大釜哲さんのメッセージ [2007年05月08日(Tue)]
「いのち」って何なのでしょう? 社会では、「いのちを大切にしなければならない」と、よくいわれます。 私の場合、なぜ自分の「いのち」を大切にしなければならないと考えるかとい うと、とっても簡単な理由です。 「大好きな妻が悲しむから」 もちろんそれだけではないのですが、この理由が一番大きいです。 私達夫婦は、幸いにも円満な関係を続けており(少なくとも私はそう思っている) 私が死んだならば、妻が嘆き悲しみ、ひとり泣き続けるであろうことが、想像で きます。 私は妻を愛しているので、そんなことはさせたくないという気持ちが強く、私が 死んではならないと肝に銘じています。 私のような気持ちは、誰にもあると思います。 相手を傷つけないのは、その人を傷つければ誰かが悲しむからです。 自殺をする人は、「私が死んでも、誰も悲しまない」と考えているかもしれませ んが、多くの人があなたの死を悲しむことを知って欲しいのです。 「あなたが死んでも、誰も悲しまないなんてことは絶対にないのです」 だから私は、自分の「いのち」も、他人の「いのち」も大切にしようと考えてい ます。 「いのち」について考える時、私をこの世に送り出してくれた母の存在を忘れ ません。 釈迦の言葉にこういうものがあると聞いたことがあります。 「己が誕生の時は、母最大の苦難の時なり」 この言葉は、私の母に対する見方を大きく変えました。 私は、生まれた瞬間から現在まで、幸福にも母の慈悲を受けてきました。 手の掛かる赤ちゃんの時には、泣き喚く私を文句一ついわずにあやしてくれて、 所構わず排泄した汚物を嫌な顔せずに拭ってくれ、母が蓄えた栄養を吸い大き くなりました。 母は私に無償の愛を注いでくれたのです。 母は我が子に、「幸せになってほしい」と願っているはずです。 私ももうすぐ親になりますが、私も我が子に「幸せになってほしい」と願って います。私にとって、どんな偉い先生よりも大きな恩があるのは、母なのです。 その母の恩に報いるような、恩返しがしたいと思っています。 だから私は、母に「この子を産んで良かった。」と思ってもらえるような人間 になることで、恩返しをしようと心に決めています。 生きることで、世の中のお役に立ち、人のお役に立つことができれば、母は 「この子を産んで良かった。」と喜んでくれると思います。私を誇りに思って くれるでしょう。 それが、私の「いのち」をこの世に送り出してくれた母に対する恩返しだと思 っています。母への恩返しができたら、私は最大の幸せを手にすることができ るだろうと思います。幸せそうな私を見て、母もまた喜んでくれるに違いあり ません。 「いのちを大切にする」ということは、「母を大切にする」ことであり、自分 に関わる「全ての人を大切にする」ことだと考えています。 だから私は、これからも「いのち」を大切にしていきたいと思っています。 |