文化庁【令和元年度障害者による文化芸術活動推進事業】「BeSeTo演劇祭26 + 鳥の演劇祭12」を視察しました(11月16日)
[2019年11月17日(Sun)]
2019年11月16日、石川は鹿野町を駆けずり回っていました。
そう、「BeSeTo演劇祭26 + 鳥の演劇祭12」です。
「BeSeTo」は日中韓の三国が合同で行っている演劇祭で、今年は日本が主催。
鳥の劇場を中心に様々な演劇プログラムが開催されました。
ご存知、鳥取砂丘コナン空港にて。

親ガニ味噌汁の無料配布をしていたのですが、バスの時間を調べてなかったのでバタバタして受け取り損ねました、無念。蟹・・・。
シャトルバスの時間に間に合わず、浜村駅からタクシーで。
そしたらこんなシールを発見しました(でも対応はしてくれなかった……)。

16日は以下のラインナップで観劇。複数見るので、パスポートを購入。
パスポートを見せると優先入場になるので字幕の見やすい席を先に確保することが出来、これは良かったです。

13時〜 全世界を見たいと夢見た男(フィンランド)
15時〜 「マクベス」からさまよい出たもの(日本・じゆう劇場)
17時〜 手のない花嫁(韓国)
19時〜 H2-Hebron(フランス/イスラエル)
20時30分〜 NY・クイーンズシアターの社会とつながるための試み
シャトルバスが出ているので運転ができない人でも安心!(免許持っていないので…)
◆全世界を見たいと夢見た男(フィンランド) 議場劇場・オープン字幕

男性(パペット)が、家の居間で安楽椅子に揺られながらこう呟きます。
「うちの庭に旅人は来ただろうか?隣の家には来ているだろうか?否!それならば俺が世界のすべてを隅々まで見て、初めて全世界を見た人間になる!!」という決意から始まった世界旅行。
次第に「どこへ行っても同じだ、一歩踏み入れたらその街に行ったのと同じだ」という理屈で隅から隅まで、ということにはならず。陸路のみならず海の底までも、そして空へとあちこちを駆け巡ります。

話しているのがフィンランド語か英語かはわかりませんでしたが、子どもも対象ということもあってオープン字幕は“やさしい日本語”で表示されていました。
途中、客席との掛け合いがあり、それは音声通訳がついていたのですが文字では状況説明のみで、そこはちょっと残念でした。
舞台上の役者が受け取ったものを言葉で確認してからジェスチャーで示したので、少しはわかったのですが。
また、終演後にアフタートークがあり、それもプログラムには載っていなかったし、字幕もなかったので勿体なかったです。
次の劇場までは近いのと、昼を食べ損ねていたので途中にあった食堂でランチ。
ここで何か勘が働いたのか、よもぎ餅を1袋購入。
これが後々役立つことになるのです……。
◆「マクベス」からさまよい出たもの(日本・じゆう劇場) 鹿野町総合福祉センター・ポータブル字幕・手話通訳

手話通訳の服が、先日の廣川の講演の成果あってか、背景に合わせた白のブラウスでした。
舞台上はやや暗かったので、雰囲気も合っていたし白で良かったと思います。
ただ、「ここなら手話通訳が見やすいと思います」と案内されたのに、観客が多いため席を詰めたので案内された位置から移動してしまい、手話通訳が見づらい場面が少しありました。
このお芝居はシェイクスピアの『マクベス』を題材にしているので、セリフもシェイクスピア作品翻訳独特の言い回しで、それをそのまま手話で表すと意味がつかめないところが多くて、この翻訳もまた課題ではないかと思いました(例:「きれいはきたない、きたないはきれい」)。

ただ、ポータブル字幕の内容が、音情報(音楽や効果音等)がまったくなくて、手話通訳で把握する、といった状況でした。
手話が分からない方には情報量が減って届いてしまうのが惜しい!
でも誰が言ったのかを示すラベルが、通常は(役名)がつくのですがここでは服の色と合わせた色付きの●で表されるので、セリフは多いのですがわりと読めます。
◆手のない花嫁(韓国) 旧小鷲河小学校体育館・オープン字幕

