秋に考える人物伝ー蟻塚、さきちゃん、よねさん [2024年10月09日(Wed)]
タイトルの3人の件。蟻塚は、以前に書きました。中学の同級生で「のんだくれ医師」。さきちゃんは、蟻塚ともよねさんとも知り合い。蟻塚とよねさんは知り合いじゃない。でもみんな福島在住です。さきちゃん・よねさんとは1975年ころに知り合ったから、もう50年近くになりますか。 蟻塚とは、60年以上ですわね。 キーパーソンはさきちゃんということになります、この場合。なんで真っ先に書いたかというと、今回の「ぐるしの」に誘ったから。そしたら、高いところから落ちて腰を打ったんだって。残念です。さきちゃん・よねさんとの関係は後日書きましょう。なにしろ、私の人生に影響を与えてくれた達だから。
実は8月に3人に会いたくて、特急「ひたち」で行ったんです。いわきまで夫婦で。でも結局日程が折り合わなくて会えたのはよねさん家族だけ。みんな忙しいいんですね。
で、今日は蟻塚のこと。彼に関しては、4月に書いた「ちょっとびっくりした話」に書いた通りです。福島から帰った翌日、今度は彼が横浜に来ているって聞いてんだけど、そこも会えなかった。もう片思いの青春って感じです。生の彼にはついにあえないのかなあ。 そしたら偶然「生きて生きて生きろ」という映画が高円寺でやってるってわかったんですね。 映像の彼を見に行きました、8月20日に。 これは、原発事故に翻弄された福島と第二次世界大戦で日本の捨て石になった沖縄の、PTSD になった人たちに寄り添う精神科医や訪問看護師の記録映画なんです。いやよかった。良かったけどもう時間がない。続きは明日にします。すみません。
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ぐるしのを前にバタバタしてます。 [2024年10月07日(Mon)]
話が飛ぶのが私の特技?なんですが、昔から「物事をきちんと覚えない(られない)」のです,アバウトな人間だから。以前行った目的地に着かないことがたびたび。それだったら自分が困るだけですけど、相手が人間だったら失礼に当たってしまう。 前回登場した人達は、良く滞らずに書けたなと思ってしまうわけです。
つい最近も、上野原の図書館とか地元のスーパーで「こんにちは」と女性に話しかけられた。それもすれ違いざまの一言ではなく、足を止め目と目を合わせてのあいさつなのです。 そうなると「こんにちは」だけではなく何か一言と焦る。「こんなところでお会いするなんて」とか「皆さんお元気ですか?」なんて暑中見舞いみたいなことをいう。内容があたるとは限らない。のみならずこのお二人とも最後まで誰だか分らなかった。いまだにわからない。マスクもしてたし。 もっとひどいことがあった。例の自然農のグループ「へびかかし」。労働が終わると飲み会である。去年の稲刈りのときのこと。若目の男性とよもやま話。そのうち、「どこに住んでるの?」「名倉の〇〇あたりです」「そのへんにBさんって住んでない?」「・・・Bは僕ですけど」・・・・「えっ。メガネかけてないから間違えちゃった」。さらに傷口を広げてしまった。もう4年も一緒に仕事をしているのに。
ですから、前回書いた人たちは、私達との何らかの関わりをつくろうとの下心が私の中にあることにほかなりません。
てはじめの「ぐるしの」。毎年書いてますが、「ぐるっとおさんぽ篠原展」。自分たちの作品や生活や仕事を公開・販売する。すずかけの家は13日のみですが、コンサート利用者の手作り品やフリーマーケットのほかにオープンハウス・介護クイズ等の出し物をします。 私たちのグループは小規模の古本市を開催。いずれ町の本屋につなげていこうとの小さい一歩です。この時代、天候が一番の不安です。ぐるしのが終わったら、じじばば自由大学でこのまえやったみたいに「お年寄りの話を聞こう」的な催しも。(通信「自遊のひろば」10月号に記事がのってます。そろそろでます)
いろんなことを地域のみなさんとやっていくために、仲間をあつめたいのです。声がかかったらよろしくお願いいたします。
記憶力が乏しい・仲間に頼る(ま)
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本物の秋が来た [2024年10月05日(Sat)]
