サービスグラントのプログラムオフィサー(PO)、田端です。
現在印刷物のサービスグラントプロジェクト「ファミリーハウス」で、POとして関わっています。
このプロジェクトは、ファミリーハウスの発行しているニュースレターをリニューアルするものです。先日、中間提案が行われました。
この日はちょうどオリンピックの女子フィギュアスケートフリーの日。結果はもう判っているけど、みんなの滑りをTVでじっくり観たい!しかし、その前にまずはこちらです!
今回は、事前に中間提案の資料をお送りして、関係者の皆さんに目を通していただきました。その上で当日内容を説明し、質疑応答と今回の決定事項や今後のタスク確認などを行いました。
チームの挑戦提案・ターゲットの整理
当初はニュースレターを多方面に活用したいと考えていたファミリーハウス。
しかし、ニュースレターは、ボランティア参加者や寄付を下さった方々をメインに送付している発行物。つまり、ファミリーハウスへの理解と賛同がある方々に宛てられたものです。それならターゲットをそこへ絞り、さらにつながりを強めてもらうツールとしてみては?と、チームメンバーの中で「ターゲット設定」という提案が持ち上がりました。
メンバーの持つ印刷物の編集・製作スキルがここで威力を発揮します。
発信ツールは目的やターゲットをシンプルにするほど、内容も絞り込めて訴求力を強くすることができる。逆に目的をいくつも持たせてしまうと、その分曖昧なものができあがる可能性がある。
メンバーにとっては、仕事の経験上当たり前のように知っていることですが、NPO側にとっては初めての視点ということもしばしばあります。こういうことに気づいてもらうのも、サービスグラントのプロジェクトでは重要な部分です。
コンセプトは「人」 ヒアリング結果からは、ニュースレターにあたたかさが感じられない・現場の声が少ないという声が上がってきました。ぬくもりや現場の声・リアル感を伝えたい、それはまさにファミリーハウスが伝えたかったこと。
そこで、ニュースレターのコンセプトを、ファミリーハウスに関わる人たちにスポットライトを当てることにしました。これがうまく行けば、ファミリーハウスと読み手双方のモチベーションアップやボランティアの活動活性化につながると考えています。
活動報告のツールではなく、ファミリーハウスを成長させるツールへ。それが新生ニュースレターのコンセプトです。
終盤では、コンセプトを実現させるための具体策をいくつかご提案。テクニカルな用語も飛び交います。
ここで圧巻だったのは、コピーライター不破さんの持ってきたニュースレターのネーミング案。実に70案以上!
ただこの場で決める事はせず、まずは造語や和名などジャンル別にネーミングの効果と注意点を説明し、検討していただくことになりました。
デザイナーの小栗山さんは、レイアウト次第でいかに読みやすくなるかを説明するために、サンプルを作ってきました。同じ内容・文字数なのに、その読みやすさや見やすさの違いは一目瞭然。
「全然違うね〜」
「デザインの力ってすごい!」
と大好評です。
提案内容のFeedbackや編集会議までのタスクなど、3月分のスケジュールを確認してこの日は無事終了。
「先生にそんな(無茶な)お願いしたんですか!?」 そういえば、ファミリーハウスはイラストを、なんと、あの、
「ぐりとぐら」の山脇百合子先生に描いていただいているんです!さらに、現在追加で新作を描いていただいているということでした。そのお願い内容を見せていただいた所、
「その納期で!?」
「こんなに大量!?」
「指定細かい!」
と一同仰天。
ビジネスとして頼むには、正直カナリ厳しい条件ではないかと思いました。しかし山川先生ご本人は快く引き受けてくださっています。これが通ってしまうのは、NPOならではの長所であり強みです。NPOの活動内容に賛同してくださっているからこそ、皆さんがいろんな形で協力してくれるのだと思います。ある方はお金で、ある方は物資で、ある方は自分の腕で。
NPOのチカラを垣間見た瞬間です。
NPOの事務局長・植田さんが「皆さんのこの反応(の大きさ)が、今日一番の勉強になりました(笑)」
お互い、いろんな意味で、新たな発見があったようです。
3月以降は具体的な製作フェーズに移りつつあります。今後も進捗状況をこちらでお届けします。
Keep Watching!
※ファミリーハウスについて (
http://www.familyhouse.or.jp/)
ファミリーハウスは、小児がんなど難病の子どもとその家族のために、滞在施設の提供を中心としたサポートを行うNPOです。大都市の限られた病院でないと治療を受けられない、そんな難病を抱える子どもと家族のために、安価でかつ安心・安全に滞在できる場所、そして悩みを話せる場所としての滞在施設を提供しています。
今回、サービスグラントではニュースレターのリニューアルをサポートしています。