大小さまざまなパペットを使い分けて、不思議な空間を作り出していました。
プログラムのページで、このお芝居の概要を読んでも「何のこっちゃ?」だったのですが、次第に引き込まれていき、最後にはミニタオルを握りしめて号泣。

字幕は大道具の設置の都合からか、左右に配置されたモニターで見やすい方を見る感じでした。
真ん中を大きなパペット(顔)が動いたりするので、このモニターの配置は良かったと思います。
ですが、アフタートークは字幕なし……残念。
そろそろお腹がすいてきました。でも周りに店がない。そうだ!あのよもぎ餅を食べよう!
ということでよもぎ餅を兵糧にして残りを回ることにします。
日もとっぷり暮れていき、本日最後の観劇は、鳥の劇場へ。
◆
H2-Hebron(フランス/イスラエル) 鳥の劇場・オープン字幕
パレスチナ自治区ヘブロンで取材した複数の証言を、観光ガイドの形を取って紹介していくというドキュメンタリー演劇。
最初、何もなかったテーブルの上に次々と建物の模型が置かれていき、そこで起きたことを見た人になりきって話していくのですが、人が次々と変わっていくので話についていくのが大変でした。
すべて一人でおそらく声色などを変えて演じているようで、服は変えないので誰なのか最初はちょっと戸惑いましたが、字幕の●の色が変わるのでここは別の人なんだな、という風に把握していきました。
ここでの座席はちょっと珍しく、大きなテーブルを挟んで4列で椅子が並べられていて、役者はテーブルの周りを回りながら模型を取り出して置いていくだけでなく、コーヒーを入れたり物を渡したり、本当に観光ガイドツアーに参加しているかのようでした。
字幕モニターはテーブルを挟んで向かい合わせになっている観客席の後ろに2つあるので、お互いに向かいの画面を見るという感じでした。
この芝居の概要説明に「聞こえるのは、現地でグザヴィエが収集録音した子供たちや鳥の声、パレスチナ人の暴動やイスラエル軍が投じる手榴弾の炸裂音。」とあるのですが、字幕には出ておらず、かろうじて手榴弾らしき爆発音だけが聞き取れた程度でした。
(観客が写りこむため字幕画像の撮影は遠慮しました)
ここでは観光ガイドツアーというコンセプトのためか、入場前に別の部屋で日本語でパレスチナ自治区の説明があり、そこは字幕もなかったのでたまたま次のトークのためにスタンバイしていた手話通訳者が、気が付いてくれてすぐさま手話通訳をしてくれました。
◆NY・クイーンズシアターの社会とつながるための試み 鳥の劇場・手話通訳

このプログラムの説明に「クイーンズという地域は、住民の53パーセントが英語を日常の言葉としていない多民族地域」とあります。
クイーンズシアターのロブ氏が「800言語」と言っていたので、自分の見間違いかと思ったのですが参考記事はこちら。
この800言語のなかにASLなどの手話は含まれているのでしょうか……?
言葉が通じないので、パフォーマンス、ダンスといった身体的表現が多いのだそうです。
手話が必要な人が参加した場合も、手話通訳の手配をするとのこと。
そしてクイーンズシアターで企画されたコンテスト作品2編の朗読も日本語で行われました。
手話通訳も事前に台本を入手して練習していたと思われる、非常にスムーズな通訳でストレスなく観劇できました。
トークの途中で担当者が「シャトルバスに乗って帰られる方ー!」と場内に声をかけたところ、壇上にいらしたロブ氏が「わたしも!」というので、このままお開きになりました。
この演劇祭の担当の方や手話通訳者にインタビューをしたかったのですが、時間が取れませんでした……。
オープン字幕も多かったので、聴こえる観客は字幕付きで鑑賞して、どのように感じたのか聞いてみたかったです。
観客の中に子どもも数人いて、地域に根差した演劇祭、という印象を受けました。
そう、「BeSeTo演劇祭26 + 鳥の演劇祭12」です。
「BeSeTo」は日中韓の三国が合同で行っている演劇祭で、今年は日本が主催。
鳥の劇場を中心に様々な演劇プログラムが開催されました。
ご存知、鳥取砂丘コナン空港にて。

