こんにちは。スタッフの金子です。 11月5日は大地震・大津波を想定した市の総合防災訓練で、午前9時頃に震度6の地震が発生したと想定した訓練が行われました。サイレン放送・防災情報アプリやSNSなどでもお知らせがありましたが、みなさんは当日どのように過ごされましたか? 災害発生時は、「自助・共助・公助」がうまく機能することが重要だと言われています。各町内会では、自助として身を守る(シェイクアウト)、や非常持出品の確認などした地域や町内会の防災備品の確認、炊き出し訓練を行った地域もあったと聞いています。 多賀城市/令和4年度多賀城市総合防災訓練 (city.tagajo.miyagi.jp) さて、同日にたがさぽでは防災やユニバーサルに関心のあるみなさんと一緒に「ユニバーサルな避難所」をつくって、体験していただく場をつくりました。 11/5開催「ユニバーサルな避難所を体験しませんか?」 | 多賀城市市民活動サポートセンター〜たがさぽ〜 (tagasapo.org) ユニバーサルな避難所はたがさぽだけで実施したのではなく、Tagajo Sustainable Relationship(TSR)会議のゲストや参加者、ユニバーサルや防災に関心のある人たちと一緒に考えて実践したものです。実践に至るまでのプロセスとユニバーサルな避難所の当日の内容までをレポートします! ○TSR会議2021「防災とインクルーシブなまちを考える」の課題・アイデア 昨年9月25日のTSR会議2021「防災とインクルーシブなまちを考える」では、障がい者、車いすユーザー、外国人、転勤族、性的マイノリティに関するゲストのみなさんや参加者のみなさんから防災やインクルーシブなまちにするために、それぞれの視点で課題やアイデアを出していただきました。 TSR2021会議「防災とインクルーシブなまちを考えるシンポジウム」を開催しました。-多賀城市市民活動サポートセンター“たがさぽPress” (canpan.info) (一部抜粋) ・壁側1m通路があると、視覚障がいがある人も一人で移動しやすい。 ・段差や階段があると、車いすやベビーカーの人は移動が難しい。 ・騒いでしまう家族がいると周りに迷惑を掛けると思って避難所に行きにくい。 ・聴覚障がいがある人や日本語が不得意な人などにどのように情報を伝えるか。 ・見た目では分からない障がいがある人がいる。 ○ユニバーサルな避難所をつくるためのアイデア出し会議 今年の10月13日に、TSR会議2021で出していただいた課題やアイデアなどをもとに、「ユニバーサルな避難所」にするためには何が必要か?どうしたらいいのか?を防災やユニバーサルに関心のある人たちを募集して、みなさんと一緒にさらにアイデアを出し合いました。 (一部抜粋) ・車いすの人も移動しやすい通路の確保、動線にする。 ・家庭の防災バッグに歯ブラシを入れてもらう。(口腔ケアや気分転換に歯磨きは効果的) ・避難所設置時に、子どものあそび場をつくる。 ・避難所にいる人のできることを見える化する掲示板をつくる。 ○ユニバーサルな避難所実践@多賀城市文化センターの創作室 出していただいたアイデアを実践するために、アイデアを考えるところから参加していただいたみなさんと11月5日の実践に向けた準備を進めてきて、当日の運営もみなさんと一緒に行いました。 当日の内容、レイアウト図はこちらです! PDFはこちら 当日レイアウトに少し変更はありましたが、内容は概ね上記のレイアウト図の通りです。 また当日は視覚障がいの当事者の方、発達障がいの子どもの支援を行っている方、障がい者就労事業所の職員や利用者の方、町内会の方、市の職員の方など様々な方に来場いただきました。 @できますゼッケン 自分ができることをゼッケンに書いて、自分の背中に貼って見える化。またゼッケンに書いたものと同じものを壁に貼って避難所内の情報をひと目で分かるようにしました。 できますゼッケン〜避難生活に助け合いを (issueplusdesign.jp) A防災バッグの中身 みんなの防災バッグの中身は何が入っているのか?今回は運営メンバーの板橋さんが自身の防災バッグの中身を紹介することで、来場者のみなさんにも防災バッグの中身について考えていただきました。 みなさんの防災バッグに歯ブラシは入っていますか?口腔ケアや気分転換のためにも歯磨きは効果的とのこと! B移動式の点字ブロック 移動式の点字ブロックを宮城県視覚障害者情報センターさんから借りて、設置。 点字ブロックの設置がない場所でも移動式の点字ブロックがあります。点字ブロックを常設できない場所でも必要としている人がいるとき、場所に臨時で設置することも選択肢の一つになるのではないでしょうか? 宮城県視覚障害者情報センター (miyagi-sikaku.org) Cロービジョン体験 目が不自由な方の見え方を体験できるロービジョン体験眼鏡。視野狭窄・白濁・盲目の3つの見え方の眼鏡を体験して、歩いてみて、避難所のあり方について考えました。 ロービジョン体験キット - 日本ライトハウス情報文化センター (lighthouse.or.jp) 会場を訪れた視覚障害の方からこの機会に生活の中でも体験してもらいたいという声も聞かれました。 Dこどものあそび場 サランラップで腹巻きを作って暖かくしたり、大きな袋で合羽を作ったり、段ボールで秘密基地を作りました。段ボールのトイレも展示して、実際に座ってみた人も!段ボールトイレは意外と丈夫で100kgまで耐えられるそうです。H車いすも通れるレイアウト 通路は何mあると、車いすの移動が可能になるのか?今回は壁から1.5mの通路を確保し、実際に車いすに試乗しながら通路を移動してみました。 他にも来場者のみなさんには、情報交換やアイデアを出していただき、その場で出た内容は付箋に書いてホワイトボードで共有していただきました。 今回はこれまでみなさんから出していただいた課題やアイデアの一部を実践してみました。 実践することで、来場者のみなさんも運営メンバーもさまざまな気づきがありました。 できますゼッケンでは自分にできることは何か、「自分では大したことないと思っていても、ここでは役に立つんだね」と話されていた人もいました。車いすでも移動しやすい通路を四方すべて1.5m確保すると避難所のスペースが大分狭くなってしまうため、3方でもいいのではないか、移動式の点字ブロックは家具の滑り止めシートを下に敷くといいのではないか、など実践することでより具体なアイデアも聞くことができました。 今回の気づきは避難所に限らず、日常生活でも活かせることがあるのではないかと思います!今後もユニバーサルな地域、誰も取り残さない地域を目指して、みなさんと取り組みを続けていきます。「ユニバーサル」「防災」などに関心のある人、一緒に多賀城をよりよくしたいと思っている人はたがさぽまでご連絡ください。お待ちしています!! |