多賀城の企業・研究室の減災技術を学んできました! [2016年08月26日(Fri)]
こんにちは、スタッフの川口です。
7月28日(木)・29日(金)、多賀城市市民経済部商工観光課が主催する「多賀城で創られる減災技術を学ぼう!第7・8回減災技術見学会」に参加してきました。 この減災技術見学会は震災後にはじまり、小学生(4〜6年)と保護者を対象に、小学校の長期休みに合わせて開催されています。多賀城市に拠点を構える企業、研究機関などの減災の取り組みを学んできましたのでみなさんにご紹介します。 多賀城市は震災後、災害に強いまちを自助・共助で目指す「減災都市」として、いろいろな取り組みを行っています。平成27年の国連防災世界会議では、世界各国の人たちに多賀城の取り組みを発信ししました。今年の熊本地震の際には、震災の経験を生かして市職員が現地で復興支援を行っています。 見学会はにわたって実施。28日は東北緑化環境保全(株)、理研食品(株)、(株)松島蒲鉾本舗多賀城工場を見学しました。いずれの企業も東日本大震災で被災しましたが、その後さらに減災に取り組んでいる企業です。 真剣に多賀城市の減災の取り組みを聞いています 東北緑化環境保全(株)は、大気汚染や化学物質、学校給食の放射性物質の測定を行っています。子どもたちが食べる給食を、毎日1時間くらいで検査し、みんなが食べる前に学校に報告してくれているそうです。安心ですね。 放射性物質の測定の仕方を見学しました。 次は、わかめちゃんでお馴染みの理研食品(株)。東日本大震災では、工場の1Fも津波で浸水して大変な状況だったそうです。工場見学とわかめの食育授業、震災ではどのようなことに役立つかなど、楽しい授業で幅広く学ぶことができました。震災直後の食事では、栄養が偏ってしまいますが、乾燥わかめは備蓄もでき、ミネラル・カルシウム・食物繊維が豊富であることから注目されています。 わかめ博士のわかりやすい食育授業。本物のわかめが登場。みんなで触ってみました わかめを湯通ししてみました。ヌルヌルは摂り過ぎた塩分、コレステロールを排出する役割があります 続いて、(株)松島蒲鉾本舗を見学しました。こちらは震災後、防災・減災と産業復興を支援する拠点団地「さんみらい多賀城・復興団地」に移転してきた企業です。帰宅困難者の受け入れや備蓄物資の提供など、防災・減災機能を担うことで多賀城市と協定を結んでいます。 新しい工場では、工場見学のほか、笹かまぼこの手焼き体験ができるコーナーなどもあり、子ども会や学校などで防災拠点の確認をしながら、社会見学なんかも良いのではないでしょうか。 子どもたちからは質問がたくさんありました 笹かまをつくる工場も見学しました。新しい工場での初めての見学会でした。 29日は、ソニー(株)仙台テクノロジーセンター(仙台TEC)と、仙台TEC内のみやぎ復興パークに入居する技術研究組合制御システムセキュリティセンター(CSSC)、東北大学次世代移動体システム研究会の3か所を見学しました。 みやぎ復興パークは、みやぎ産業振興機構が管理運営し、仙台TECの遊休施設を活用し、被災した企業や、新事業創出を目指す企業や団体に貸し出しているインキュベーション施設です。 1954年に初の地方工場として多賀城に作られた仙台TECでは、震災時の状況やその後の減災の取り組みについてや、多賀城工場で作られている放送用の磁気テープ、ブルーレイディスクなどの研究・開発・製造について学びました。 震災の教訓を活かした対策として、バックアップ電源を屋上に移動した。震災後の取り組みをお聞きしました 窓から多賀城の街並み、仙台港をみながら、震災時のお話しなどを聞きました 続いて、技術研究組合 制御システムセキュリティセンター(CSSC)を見学。経済産業省の支援を受けて、サイバー攻撃から守るための最先端の研究をしています。現在、国内の重要インフラは、制御システムによって管理されていますが、最近国内外からの制御システムへのサイバー攻撃があり、システムのセキュリティ向上は国家の重要な課題となっています。平成25年に東北多賀城本部が開所され、9種の模擬プラント(排水下水・化学・ビル2種・組立2種・電力・ガス・広域連携)ができました。制御システムのセキュリティテストベットは世界的にも貴重な施設なので、国内外からたくさんの人が見学に訪れています。 最先端の技術を見ることができます ロボットの病気を治す研究をわかりやすく子どもたちに説明 東北大学次世代移動体システム研究会は、仙台市と東北大学が減災技術の次世代自動車について共同開発しているところです。復興パークの2000uのスペースを活用で、震災時に問題となった「電気」の確保、「避難」の仕方の問題について、電気自動車でどう解決できるかを学びました。徒歩での避難が困難な高齢者のための倒れない三輪自転車や、車に乗った状態での避難訓練ができるドライビングシュミレータなども体験しました。 最先端の技術に触れることができます 電気自動車の仕組みやバッテリについても学びました。バッテリには電気が蓄えられ、災害時は電気自動車の電気を使用することができます 最新技術を搭載しているのがEVバスです。3次元カメラの周辺認識技術や車輪に永久磁石を必要としないモーターがついていたり、無線で充電できる技術も備えています。このバスは後に、東北大学の学内を走行する予定だそうです。 EVバスにみんなで試乗。音も静かです 今回、多賀城の企業の取り組みや地域貢献(CSR)、減災技術について学ぶことができました。 最先端の技術の研究が多賀城で行われていること、そして身近に触れる機会があることは素晴らしいことですね。多賀城市で企画しているこの「減災技術見学会」は、小学校の長期休みに合わせて開催されているので、ぜひ参加してみてください。保護者の方も子どもたちと一緒に減災について知るきっかけ、考えるきっかけになりますよ! |