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安藤雄太の“風に吹かれて旅がらす”

ボランティア&市民活動の熱血伝道師・安藤雄太が、飲んだくれながら全国行脚。
愉快な人々との出会いや、旨いもん、旨い酒について、語ります。


そうだ 祇園祭 行こう! 鉾巡行の巻 2

[2010年09月04日(Sat)]
そうだ 祇園祭 行こう! 鉾巡行の巻 1 より続く>

まだ、前の観客席にはチラホラの人しか入っていない。
キョロキョロしながらカメラアングルを考える。
何、ファインダーを透した先に京都の高級老舗旅館“柊家”が見えるではないか。
まあ、ここは泊まれないな、そう、身分相応なところで充分、と言い聞かせながら待つ身となった。

何も無く1時間半は少し辛いなと思ううちに、前の観客席が次第に埋まって来る。ツアーの観客席も待つ身は飽きるらしい。
それに加えて、何とも言えないほど暑い。そう、日差しを避けるものは何もなく、直接、太陽がふりそそぐ。暑いというより熱い。昨夕は、雨だったのに。

そんなこんなで待っていると、先導車がゆっくりと走ってくる。何と予定時間を30分も遅れている。


先頭は、長刀鉾、孟宗山、木賊山、油天神山、函谷鉾、・・・・・・。
山車、鉾等は静かに過ぎていくものもあるし、コンチキチンと鳴らしながらゆっくりと通り過ぎていくものも。


それぞれの山車には色々な物語と豪華な絵を施す。その謂れを聞くともっと面白く観られたのだろう。
ツアー客もそんな謂れを聞いている様子はないし、どうやらお土産はあるようだが、入場料を3千円を払って観ている。それよりは、この歩道脇で十分。

32基の最後の山車、南観音山が目の前を過ぎたのが、もう1時になっていた。
さあ、急いでトイレに行かなくては。
トイレやビールを買いに行けばこの特等席は他の人にとられてしまうため、呑まず食わずのこの3時間。厳しい鑑賞であった。

そうだ 祇園祭 行こう! 鉾巡行の巻 3 へ、まだまだ続く・・・>

(2010. 7. 17 By 安藤雄太)


そうだ 祇園祭 行こう! 鉾巡行の巻 1

[2010年09月04日(Sat)]
祭りだ!祭りだ!祇園祭だ!の漫遊記の巻 3 より続く>

昨夜は遅くまで飲んでしまった。とはいっても後悔は何ひとつしていない。起きるのが1時間ほど遅くなっただけである。

朝食を済ませ、新快速に飛び乗り京都へ向かう。昨日と同じように四条駅で降り四条烏丸の交差点にでると、もう身動きができない。人の流れも規制され横道へエスケープすることもできない。なんという人、人、人・・・なのか。

この調子だと、八坂神社で陣を張ろうと思っていたが無理のようだ。長刀鉾が出発する時間が迫っている。
それならばと再び地下鉄に乗り烏丸御池へ。この辺りは人の流れはまだ多くないが、それでも似たようなことを考える人はいるものである。

御池通を市役所に向かって歩き始めた。なるほどここは観光ツアーの人たちの席がずらりと並んでいる場所。ツアーコンダクターが社旗を高くかざしながら、整然とイスを並べた観客席に次から次へと案内している。
最初の長刀鉾が通るのは1時間半後頃だろうと関係者は教えてくれた。

急に来ただけに予約もしていないし歩道から観るしかないなと見やすい場所を物色してみるが、なかなかないものである。
中には、歩道沿いのガラス張りの2階建のオフィスに机を並べビールを置いて、万全な体制でいつでも鉾が来るのを待っている人たちもいる。

レストランやコンビニは、冷たい飲み物や食べ物を大きな声で呼びかけている。ビールは飲みたいが席を探すのが先だなとキョロキョロしながらしばらく歩く。

何分位歩いただろうか、縄張りした観客席と歩道の植木と地下街の換気孔との間にわずかな隙間がある。ついでに歩道のオブジェとしてのちょうどいい置き石があるではないか。
うん、うん、シメシメ、ここに陣取ろう。

そうだ 祇園祭 行こう! 鉾巡行の巻 2 へつづく・・・>

(2010. 7. 17 By 安藤雄太)



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