今日は朝から涼しいんです。というか寒い。連日の暑さで身体のセンサーが狂ったんですね。ぐるしの(ぐるっとお散歩篠原展)は1週間後。それまでに天気も身体も安定してもらいたいんですけど。もう気候も体調も自分じゃコントロールできない。あなた任せです。えーと、この場合あなたとは・・・地球かなあ。
さて、一箱古本市が成功裡に終わって、記事を書くのをさぼっている間に、いろんな人に出会いました。大切な人たちです。私にとっても、職場にとっても。 例えば、藤野に本屋をだしたいという女性。Sさんとしますが町の図書館やブックカフェだとか考えているそうです。願ったりかなったり。場所を探してみましょうかってとこまで行ったけど、何しろ彼女忙しい。前に話しましたっけ。コレクティブハウスのこと。シェアハウスの一形態のようなものですが、その協会の事務局をやってるんだとのこと。例の練馬の「つくりっこ」とも関係があるたんだそうな。 それから、YさんとTさん。すずかけの旧職員です。それぞれと再会して抱き合わんばかりに喜びあいました。でも、ま相手は人妻だし、Tさんとは吉野のセブンイレブンで人目も大いにあるし。セブンって社交場なんだなあ。同居し出した彼女のご両親も一緒に「ぐるしの」に来てくれそうです。
出色は、仮面劇をやっているご夫婦さん。藤野に引っ越してまだ1年くらいだそうですが、あちこちのイベントで大活躍しています。と書けば知っている方も多いんだろうな。ただこのお二人は、横浜でボートシアターに所属していた時代があって、そのシアターの主催者と私達夫婦は知り合いなのです。不思議な縁! これからすずかけの家に公演をはじめ演劇(お二人は劇と呼ぶのはイヤ、芝居と称すといってますが)を通しての繋がりを持ちたいなあ。芝居だろうが劇だろうが、自己を表現していくのには最高の武器じゃないですか。音楽や書割などのジャンルを含んだ総合芸術だし。 利用者も職員も一体となって、目指すは「演劇集団すずかけ」です。
それから、3・4年前にブラジルから帰ってきたというHさん。じじばば自由大学で武笠太郎さんのお話を聞きにきてくれたんですけど、彼とも藤野のあちこちで出会う。藤野に家族で移住して満足ですかってきいたら「満足以上です」と。そこまでいわれたら藤野の方も満足でしょう。 上記、クリエイター武笠さんはだいぶ前から篠原に住んでいるんですが、距離が近くなったのはごく最近。若いのに(失礼かな)とてつもない魅力と能力がある方なんですね。
自分が嬉しいものだからズラズラ書いちゃったんだけど、まだまだいろんな「魅力人」がいるのです。その人たちと作り出す、えも言われぬ多様多彩な楽しい世界。少しずつご披露していきますよ。 では。 続く
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古本市を前にーーちょっとびっくりした話 [2024年04月12日(Fri)]
独立系本屋ではない話。 ジュンク堂に行きました、3月半ばのこと。いい漫画コーナーがあるからです。そこで「安彦良和」の本を見つけました。この苗字なのか名前なのかわからない漫画家は「虹色のトロツキー」の作者です。第二次世界大戦直前の満州国「建国」時の波乱状態を、蒙日二世青年の視点で描いた漫画。ストーリーも絵もしっかりしきれいです。ぜひ読んでみてください。 それでね、あとでわかったんですけどこの人弘前大学に在籍してたんですね。私も受験した故郷の学校。私は東京の福祉系大に来ちゃったけど、そっちに行ってたら会ってたかもしれないなあ。
この「機動戦士ガンダム」制作スタッフだった彼に興味をもったら、ジュンク堂で発見したわけです。「革命とサブカル」という本。マンガじゃなかった。この人在学中「弘前大学全共闘」のメンバーだったんですね。ビックリ。で、コロナの頃当時のメンバーと個別に議論した記録集だった。 あの時代、(私はわけがわからず右往左往してた)そういう「運動」の当事者や私のような周辺の人たちは、人世の最終局面を迎え、多かれ少なかれ「総括」し続けているはず。60年代後半の盛り上がりから、内ゲバ・連合赤軍を生み民衆にソッポを向かれ自壊した運動を。渦中で多くの人が死んでるわけだから。「本名で死にたい」といったあれも霧島氏の総括だったんでしょう。
