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広島プロボノセミナー第2回、ポジティブパワーいっぱいの3時間。 [2011年07月18日(Mon)]
3連休初日の昼下がり、会場にいらっしゃる皆さんが口々に「いやー、暑いっ」と発してしまうような、真夏日の広島で、第2回のプロボノセミナーが開催されました。

今回の出席者数は約25人。土曜日にもかかわらず、熱心な聴衆にお集まりいただき、セミナーがスタートしました。

まず冒頭に、第1回のおさらいも含めて、プロボノに関する簡単な説明を行ったあと、いよいよゲストのお二人をお招きしての、プロボノ実体験談がスタート。

 

2008年に、開発教育協会(DEAR)のウェブサイト構築プロジェクトで、プロジェクトマネジャーを担当していただいた長浜洋二さんからは、中間提案・プラン提案の資料を具体的にご紹介いただきながら、プロボノプロジェクトの生の様子を伝えていただきました。3年前の資料ですが、いま見ても色褪せた感じがまったくしない、緻密で気持ちの入った資料に、来場した人たちも、なるほど、これがプロボノか〜、という実感を持っていただけたのではないかと思います。

続いて、現在進行中の関西のプロジェクトで、障害者の自立的な生活をサポートする日常生活支援ネットワークのパンフレットを製作するプロジェクトで、デザイナーを務めている桃田真子さんからは、いま、リアルタイムでプロボノプロジェクトに参加している中で感じているワクワク感や、普通の仕事では出会うことがないチームメンバーやNPOの人たちとの出会いについて、生の声を語っていただきました。

長浜さんは、山口出身で、マツダでも1年間仕事をした経験があり、桃田さんは広島出身で、ご実家も広島市内。広島にゆかりのあるお二人のお話を聞き、会場の皆さんの、プロボノへの心理的距離がぐっと縮まった、かもしれません!?



休憩をはさんで、質問タイム!
ここでは、本当に数多くの質問が来場者の方たちから寄せられました。
一問一答、例えば、こんな質問が。


質問)忙しい人たちが参加するということで、ミーティングに全員が揃わないこともあると思いますが、どのように進めたのでしょうか?

長浜さん)全員集まるのは難しいという場合、3人集まればとりあえずやる、という方針で行きました。


質問)プロボノで得られたことは?

長浜さん)時間管理を意識しました。
プロボノが楽しいからもっとやろう、とやり過ぎてしまうと、本業を圧迫してしまいます。プロボノの時間はプロボノの時間で、本業は本業で、それぞれ時間効率を上げていきました。


質問)プロボノが楽しすぎて本業のモチベーションが下がることはありませんか?

桃田さん)あまりそう言うことを感じたことはないんです。プロボノでやっていることは趣味の一環という意識。技術的には仕事とは同じことをやっていますけれども、頭の中にある場所が全然違う、という感じです。


質問)広島と首都圏ワーカーのコンビは可能だと思いますか?

長浜さん)キックオフと中間提案と最終報告の3回ぐらいは、メンバー同士、直接会ったほうがいいと思いますけれども、それ以外は、ウェブなどを使えば全然いけると思います。


質問)さまざまな会社の人たちで、チームづくりをするには、何か工夫をしましたか?

長浜さん)お約束のようですが、飲み会をやりました。どこかのタイミングで、テンパるところが出てくるかもしれない、と思ったので、最初の段階で、そういうコミュニケーションも必要と思ってプロジェクトマネジャーの立場から皆さんを誘いました。
 と同時に、実際のプロジェクトにおいては、あまり無理強いをしないようにしました。その点、普段の仕事よりも抑え気味でチームにも、また、NPOにも接したと思います。少し引きながら、プロジェクトに臨んだのかなと思います。


質問)NPOに対して情が移るとか、例えば、桃田さんの場合、障害者のヘルパーをやってみたいということはありませんか?

桃田さん)それは、あります!
 支援するNPOのことを知れば知るほど、理解も深まり、NPOのスタッフとの関係も深くなっていき、ある種、洗脳されるので!?、チームの何人かは、「ちょっと講習会受けてみようかな」とか「なんでこんないい仕事やのにヘルパーの人集まって来ぉへんかな」とか言うようになりました。


質問)なぜプロボノをやるのですか? 喜びは?

長浜さん)NPOの場合、成果が出やすい、ということは、真っ先に言えると思います。成果が分かりやすいんです。プロボノが関わることで、ウェブサイトにしても何にしても、状況が大きく改善されるということが目に見えて分かりますし、NPOの方からは、必ず感謝される、感謝されないということがないんです。感謝されることで、精神的満足感も得られると思います。


質問)桃田さんの場合、仕事と家庭とプロボノとの三足のわらじを履いていると思うのですが、その中で苦労したことは?

桃田さん)苦労したことはそれほどないんですが、一つ挙げれば、ミーティングの調整です。
 月に1回か・・・、2ヵ月に3回ぐらい、顔を合わせて行うミーティングがあります。その日程調整が難しいときもあるんです。欠席させてもらうときも何回かありました。日程の調整はちょっと大変だったけれども、でも、それほど苦労したということはないです。
 でも、家族の理解と協力は不可欠かなと思っています。主人がシフト型の仕事をしているので、シフトを調整してもらって時間を空けてもらったこともあります。


質問)私生活や育児に変化はありますか?