親ガニ味噌汁の無料配布をしていたのですが、バスの時間を調べてなかったのでバタバタして受け取り損ねました、無念。蟹・・・。
シャトルバスの時間に間に合わず、浜村駅からタクシーで。
そしたらこんなシールを発見しました(でも対応はしてくれなかった……)。

16日は以下のラインナップで観劇。複数見るので、パスポートを購入。
パスポートを見せると優先入場になるので字幕の見やすい席を先に確保することが出来、これは良かったです。

13時〜 全世界を見たいと夢見た男(フィンランド)
15時〜 「マクベス」からさまよい出たもの(日本・じゆう劇場)
17時〜 手のない花嫁(韓国)
19時〜 H2-Hebron(フランス/イスラエル)
20時30分〜 NY・クイーンズシアターの社会とつながるための試み
シャトルバスが出ているので運転ができない人でも安心!(免許持っていないので…)
◆全世界を見たいと夢見た男(フィンランド) 議場劇場・オープン字幕

男性(パペット)が、家の居間で安楽椅子に揺られながらこう呟きます。
「うちの庭に旅人は来ただろうか?隣の家には来ているだろうか?否!それならば俺が世界のすべてを隅々まで見て、初めて全世界を見た人間になる!!」という決意から始まった世界旅行。
次第に「どこへ行っても同じだ、一歩踏み入れたらその街に行ったのと同じだ」という理屈で隅から隅まで、ということにはならず。陸路のみならず海の底までも、そして空へとあちこちを駆け巡ります。

話しているのがフィンランド語か英語かはわかりませんでしたが、子どもも対象ということもあってオープン字幕は“やさしい日本語”で表示されていました。
途中、客席との掛け合いがあり、それは音声通訳がついていたのですが文字では状況説明のみで、そこはちょっと残念でした。
舞台上の役者が受け取ったものを言葉で確認してからジェスチャーで示したので、少しはわかったのですが。
また、終演後にアフタートークがあり、それもプログラムには載っていなかったし、字幕もなかったので勿体なかったです。
次の劇場までは近いのと、昼を食べ損ねていたので途中にあった食堂でランチ。
ここで何か勘が働いたのか、よもぎ餅を1袋購入。
これが後々役立つことになるのです……。
◆「マクベス」からさまよい出たもの(日本・じゆう劇場) 鹿野町総合福祉センター・ポータブル字幕・手話通訳

手話通訳の服が、先日の廣川の講演の成果あってか、背景に合わせた白のブラウスでした。
舞台上はやや暗かったので、雰囲気も合っていたし白で良かったと思います。
ただ、「ここなら手話通訳が見やすいと思います」と案内されたのに、観客が多いため席を詰めたので案内された位置から移動してしまい、手話通訳が見づらい場面が少しありました。
このお芝居はシェイクスピアの『マクベス』を題材にしているので、セリフもシェイクスピア作品翻訳独特の言い回しで、それをそのまま手話で表すと意味がつかめないところが多くて、この翻訳もまた課題ではないかと思いました(例:「きれいはきたない、きたないはきれい」)。

ただ、ポータブル字幕の内容が、音情報(音楽や効果音等)がまったくなくて、手話通訳で把握する、といった状況でした。
手話が分からない方には情報量が減って届いてしまうのが惜しい!
でも誰が言ったのかを示すラベルが、通常は(役名)がつくのですがここでは服の色と合わせた色付きの●で表されるので、セリフは多いのですがわりと読めます。
◆手のない花嫁(韓国) 旧小鷲河小学校体育館・オープン字幕