びっくりしたのはそこじゃない。対談のメンバーの中に「蟻塚亮二」がいたからです。彼中学の同級生。賢いやつでした。違う高校にいってしばらく年賀状のやりとりをしてたけど、そのうちお互い忘れてしまってた。60を過ぎた頃、共産党の新聞「赤旗」に「医療相談」的コーナーで連載してたのを発見しました。驚いていろいろ調べたら、彼、「飲んだくれ・放浪の医師」で通っていた。アル中に加え「うつ」もある。そういえばトランプしてたのに急に黙りこくったりしてたなあ。 弘前市長選挙で敗れたり、被爆者のことや沖縄に行って「戦争体験」のことを調べたり、東日本大震災のあと南相馬で診療所をやったり。その頃前沖縄大学学長だった教育評論家の野本三吉氏にあったらよく知っていて、「彼、癌なんだよね」と教えてくれた。
うちの「じじばば自由大学」特別講師に来てもらおうと蟻塚に電話したら、「これから入院するところ」と。断念したけど、その後年賀状のやり取りをしているから、まだ「元気」なんでしよう。電話しあったとき「オレ、死なないよ」といっていたっけ。 この破天荒な蟻塚医師、「おりこうさん」なイメージの共産党に似合わないなあと思っていたら、この「革命とサブカル」中自分でもそういっていた。安彦氏もだから対談できたんでしょう。
同期の人たちがポツリポツリとこの世から去っていく。うちの大学のサークル仲間と4月末に集まることにしました。今のうちに。
さて、「篠原一箱古本市」。あさってになりました。買わなくていいけど冷かしに来てください。 わが法人「自遊の広場」。落語会やったり、地域のお祭りに参加したり古本市を開いたり。昔運動した人やノブ君・ぼけまる氏からみたら「何を生ぬるいことをやってるんですか!」と言われるかもしれない。 私たちは「みんな知り合い」になりたいんです。貸本屋なんかいいと思いません?当事者同士で返却場所や期間を決めていく。そこでコミュニケーションが生まれる。 目指すのは「権力」をもつことじゃない。「決定権」を持つ住民の層です。今問題になっている「診療所の統廃合」のように、里山地域⇔過疎地帯が都市に対して逆らっていく。楽しみ。ま、その前に死んじゃうだろうけど。
篠原の桜も散り始めています。あさってまで持つかなあ。びんたぼ農園で、コーヒー片手に本を持つ。いつしか書を離れて、住民の笑顔と結束を夢想する。開きっ放しのページに花びらがひとひら舞い落ちて、てな感じで・・・・いいなあ。 (了)
暑すぎを心配している(ま)
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マルベリーフィールドで買った本 [2024年04月01日(Mon)]
それでですね、なんかやたら高い祭りの写真集に熱中しちゃって、結局2時間近くお店にいました。私が1人で喫茶店にいられるのは、せいぜい1時間位。ですから、居心地がよかったんじゃないですかね。コーヒーもこぼさなかったし。 ところで、購入したのは文庫本です、1000円未満の。先日も言ったけど「オペラ座の怪人」。ご存じの方も多いんじゃないでしょうか。何度か映画になったしオペラにもなったはずですよね。 私は気が小さいからホラー映画は好きじゃないんです。ガストン・ルルーの原作を読んでみたかったからなんですね。パリのオペラ座の地下には湖があった・・・もしかしてホントかもと思ったわけです。なんか実際建物の直下ではないけど、近接して湖があったという「都市伝説」があったみたいですよ。 小説では実際湖があって、二重にぶ厚いコンクリートの壁があったことになってますね。二重の壁の間に「怪人」が住まいを作り夜な夜な現れるという。その怪人というのは、生まれつき骸骨状の「顔」で、それを隠すために恐ろしい仮面をつけてたんだって。1870年代のことだそうです。あのパリコンミューンの事件に絡んでるとのこと。国民軍が建物を占拠し、地下には牢獄があった・・・。どこまでが真実なのかわかりませんが、秘密のドアや張り巡らされた通路があって「怪人」はそれを利用していたことになってます。 実際小説では、ちょっと出ですが、顔から炎を出して走り回る「ネズミ捕り男」なんてのもいましたな。だけどホラー映画みたいにやたらめったら恐怖をあおるグロテスクな小説ではなかった。確かに怪奇だったけど主人公は人としての怒りや悲しみをたくさん見せてくれましたね。 最後だって、ヒロインが幸せになったんじゃないかな。映画の方は、見終わっても「もう外の暗がりにはいきたくないっ!」って感じの恐怖があったからなあ。
