平成19 年4月から法律に基づき特別支援教育が実施されていますが、発達障害を含む様々な障害のある児童生徒に対する学校生活上の介助や学習支援などを行う「特別支援教育支援員」の経費については地方財政措置が講じられ、平成24年度には特別支援教育支援員は幼稚園、小学校、中学校、高等学校において、全国で約4万人が活用されています。
ところが、これらの学校教育現場で活用される支援員等に関して、その資格要件・資質、養成や研修の実施については、実施主体である市町村に委ねられており、バラツキや学校現場での混乱等も指摘されおり、支援員に対する研修を効果的に実施できている自治体は少ないのが現状です。
こうした実態をふまえ、弊会では文部科学省から委託をうけ、3年間にわたり特別支援教育支援員やボランティア支援員の質的な向上に資することを目的に、「特別支援教育支援員、ボランティア支援員養成事業」として、養成研修の体系化・標準化を図るなどの養成方法の研究に取り組んでいます。
一般社団法人日本LD学会、一般財団法人特別支援教育士資格認定協会から多大なご協力を得、
さらに障害者団体、職能団体、校長会等の関係団体の皆様からもご意見を伺い、カリキュラム体系、シラバス、講座の試行実施、研修体系のモデルの策定と実証研究を行いました。
3年間の研究成果をもとに、今年度から、日本財団から助成をうけ、「特別支援教育支援員養成事業」として、特別支援教育支援員養成講座・ボランティア支援員養成講座の本格実施、テキストの作成に取り掛かかっています
1.特別支援教育支援員養成講座
@支援員コース・学習支援員コース
◆日程:
<支援員コース・学習支援員コース 共通>
第1日 2012年8月25日(土) 9:50〜17:00
第2日 2012年8月26日(日) 9:30〜16:40
第3日 2012年9月29日(土) 9:30〜16:50
第4日 2012年9月30日(日) 9:30〜12:40(台風のため午後休講)
第5日 2012年10月20日(土) 9:30〜16:30
<学習支援員コースのみ>
第6日 2012年10月21日(日)9:30〜16:50
第7日 2012年11月10日(土)9:30〜16:50
平成24年度特別支援教育支援員養成講座プログラム
H24養成講座案内(大阪)0626.pdf H24養成講座プログラム0629.pdf ◆会場:ドーンセンター(大阪市)
◆コース:
・支援員コース (20科目/27.5時間 )
特別支援教育支援員として、学校長や担任教諭等の指示の下で、発達障害等の障害のある幼児児童生徒に対する介助、保護者等に対する相談支援が行える者の養成。
受講生:42名 修了者: 35名
・学習支援員コース (28科目/39.5時間)
特別支援教育支援員として、学校長や担任教諭等の指示の下で、発達障害等の障害のある幼児
児童生徒に対する介助、学習支援、保護者に対する相談支援が行える者の養成。
受講者:10名 修了者:8名
◆講師:
特別支援教育士SVを中心とした有資格者16名
◆受講者の属性:
一般:32名(教員、支援員、学童支援員、塾講師など)
親の会 会員:20名(京都たんぽぽ、翼、おたふく会、たつの子、ほっぷ、はあとりんく)
◆受講生の感想
・個別指導の場でフィードバックさせて頂いています。ありがとうございました。
・重要なことが網羅されているため良かった。
・この講座のことを知っている人は限られていて、もったいないように感じました。
もっと広く知らせることができれば、・・・と思いました。
・日常、障害児・者にかかわっているが、より詳しく勉強を受けることができ、自分に自信を持ってかかわっていきたいと思いました。
・講座の満足度
「とても満足している」86.4% 「やや満足している」13.6%
◆運営協力 大阪LD親の会「おたふく会」兵庫LD親の会「たつの子」
Aボランティア支援員コース
◆会場:市川駅南公民館(千葉県市川市)
◆ボランティア支援員コース(11科目/12.5時間)
学校等で有償・無償のボランティアとして、学校長や担任教諭の指示の下で、
発達障害等の障害のある子どもの支援、保護者等に対する相談支援が行える者の養成
◆講師: 特別支援教育士SVを中心とした有資格者 8名
◆日程
第1日 2013年1月26日(土) 9:30〜17:40
第2日 2013年1月27日(日) 9:10〜17:40
平成24年度ボランティア支援員養成講座プログラム
2012年度ボランティア支援員養成講座案内20121115.pdf 2012年度ボランティア支援員養成講座プログラム.pdf◆受講者の属性:
一般: 18 名 (教員、支援員、介助員、塾講師など)
親の会会員:27名 (千葉コスモ、埼玉麦、けやき、にんじん村)
◆受講者の感想
・特別支援教育の専門家の先生方のお話はとてもわかりやすく、先生方の熱意ある講義が受けられるのはすばらしい機会でした。
・2日間の集中型が集中できて、良い面もあるが、間で振り返ったり、本を読んでみたり、考える余裕がないので、間に一週間あってもよかったかもしれない、と思いました。
・支援員として日々「これでいいのか」とかかわり方などで悩みながら働いておりましたが、
本講座を受講し、少し安心できたように思います。多くの支援員が不安を抱えながら働いているのではないでしょうか。
各市町村の担当の方々に本講座が開けるよう、広めていってほしいです。
・講座度満足度
「とても満足している」82%・「やや満足している」17%
◆運営協力 千葉発達障害児・者親の会「コスモ」
2.テキストの作成
一定レベルの特別支援教育支援員養成講座を実施することができるように、汎用的に使えるテキストを作成にとりかかりました
。2年間で完成する予定です。
<上巻の目次>
A.特別支援教育支援員としての業務や心構え
T 特別支援教育支援員の業務
U 特別支援教育支援員としての倫理・心構え
B.特別支援教育の基本的な考え方・理念
T 特別支援教育概論
C.主な障害の特性の理解
T 知的、身体、視覚、聴覚の障害
U 発達障害
D.学校・学級での支援の仕方、担任との連携の仕方
T 学校・学級での支援の仕方
U 担任との連携の仕方
E.子ども等への対応の基本
T 子どもへの対応の基本
U 障害のある子どもの心理 〜発達障害の心理的疑似体験〜
V ペアレント・トレーニングの視点
W 保護者への対応