組みを始める保護者たちが全国で増えてきているそうです。


東京都大田区立嶺町小学校の事例では、一般会員がPTA活動をどのように思っているのかアンケート調査を実施しました。保護者たちも「今まで抱えてきた不満や不安をやっと聞いてもらえる」という気持ちだったのか、回収率はとてもよかったとのこと。アンケートからは役員が知らなかったみんなの本音も見えてきて、そこから運営がガラっと変わっていったそうです。


まずは委員会を廃止し、手を挙げた人がボランティアとして活動する方式に変更。

役員会は活動のコーディネーターとしてのボラセン(ボランティア・センター)という呼び方に変えました。さらに、親と子がいっしょに参加できるイベントとして“逃走中(鬼ごっこの一種)”を企画したときはいつもより多くのボランティアが集まったそうです。

このように保護者がボランティア・マインドをもって、応援団のような立場で学校と関わっていくことが無理なくPTA活動を続けていくコツなのかもしれません。




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〇PTAのメリット

PTA活動で保護者が得られるメリットにも目を向けてみると、知り合いが増えていろいろな情報が入ってきやすくなることだと思います。私自身も今年の春に「大丈夫かな」と不安を抱えながら委員になった保護者ですが、やってみると「意外と楽しい経験」でした。


PTA活動を通して知り合いが増えるのは心強いし、知り合いが増えれば、知りたい情報も入ってきやすくなります。時々学校に行くと学校施設や先生、子どもたちの普段の様子がわかりますし、友達の輪の中にいるわが子を見るのも楽しみでした。



これまでのやり方を見直し、時代に合わせて活動内容をラクにすることがPTAの活性化につながります。「うちの学校のPTAってどんなことをしているのかな」とまずは活動を知ることから始めてみてはいかがでしょうか。



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この本はたがさぽ文庫新刊コーナーの棚にあります。ぜひお手に取ってご覧ください。



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