これは私だけなのでしょうか。昔から廃墟のような建物の地下に降りていく夢をみるのです。「オペラ座の怪人」と出会う前から。夢の場合は再び地上へ出られるトンネルや階段を発見するんですけど。どうしてなのかわからない。誰か潜在意識を解説してくれませんかね。 子供のころデブとノッポの兄弟がピクニックに行って、光り輝く地下に降りるエスカレーターを発見し、乗ってみたら別々にデブの国ノッポの国に連れていかれるお話がありましたよね。当然その話も好きだった。
「推理小説」ってあるでしょ?その昔は「探偵小説」と呼んでた。横溝正史や江戸川乱歩、坂口安吾などこわかったですね。子供時代「怪人二十面相シリーズ」なんか震えながら読んでた。テレビのシャーロックホムーズなんかもこわかったですね。 それがだんだん「謎解き」が主になって「推理小説」となりました。これは好きだったです、ハイ。今推理小説は人気なのかなあ。
実は「ぐるしの」なんかのイベントに「まことや」という古本屋をやってたんですね。まあほとんど売れない。特に推理小説は文庫本だから格安にしたんだけど全く売れない。 今度の14日「篠原一箱古本市」にも出してみます。性懲りもなく。あ、心配しなくていいですよ。いろんな人がいろんなジャンルの本を出しますから。
結局「マルベリーフィールド」には3回行きました。皆さんも行ってみてください。いいところですから。
14日を楽しみにしている「ま」
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マルベリーフィ−ルド、続き [2024年03月22日(Fri)]
私、実は「日本の祭り」についての写真集は2冊あるのです。あと、「絵で読む子供と祭り」という本も。なんで祭り(の本)が好きなのかわかりません。あのエネルギーかなあ。 中学のころ、青森県弘前一中にいました。ご存じでしょうけど青森はねぶた(ねぷた)の盛んなところ。弘前は津軽平野の中心都市だから「ネプタ」です。「扇ねぷただ!」「人形ねぶたと跳人だ!」って騒いでいたら「梵天様が一番!」って言い張るやつがいるのです。???。誰も知らない名前。そいつ親戚が秋田にいて、正月には毎年そこにいってたんですね。 でも一回も見たことがない。この年になってYouTubeで見ることができました。
なるほど。紙でこけし型のものをつくり、七夕みたいに色鮮やかに飾り付けをするのです。梵天という字を大書しそれを押し立てて歩く。町内会や企業や学校など70本くらい出るんだそうです。それだったらきれいな踊りみたいじゃないですか。 ところが目的地神社に着くころから、行進者の顔つきが変わってくる。ほら貝が吹かれる。この祭りは先陣争いなんだそうですよ。もちろん子供は参加しないようだけど、主に町内会。梵天様を竹やりみたいに突き出し一斉に駆けもみくちゃになる。他町の梵天の邪魔をし飾り物を取るのが大事なんだって。 要するに裸祭りですね。 神事をして解散するまでには、獅子舞が出るわなまはげが登場するわ。毎年1月大寒に行うアドレナリン大放出の祭りなんだそうですよ。 ただ、この5000円の本写真集には載ってない。気になっていたんだがなあ。そういえば「カセ鳥」という頭からすっぽり藁をかぶった人間が輪になって踊ったり街を歩く山形の奇祭ものってないですね。
祭りって、観光化した有名なものだけじゃなく、それこそ町の数だけあったんじゃないでしょうかね。珍しいものは「奇祭」扱いされちゃったけど。
上に書いた「絵で読む子供と祭り」。西村繁男さんの本です。全国の祭りのうち9つを、西村さんらしく丹念に取材して書いている。祭りの中で、子供たちはただの観客ではなく、花を集めたり踊りを踊ったりお囃子を演奏したりと重要な役割を担っているのですね。 岸和田だんじり祭りものってたけど、危険な綱を引くのにもこどもが参加している。猛スピードで走るだんじり(山車)の屋根で飛び跳ねたり、山車の指揮者など祭りのなかで年齢に応じた役割を担っているのです。 NHKのドキュメンタリーでは、指揮者となった若者を1年かけ追っかけた。祭りが無事終わった時彼は号泣してましたね。これはねぶたでも他の祭りでも同じです。日本社会の、共同体の成員になるための重要な営みなのでしょう。
