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Make a Difference [2012年01月16日(Mon)]
先週末は、アースデイマネーの関連で、どういうわけか大きなカンファレンスに招かれて香港にいた。

MaD - Make A Differenceというイベントで、社会課題の解決をテーマにさまざまな取り組みをしている人たちが世界各地から集まり、刺激的な3日間の内容だった。

それと、このイベントの主催者の運営の見事さにも舌を巻いた。事前の準備もすべてがプロフェッショナルだったし、空港でのピックアップからその後のすべてのロジスティックスが本当によくできていた。しかも、フレンドリーな雰囲気を常に維持しながら。1,200人の来場者、次々と入れ替わるゲスト、中国語・広東語・英語の3ヵ国語の併用、どれをとっても、気が遠くなるようなハードワークだ。

さて、そんなイベント運営に関心をしつつ、自分の発表が終わった翌8日は、他の人のセッションに参加してみた。テーマは教育。話を聞いてみると、香港や中国の教育システムも、十分に大変そうだ。中国の教育といえば、「科挙」の伝統だろうか、シビアな試験を連想するが、いまでもその状況は変わっていない。香港も、中学・高校で受ける試験で、その先の人生の選択肢の幅がほぼ決まるというようなシステムになっているらしい。

そんな中で話題になったのが、生徒・教師・親という三者の関係をどのように変えていくことができるのか、という内容だった。そして、少なくともこのセッションで感じられたニュアンスからすれば、香港でも、親は教師にとって極めて恐ろしく、厄介な存在らしい、ということだった。

日本でも、モンスターペアレンツということが言われて久しいが、それは日本だけのことではないらしい。そしてそのことが、“アジア的な現象”として語られていたのも面白かった。

いわゆる“欧米”では、親と子の関係はより個人をベースとした関係になっており、親が子どもの教育に干渉するということも少ない。これに対して、“アジア”では、親が子の成長に強い関心と責任感を持っているという文化的背景の違いが指摘されていた。また別の人は、社会・経済の発展速度から説明していた。急速な発展をする社会・経済の中で、教育システムが社会の動きに対応できていないということの表れ、ということなのか。

そんな話を聞きながら、ぼんやりと考えていたのが、学校にとって、親とのリレーションシップマネジメントがいかに大変で、しかし重要度が高いものであるか、ということ。

親のニーズを把握するということも、親に対するオリエンテーションなり、もっと言えば親向けのトレーニングのようなものが、本来はもっとあってもよいのかもしれない。

学校は、お店やホテルのように満足度を競うということをしても仕方ないとは思うが、親が協力的になり、学校運営を支援してくれる存在になれば、結果的に先生も生徒もハッピーになれる可能性は高まるのだろう。

だが、そんな下準備のために、ただでさえ忙しい先生が、時間を割くのは厳しいだろう。そう考えていると、学校にもPR担当みたいな専門の事務職員がいてもいいのかもしれないな、と思えてきた。ここでいうPRとは、Parent Relationship という意味も持たせてみたい。親というのは、学校にとって、これほどまでに重要なステークホルダーでありながら、その重要ステークホルダーに対応する専門家がほとんど皆無である、という現在の体制が、もしかしたら無理があるのではないか、というようなことを、ふと思ってしまった。

というわけで、嵯峨的学校改革案!?

● 学校に、民間出身の「PR担当」職員を1名以上配置する。
● 父母や地域住民によるプロボノチームを組織化する。
● PR担当とプロボノチームが協力し、親を対象とするマーケティングリサーチおよびリレーションシップマネジメントに取り組む。

果たして、妥当性があるのか分からないが、基本的に、先生たちには生徒に向き合うところにできるだけたくさんの時間と労力をかけてほしい、ということから考えても、こうした取り組みは、考えてみるだけの価値がある話ではないだろうか。

・・・なんていうことを考えていたら、いつの間にかそのセッションが終わっていた。ふだんと違う環境で、ふだん聞かない話を聞くことは、新しい知識が入る、ということもさることながら、インスピレーションの種のようだ。

いずれにしても、このイベントのタイトルの通り、大切なことは、Make a Difference。何か新しいことにトライしてみよう、という、会場全体に充満した若さとオプティミズムとに突き動かされて、いろいろ考えるヒントをいただく3日間だった。
Posted by サービスグラント at 09:51 | 代表ブログ | この記事のURL | コメント(1) | トラックバック(0)
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面白いデスね。学校はプロボノの対象分野として十分考えられます。特に日本の学校教育のあり方を再検討する必要もあります。アジア各国では日本の教育制度を取り入れてきましたが、日本の成功モデルはすでに崩壊し、個性を伸ばす仕組みを学校教育の現場に取り込むことが大切になって来るのでは?
Posted by: 奥山俊一  at 2012年01月20日(Fri) 06:25