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【ブックレビュー】 動物たちの3.11 被災地支援ドキュメンタリー [2022年07月30日(Sat)]

こんにちは。スタッフの浅野です。
毎週土曜日は市民活動のお役立ち情報をお届けします。本日はスタッフによるブックレビューです。



植物 罫線.png

動物たちの3.11被災地支援ドキュメンタリー

著者:阿部 智子
発行所:株式会社エンターブレイン

発行:201244 


〇「あの日」

この本の著者である阿部智子さんは、NPO法人アニマルクラブ石巻の代表で犬や猫の里親探しや救援活動の協力、不妊・去勢手術の支援、パネル展・講演など啓蒙活動をしています。


2011年3月11日の発災時、阿部さんは多賀城市民会館でアニマルクラブのパネル展の準備中でした。自宅にいる保護した動物たちの安否を一刻も早く確かめようと、すぐに石巻市に戻りました。繰り返し続く余震や大津波警報の中、やっとの思いでたどり着いた場所で目にしたのは、1階部分が津波に浸かり、巨大なガレキが流れこんだ自宅と可愛がっていた動物たちの変わり果てた姿でした。


3月の寒空の下、ガレキの中で呆然とたたずむ当時の阿部さんの驚きと悲しみは計り知れません。感情を押し殺したように淡々と綴られる文章から「あの日」の出来事がいかにすさまじいものであったかが伝わってきます。

しかし、阿部さんは「嘆いている暇はない」と自らを奮い立たせ、震災翌日から動物たちのために動き出します。



〇待ったなしの現実

津波の爪痕が残る通信網が途絶えたまちで、阿部さんは生き残った動物たちのためにフードやトイレ砂を確保しようと奔走します。自衛隊や消防署の協力を得て無線機で日本動物福祉協会や東京の知人にSOSを送り、支援物資を依頼しました。

そして、被災して預かれなくなった人からのペット引き取り依頼や迷子の保護依頼も次々と入ってきました。避難所に動物を連れて行けず、自分の判断ミスで死なせたと心に傷を負っている人、はぐれたペットを必死に捜し続けている人たちと接する中で、非常時に命に順番をつけてはいけないことや、マイクロチップ普及の必要性を痛感したそうです。


震災では、人間と同じようにたくさんの動物の命も犠牲になりました。飼い主と引き離され、水に浸かったり、食べることもできなかったりとつらい目にあった動物もまた被災者なのです。




〇みんなで支援する

阿部さんは「せっかく生き延びた命を幸せに導きたい」と震災から約3か月後に動物の里親探しを再開します。そして、地震や津波を経験した今だからこそマイクロチップも普及するのではないかと考え、被災地のペットにマイクロチップを装着するプロジェクトを助成金で始めました。


非常時に動物が人間と同じように救済されるためには、法律で動物の生きる権利が守られていること、動物を救済した人間をサポートする援助態勢が確立されていることが必要だと感じ、誰もが助成を受けられるシステムをつくり“みんなで動物を支援する”ということを実現するために現在も精力的に活動を続けています。

犬と猫.png

「あの日」起こったことが淡々と綴られていた文章は、本の中盤では阿部さんの生き生きとした表情が見えてくるような文体に変わり、終盤では読者に命の重さと、人の優しさと、生き直す強さを教えるような内容になっていきます。

災害が起こった時のペットの安全確保や同行避難について考えるきっかけにもなりますので、ペットを飼っている方などにおすすめの一冊です。たがさぽ文庫の「H6動物・ペット」コーナーにありますのでどうぞ手に取ってご覧ください。



植物 罫線.png


NPO法人アニマルクラブ石巻

HP 

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