西村さんの上記本にある「さくらもとプンムルノリ」。これはルーツが違う。日本や朝鮮半島・中国・東南アジア・南米などの出身者が民族衣装で楽器を打ち鳴らして参加する国際色豊かな祭りだそうです。多民族が住み着いてから始まったっだんなあ。 川崎さくらもとは、あの悪辣な「ヘイトスピーチ・ヘイトクライム」に負けないで全国初の法律を作らせた街ですね。骨のある西村さんらしい取材作品です。
祭りというのは、エネルギーを放出するだけでなく多世代が担っていく・伝統を守るという地域共同体にとって極めて重要な民俗的行為なんですね。岩手に盛んな蘇民祭は、何百年も続いた一部が、担い手不足で中止になった。 とても全国のを調べられないし高くつく。図書館やこんなカフェがあってありがたいです。
なお4月14日にやる私たちの「篠原一箱古本市」。西村さんも出店してくれますよ。春のうららかな陽気の中(もう決めつけてる)、本を読んでってください。
(ま)
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マルベリーフィールド [2024年03月13日(Wed)]
私がブックカフェに興味を持ちだしたことを知って、職員のサチコが「うちの近くにもあるのよ」と教えてくれました。うちの近くって・・・彼女は篠原から昭島に引っ越していたのです。えッ、昭島にあるのって聞いたら、青梅線昭島駅の一つ手前(立川寄り)の中神駅なんだって。後日、豆ノートをくれました。自分は行ったことがないけど、私のために持ってきたんだとのこと。店のガイド「本」ですね。 店名は上記タイトルの通り。1階がカフェ、2階に「白壁の隠れ家ギャラリー・イベントスペース」。同店が大切にしている言葉として[知識を深め、あなたの人生をより豊かに]とかいてあります。みなさまの「より豊かな人生」を心からねがっています。と添えてある。うーむ。洒落ている。
昨秋の忙しいときでなかなか行けなかったけど、1月5日に実現しました。関東特有の冬の青空とからっ風の中、駅から2分のところ。瀟洒なビルです。 店の中央にカウンター。かぎ型に曲がった客席が本棚の間のあちこちにゆったりとしてある。20人位は座れるんじゃないでしょうか。 勝手がよくわからないので、しゃれた張り紙どおり席を確保したのちコーヒーを頼む。 「あの、何も注文しなくても本は見れるんですか?」「ええもちろん。本屋ですから」。物凄く感じのいい男性が答えてくれる。まだ若い。「ADHD」と皆様からいわれている小生、ドキドキしながら聞く。「あの、コーヒーをこぼしちゃったらどうなります?」彼、笑いながら答えてくれた。 「あまり汚れがひどかったら、買い取ってもらうことになりますね。ま、程度にも寄りますが」 ーーということは、安めの本を読まないとな・・・
コーヒーができるまで、本を見て歩く。といっても、昼下がりの店内のあちこちにお客さんが座っているのです。小学生と一緒のお母さんがいるし、シングルで読書している女性もいる。学生っぽい2人組もいたな。 サラリーマン風の人はいない。みんな「街の人」って感じです。親しまれているんだろうな。 邪魔をしないように慎重に歩くのです。
マルベリーフィールドって桑畑のことなんだそうです。昭島も養蚕が盛んだったようで、昭島の一部やこの辺の街並みは「新興住宅街」って感じですね。米軍基地が返還になったので「昭和記念公園」や新しい街並みができたんでしょう。昔よく歌った「桑畑」。砂川闘争の中から生まれた歌ですね。闘争の歌らしくない、基地の拡張によって失われていく桑畑を悲しむメロディーがきれいで懐かしいうたです。この辺にくるとつい口ずさんじゃう。 時がたったんですね。横田基地はまだ活躍なさってるけど。 新興住宅街って、でかいカメラ店だとか家具屋だとか銀行なんかが駅前にあって、どこも同じ感じで・・・。マンションの住民たちはふるさと意識を持てるのかなあって思うけど、このブックカフェに集う人たちを見ていると「ああ、いいなあ」と思っちゃいましたね。 だって古本じゃなく新刊本ばかりだけど、小説からルポルタージュやエッセイ、児童よみもの、女性向け(こりゃ何とかハラになるのかな)ファッション誌や住まいの本もある。それがきれいに陳列されてある。いろんな人がゆっくりできますよね。