大小さまざまなパペットを使い分けて、不思議な空間を作り出していました。
プログラムのページで、このお芝居の概要を読んでも「何のこっちゃ?」だったのですが、次第に引き込まれていき、最後にはミニタオルを握りしめて号泣。

字幕は大道具の設置の都合からか、左右に配置されたモニターで見やすい方を見る感じでした。
真ん中を大きなパペット(顔)が動いたりするので、このモニターの配置は良かったと思います。
ですが、アフタートークは字幕なし……残念。
そろそろお腹がすいてきました。でも周りに店がない。そうだ!あのよもぎ餅を食べよう!
ということでよもぎ餅を兵糧にして残りを回ることにします。
日もとっぷり暮れていき、本日最後の観劇は、鳥の劇場へ。
◆

H2-Hebron(フランス/イスラエル) 鳥の劇場・オープン字幕
パレスチナ自治区ヘブロンで取材した複数の証言を、観光ガイドの形を取って紹介していくというドキュメンタリー演劇。
最初、何もなかったテーブルの上に次々と建物の模型が置かれていき、そこで起きたことを見た人になりきって話していくのですが、人が次々と変わっていくので話についていくのが大変でした。
すべて一人でおそらく声色などを変えて演じているようで、服は変えないので誰なのか最初はちょっと戸惑いましたが、字幕の●の色が変わるのでここは別の人なんだな、という風に把握していきました。
ここでの座席はちょっと珍しく、大きなテーブルを挟んで4列で椅子が並べられていて、役者はテーブルの周りを回りながら模型を取り出して置いていくだけでなく、コーヒーを入れたり物を渡したり、本当に観光ガイドツアーに参加しているかのようでした。
字幕モニターはテーブルを挟んで向かい合わせになっている観客席の後ろに2つあるので、お互いに向かいの画面を見るという感じでした。
この芝居の概要説明に「聞こえるのは、現地でグザヴィエが収集録音した子供たちや鳥の声、パレスチナ人の暴動やイスラエル軍が投じる手榴弾の炸裂音。」とあるのですが、字幕には出ておらず、かろうじて手榴弾らしき爆発音だけが聞き取れた程度でした。
(観客が写りこむため字幕画像の撮影は遠慮しました)
ここでは観光ガイドツアーというコンセプトのためか、入場前に別の部屋で日本語でパレスチナ自治区の説明があり、そこは字幕もなかったのでたまたま次のトークのためにスタンバイしていた手話通訳者が、気が付いてくれてすぐさま手話通訳をしてくれました。
◆NY・クイーンズシアターの社会とつながるための試み 鳥の劇場・手話通訳

このプログラムの説明に「クイーンズという地域は、住民の53パーセントが英語を日常の言葉としていない多民族地域」とあります。
クイーンズシアターのロブ氏が「800言語」と言っていたので、自分の見間違いかと思ったのですが参考記事はこちら。
この800言語のなかにASLなどの手話は含まれているのでしょうか……?
言葉が通じないので、パフォーマンス、ダンスといった身体的表現が多いのだそうです。
手話が必要な人が参加した場合も、手話通訳の手配をするとのこと。
そしてクイーンズシアターで企画されたコンテスト作品2編の朗読も日本語で行われました。
手話通訳も事前に台本を入手して練習していたと思われる、非常にスムーズな通訳でストレスなく観劇できました。
トークの途中で担当者が「シャトルバスに乗って帰られる方ー!」と場内に声をかけたところ、壇上にいらしたロブ氏が「わたしも!」というので、このままお開きになりました。
この演劇祭の担当の方や手話通訳者にインタビューをしたかったのですが、時間が取れませんでした……。
オープン字幕も多かったので、聴こえる観客は字幕付きで鑑賞して、どのように感じたのか聞いてみたかったです。
観客の中に子どもも数人いて、地域に根差した演劇祭、という印象を受けました。