2016年に向けて、昨年1年間を振り返る [2015年12月31日(Thu)]
新しい年を迎えるにあたって、昨年1年間を振り返ってみた。
サービスグラントの代表の立場というよりは、私個人の視点も混ざった、いささか偏った振り返りであるが、1年間でいろいろなことが起こったなと思う。 と同時に、下記に挙げるどれ一つとっても、私ひとりではできないことばかりだということに気づく。実際、ここに書かれていることのすべては、私以外の人たちの功績によるところが大きい。そのことだけは確かである。 1月 一部のプロボノワーカーの皆さんにお声がけをし、サービスグラントの運営のこれからを考える会議を開いた。これまでの、事務局が主導しているかに見える運営から、プロボノ経験者がもっとイニシアティブを握って運営できるような仕組みにしていけないか、そんな可能性をざっくばらんに相談した。 2月 グローバル・プロボノサミットがベルリンで開催。3回目となる今回は23ヵ国から参加者が集まり、世界的なプロボノの広がりを実感。各国で実現している創造的なモデルに刺激を受けた。フランスのインターナルボランティアの活躍や、オランダの人事研修プログラムでのプロボノ活用などは特に印象に残った。 3月 川崎市でのプロボノセミナーを開催。また、4月からは川崎市で夏の1ヵ月中期プロボノプログラム「プロボノサマーチャレンジKAWASAKI」の実施に向けた準備をスタートした。 4月 東京都福祉保健局との協働による、「多様な主体の地域貢献活動による地域包括ケアの推進事業」がスタート。団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になる2025年に向けて、福祉先進都市・東京の実現に向けて、サービスグラント10年間の集大成とも言うべき一大プロジェクトが幕を切った。 5月 事務局スタッフ2人が産休に入り、入れ替わるようにして、東京事務局、関西事務局に新しいスタッフが合流し、即戦力として活動を始めてくれた。二人ともプロボノ経験者。こうしたメンバーが事務局スタッフとして活躍してくれるのは何しろ有難い。 6月 東京都や川崎市のプロジェクトで支援先ヒアリングがスタートし、通常のプロボノプロジェクトでも支援先候補とのヒアリングも重なり、おそらく私にとって、サービスグラントの経験の中で最も多くのヒアリングを実施した月となったのではないか。 月末には「東京ホームタウンプロジェクト」のホームページを無事リリース。 7月 サービスグラント初の「出向」をコープこうべから受け入れ開始。生協運動の起源のような組織から、出向を受け入れるということの意味は、先方にとっては小規模なNPOに身を置くことでチャレンジする気持ちを若い世代に体感させたいという思いがあり、一方のサービスグラントにとっては、そこで働く人が成長できる場を提供することを求められている、ということであると思う。 この頃になると、企業プログラム「NECプロボノイニシアティブ」や「SMFGプロボノプロジェクト」が本格始動。鳥取県でのプロボノ支援先ヒアリングや、協和発酵キリンさんでの社内勉強会、パナソニック社員のみなさんによる1泊2日の「プロボノWEEKENDチャレンジ ふくしま」なども続く。川崎市の「プロボノサマーチャレンジ」も本番スタート。次々といろいろなことが同時並行で動き出す。 8月 フランスPasserelle & Competencesのパトリックさんがバカンスで来日した機会に、勉強会を開催。インターナルボランティアについて理解を深めた。 秋の「プロボノ1DAYチャレンジ」に向けて支援先ヒアリングが続く。都内のあちこちをよく歩いた。特に立川には何度も行ったような気がする。 それと並んで、1DAYチャレンジに参加するプロボノワーカーを集めるために、サービスグラントの勝手連的ボランティア集団”Lovers”の皆さんが素晴らしい活躍。 たしかに、サービスグラントは、愛されている、とつくづく思う。有難いことだ。 9月 過去の支援先を対象としたアンケート調査「定点観測」を実施。回答率が伸びないのが悩みだが、取り組みを通じて、継続的な効果測定の必要性は改めて感じる。 事務所の引っ越しを試みるが、なかなか良い物件に出会えず、見送りになった。やっぱり、いまの事務所を超えられる場所は、そうそう見つからない。でも、もう少し大人数で集まれる場所が欲しい。 それと、個人的には、専修大学大学院での講義が始まった。 10月 サンフランシスコで過去7件のプロボノプロジェクトでADを担当したジョニ・スギムラさんが来日。大阪で勉強会を開いた。5人のチームメンバーを選ぶのに20人以上に電話インタビューをするというエピソードには、ちょっとどよめいた。 10月下旬に、東京で2日連続、さらに翌週は大阪で、プロボノ1DAYチャレンジを開催。 合計26団体約120名のプロボノワーカーが支援するプロボノイベントに。支援先とプロボノワーカーとの化学反応の見事さに、強い手応えを実感。その場には、感動を誘うような空気感も濃く漂った。 従来の半年間程度を要する長期プログラムと1DAYチャレンジのような短期プログラムそれぞれのよさを生かしながら、もう一度プロボノプログラムの体系を整理したいと感じる。 11月 中国・北京で第2回アジア・プロボノラリー開催。中国のプロボノムーブメントの勢いを実感。 また、サービスグラントがプログラム作りに関わり、アクティブシニアと社会貢献との橋渡しを応援する「プラチナ・ギルド アカデミー」がスタート。 さらに、約2年間、個人的に準備作業に関わってきた、渋谷を拠点とするコミュニティFM放送局「渋谷のラジオ」に予備免許が交付され情報解禁に。 長くいろいろ温めてきたことが次々と形になって立ち上がっていく時期が来ているのか。 12月 育休を取得していた2人が50〜60%の試運転モードで復職。2人とも元気な赤ちゃんを産んで、自分たち自身もしっかり充電して戻ってきてくれた。 来年2月18日に開催する「東京ホームタウンプロジェクト」総括イベントに向けて、パネリストによる打ち合わせを実施。上野千鶴子さんの鋭いツッコミは、なかなかによい刺激になった。 さらに、私自身は、サービスグラントの運営の傍らで、「渋谷のラジオ」のボランティア説明会なども運営。計8回合計330人という大勢のボランティア希望者の中で、おそらく1人として私の名前を知っている人がいないという状況が、現実を突きつけられているようでもあり、また、新鮮であったりもする。 まだまだやることはたくさんあるな・・・。 そして2016年。 サービスグラントは第三ステージに入っていくのではないか、と新年のあいさつで書いてみた。 本当にそうなるかどうかは、後になって分かることだろうが、おそらく、物事の発展は、積み上げで発展する側面と、まったく次元の違うところで発展する側面との両方があり、今はそうした次元の違う発展を意図的につくり出すべき時期なのだろう。 2016年を振り返って、どのようなことが記憶として残っていくのか。 これから起こることを、楽しみに受け止めていくよりほかはない。 |