私は予定を変え、購入は文庫本:ガストン・ルルーの「オペラ座の怪人」、手に取ったのは5000円もする日本の祭りの写真集といきました。もうコーヒーを本から遠く離し、ヨダレ一滴こぼさないように啜る。緊張する本屋です。でも楽しい。
続く。 (ま)
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探してみたら [2024年02月21日(Wed)]
昨秋、上野原の桂川沿い「魔法の森一箱古本市」に行ってから、本屋に興味を持ったのですね。それから延々そのことで書いてきた。 探してみたらこの界隈にも「独立系」本屋があるじゃないですか。といっても車で約1時間くらいかかりますけど。
まず、そのbookcafe魔法の森。古本市は2階だったけど、階下に本屋があるんですね。我が家の隣人「朝子ちゃん」が木曜日cafeを営業している。素敵な彼女に会いたいという下心も手伝って行ってみたわけです。(わざわざ上野原まで行かなくても隣に行けば会えるんだけど、そこはホラ、ムードっちゅうものがあるでしょ?)
なかなかファンタジックな空間でしたね。特に目を引くのは部屋の真ん中にあるタワー状の本箱。もちろん本が並んでるんですけど、随所に小さい空間やトンネル状で向こう側が見える箇所がある。異次元に行ける場なのかなと製作者のゲンチョ(元朝)さん(因みに彼、すずかけの落語会で鯉昇師匠が乗る高座を作ってくれたんですよ)のフェイスブックに書いたら、小人さんが出入りするところなんだって。その日気がつかなかったけど、カフェのどこかに小人たちがいたんだそうですよ。 カフェオレとケーキを注文して席に着く。あそうだ、本屋に来たんだっけと再び立ってあちこちにある本を覗いてみる。児童文学・童話、反原発やエコロジックなものから「誰でもできる安全な出産」(でも私にゃできない)とか月にちなんだいろんな本もあります。魔法の森らしく本もファンタジックなものが多かったですね。
朝子ちゃんによれば、普段は閲覧専門用。販売は古本市なんかの時だそうですよ。
月のなんとかという本を手に取って、お茶タイム。月が生活に及ぼす影響みたいなことを書いてある。新月⇒満月⇒新月というサイクルの中で、消極的にしたり気を付けた方がいい日々と逆に積極的に・行動的になれる日なんかあるんだそうですよ。昨今、月のカレンダーなんかブームだもんね。太陰暦とどう違うんだろうなんて考えていたら、2人目の子連れ客が入ってきました。なかなかの美人!さすが魔法の森と感心していたら、朝子ちゃんが「じいじ、じいじ」と私のことを呼んでいる。隣の子供たちが私のことを「じいじ」と呼ぶからその調子で呼んでるんだろうけど、そりゃないだろ、こんな時は名前で呼んでくれよと思いながら歩み寄ったら「あ、ホントのじいじじゃないんだけど・・」と。フォローになってない! 紹介してくれた子連れママ、最近我が家とすずかけの途中の道沿いに豪邸をたて移住してきた方。ご主人も凄くいい方なんだって。それでやまぼうしの近くにある「共同保育所」から子供をひきとった後、ときどきやってくるんだそうですよ。カフェのとなりにキッズスペースがあり、なんか注文すると自由に使えるだとのこと。
そういえば、この広い建物は廃屋になったホテルなんだって。別棟には「シロテナリ」という、数年前までうちの住宅街に住んでいたカクタ君がやっているレストランがあるのであります。 なんか、なんとかヴィレッジみたいにみんなで楽しむ空間をめざしている感じですね。上野原も移住者が増えたり、意欲的な試みがいっぱいあるみたいですよ。
残念ながら、あれから行ってない。因みに水曜・金曜はそれぞれ別な女性がカフェをやってるんだそうで、そっちに行ってみようかな。まさか、カフェに入った瞬間「じいじ、いらっしゃい」といわれることはないでしょうね。
(若いっていわれたい「ま」) 続く
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