桃田さん)プロジェクトが終わってみないと本当のところは分かりませんが、自分が関わったことがなかったような業界や分野の人と接して、視野が広がるということは言えると思います。そのことが、一人の親として、こういう世界もあるんだよ、ということをリアルな体験として、子どもにも伝えていけると思います。


質問)NPOへのヒアリングの際に、誰に何をヒアリングするかはマーケッター任せなのでしょうか?

長浜さん)ヒアリング先の選定や、ヒアリング時の質問項目の洗い出しはチーム全員でやりました。ヒアリングのときに、どのような言葉を使って質問するか、答えを誘導するような尋ね方になっていないか、なども含め、細かいところまでチームで議論して共有しました。
ただ、その議論のたたき台となるような、ヒアリングの項目の案などは、マーケッターが用意しました。


質問)ふたを開けてみたら、メンバーのスキルが不足していた、ということはなかったでしょうか?

長浜さん)実は、HTMLのコーダーが、あまりスキルが足りていなくて、プロボノへの参加を、スキルを身に付けていくきっかけにしたい、というタイプの人でした。ですが幸い、デザイナーが技術が高くて、コーディングまで含めてすべて一人でできたので、助かりました。デザイナーには、2つの仕事をやってもらった感じでした。

嵯峨)この点は、サービスグラントとしては失敗例として認めざるを得ないところです。現在でもまだ100%とまでは言えませんが、2008年当時は、今以上に事務局体制が弱く、スキル登録者のスクリーニングは不十分でした。こうしたことは、結果的にチームに迷惑をかけてしまいます。こうした反省点を事務局では反映して、より運営を強化してきているのです。


質問)プロジェクトメンバーの中に経営に関わっている人がいたそうですが、その人の担当は何ですか?

桃田さん)その方は、化粧品メーカーで経営企画室で働いている方ですが、プロジェクトマネジャーとして関わっていらっしゃいます。


質問)NPOとの関係づくりはどのようにしましたか?

長浜さん)最初のキックオフミーティングでは、ひたすらNPOから要望を聞く、ということをしました。NPOのミッションとは、から始まり、NPOの悩みを聞き、その範疇を超えない範囲で提案をしていくべきなんだ、ということを理解しました。


質問)支援先との関係をどう作りましたか?

長浜さん)NPOが行っている「貿易ゲーム」という教育プログラムの現場に実際に参加してみて、そこに来る人が、どういう人がいるのか、を実体験したことが効果的でした。


質問)企業とプロボノ、どちらが働きやすいですか?

桃田さん)先ほどの回答と重なるところもありますが、プロボノは「働いている」という感じがなく、本当に趣味という感じなので、あまり比べて考えることができないんです。


質問)チーム内の連帯感はどうやって作っていますか?

桃田さん)私が参加しているチームの場合、特に誰が言い出すということもなく、結果的に飲み会になっていた、という感じです。もうちょっと砕けた話もしたいし、ちょっと行こうか、という感じでした。
 NPOとの関係でいえば、ヘルパーと障害者の方を交えた飲み会をやっているので、その場に足を運んで、NPOの雰囲気を感じたりしたということがありました。


質問)全体的にポジティブなお話が多いですが、逆に、NPOとお付き合いしていくときに、「NPOのここがダメなんだ」とか、「こんなことを頑張ったらNPOはもっと良くなるのに」、と思うことがあれば教えてください。

長浜さん)私がNPOとふだん関わるときに思うこととしては、ビジネスマナーやコミュニケーションの仕方の問題があるのかなと思うこともあります。ポケットからシワシワの名刺を出すことがあったり。メールや電話で、きちんと名乗って、正しい言葉で伝えるようなこと、誤字や脱字が多いのに平気でメールを送ってしまう、というようなことがあります。

それから、もっと肝心なことは、活動やその成果を数値で示す、データで示す、ということは非常に弱いと思います。NPOは、思いが強いし行動力が強いのですし、間違いなくいいことをやっているとは思いますが、説得力をきちんと打ち出していく必要があるはずなんです。いまどういう問題を抱えており、なぜこの事業をやっているかという妥当性を示すことも必要ではないでしょうか。


以上のような活発な質疑応答のあと、ワークショップへ。

 

ワークショップでは、来場者のみなさんのお仕事と、仕事のスキルを書き出し、さらに、もしこれから広島でプロボノを始めるとしたら、という仮定で、月何時間ぐらい、プロボノができるか、を出し合ってみるというワークを行いました。

25人弱の会場で、年間のプロボノ時間は2424時間!
ひしひしと会場の意欲が伝わるワークショップとなりました。

最後に長浜さんから「楽しい時期を過ごさせていただいた広島に、ちょっと恩返しができたかな」、桃田さんから「人とのつながりが何よりの力だと思います」と総括コメントをいただき、3時間のセミナーは盛況のうちに終了。終わった後も、ゲストのお二人の前には名刺交換や質問などでいろいろな人が集まっていました。


残り1回のセミナーは27日(水)19時開催。
次回のテーマは、企業とプロボノの可能性。広島におけるプロボノのあり方について、より具体的に展望できればと思います。主催者自らで恐縮ですが、次回も楽しみです。

(文:嵯峨)
Posted by サービスグラント at 17:38 | ニュース | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
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