NY氏の話眼瞼痙攣DBS手術 [2011年05月15日(Sun)]
![]() 京都紅葉の写真は会員大山冬臣さんの提供によります NYさんの話 まぶたは下がり ショボショボと ドライとなって 痛みまぶしく 眼瞼けいれん(メイジュ症候群)患者NY氏の病歴 最後の欄にH24年1月25日NYさんの治療年表を追加しました。 はじめに 詳しいお話を伺ってはおりますが、長期にわたる治療歴と研究熱心さに私達は理解が届かない所がございます。従って今回は簡単な病歴を私共が代わって書き、 後にNYさんご自身で具体的な経験を書いて頂こうと思っております。 眼瞼けいれん(メイジュ症候群・眼と目の周りけいれんが主?)の患者さんで13年位前に発病し、以後治療を続けDBS(脳深部刺激手術法)を受けた方のお話です。以下ご本人に代わり病歴をご紹介します。 1、仮名 NY 年齢 70歳 発病 58歳頃 都内在住 2、眼瞼けいれんの前に 10代からアレルギーがあり、性格はかなり神経質でした。 20代で胃潰瘍、30代で肝臓病、40代で糖尿病、50代で眼瞼けいれんが判明しました。かなりの病歴を経験しましたが病に負けず、今も積極的に治療法を探し続けています。 3、症状のようす (1)手術前 病状は瞼が下がる(閉眼状況)、眩しい、ショボショボ感や口の周りが動きにくい、その為に種々の生活上の困難があって思考能力低下が生じます。しかし、いわゆる鬱状況はおきておりません。DBS手術前には腕と手に震えもあって文字を書くのも難しくなっていました。 (2)手術後 現在は服薬をせずにDBS後の経過観察やボトックス注射等の治療を受けております。眼の症状はかなり改善されて楽になっています。また特に腕と手の震えが止まったのは大変助かります。 しかし十分とは言えません、日常生活の中でストレスのかかる作業を続ければ、矢張り眼の辛い症状は出てきますし、極端な場合は作業を止めざるを得なくなります。 結果について複数の専門医から、DBS手術として大成功であるとの意見をいただいております。 4、治療と医師巡りの概要 ( 1)在職中57,58歳頃に発病したらしい。 ( 2)眼科医師を7~8件目を訪れても分からず、都内水道橋のA大眼科で眼 瞼けいれんと診断された。 ( 3) 近所の内科医の紹介で、B病院神経内科でアーテンの服薬を始めるが 中断する。 ( 4)千葉県市川市のC歯科大D病院で再び眼瞼けいれんの診断を受ける。 ( 5)都内御徒町のE眼科でボトックス治療を始める。 ( 6)埼玉県大宮のF医大の脳神経外科医G先生の診断を受ける。 ( 7)近所の眼科医H先生にメイジュ症候群の指摘を受ける。 ( 8)前出、F医大のG先生からボトックス治療と服薬を続ける。 ( 9)前出、近所の眼科G先生へ通う途中で、ベル麻痺と複視になって同じ年 に都内I医科歯科大学J先生へ行く。 (10)H18年からG先生の紹介でK眼科のL先生からボトックス治療と眼薬 を続けたが、効果がなくなってきたのでM大学のN先生へ紹介してい ただく。 (11)M大学での治療はあまりうまく行かず、東京での神経内科を紹介して いただくことになる。 (12)前出のN先生の紹介で、 国立精神神経センターO病院P先生の診断を受けた結果、 その時の状況では残された治療はDBSしかないとQ女子医大へ紹介 される。 (13)H22年2月Q女子医大病院脳神経外科R先生でDBSの手術を 行った。結果はメイジュ症候群の症状は少し残っているがだいぶ改善さ れた。 *今までの医師巡りの旅は通算23カ所の病院でお世話になり、22回のボトックス注射を行っております。 5、NYさんは私達患者に次のようなアドバイスをしております (1)患者の多くは医者任せで病状と治療の理解不足が多い。 (2)自分自身で最適な治療法をいろいろな情報から探すことが重要。 (3)病気の原因は先天性、薬剤の病気による二次性、それと原因不明、 等かなり広いので、特定するのが難しい現状です。 このような事情が、医者巡りを繰り返す結果につながっている。 (4)しかし3年ほど前にジストニアのメカニズムが解明されたので、現在行 われている対症療法から根本的な治療につながることが期待できるので、 将来は希望をもって待って欲しい。 ************************** 以上ですがNYさんは今お忙しくご不自由にもかかわらず、快く何度も面会を重ねていただきました。 また原稿にも眼を通していただきました。厚くお礼申しあげます。 NYさんは、医療関係者ではありませんが医師、医学生、看護師あるいは理学療法士などに関する専門書や雑誌等の情報までも積極的に眼を通していらっしゃいます。この熱意に頭が下がると共に更に努力しようと、自分へ言い聞かせております。 今後も更に情報を聞かせ頂けることを期待し、NYさんのご健康と回復を願っております。有難うございました。 尚、NYさんに質問などで連絡を希望される方は、このブログのコメントないしメールでお願いいたします。 ![]() 病気を振り返り、希望へと 3月1日アップ 昨年末に会の代表者である坂本代表により誘われて『眼瞼・顔面けいれんの患者を元気にする会』に投稿をしました。 その後ボトックス注射を2年ぶりに再開したところ、その効果で眼の周りと口の周りが少し楽になりました。 DBS手術(脳深部刺激法)をして丁度一年を越えたわけですが、昨年の今頃は薬物療法やボトックス注射などで、初病期以来の分からない12年だったわけでした。 もう打つ手がなくなって手術に期待したわけですが、手術も根治療法ではなくメイジュ症候群の病状は相変わらず残りました。 初めから考えると57、8歳頃は病気について理解できなかった体の異常がジストニアの病状として思い当たる事が随分ありました。 それは手の震え(字が書けない、書きにくい)瞬きが多い等ですが、そこで初期の頃は眼科巡りを眼の異常を中心としていましたが、アレルギー性結膜炎の診断ばかりでした。 そこで眼瞼けいれんと診断が下ったときを境に振り返って見ると前半と後半では医者の対応まったく違い、本当の病気を医者も自分自身も解っていなかったので、そのような結果となってしまったのでしょう。 ボトックス注射が今から考えると一番良く効くと考えられ、また副作用も少なく、眼瞼けいれんまたはメイジュ症候群の治療については一番の選択肢だったでしょう。 ボトックスを実施するまで10軒の医者巡りをしたのですがその内、眼科は8科で神経内科は2科の割合でした。 その後8軒目でDBS手術をするまでは眼科は2科で脳外科が3科、神経眼科が3科でした。 今から思えば随分無駄な病院巡りでしたのですが、ジストニアについての知識が充分でなかった状況下ではやむを得なかったと思います。 思い返すと40年前に人間ドッグで肝臓病を発見されて、肝臓病の患者の会に入会した時と比べると今のジストニアに関する知見はまだましな状態です。当時肝炎ウィルスは発見されておらず、医師の病の説や薬については考えられない程低レベルでした。 しかしその後肝炎ウィルスが発見され、世界中の学者の研究の結果急激な医学の発達がありました。昨年の秋の市民公開講座の虎ノ門病院の熊田先生講演によれば後数年で難治性のC型肝炎も早期であれば最早9割方完治できるとの話があり、最近の医学の進歩には驚かされます。 ジストニアの調査研究も1996〜7年ごろより厚生省よりそれ以前より多額の支援もありかなり進んできたようです。 それからジストニアの病発現のメカニズムが解明され2006〜8年のジストニアの病態・疫学の調査研究の発表、その後の徳島大学の梶教授を代表者とする治療指針の研究調査がなされ、先日(2011年2月20日)の第一回ジストニア市民公開講座がされることとなりだいぶ知見が広がることでしょう。 病気について解らず医者巡りをされ続けておられた多数の人々にとって、やや光が見えて来たのではないかと思います。この厄介な難病指定のない難病に対して、皆様も先に希望をもって気長につきあってください。 ’11年1月25日 NYさんの治療年表 |







