「ひらひらの文化」の続きです。
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「Tシャツ展については、かなり根本的に考え直した
ほうが良いのではないかと思われます。企業その他の
主催でやっている写真コンペ等の場合では、まず入賞
賞品(金)にかなり多額のものが支払われており、それを
励みに応募するというパタ−ンです。
賞品(金)のほとんど無い場合は、全国的に配布されて
いる媒体に掲載されるという名誉を与えて応募欲をあおっ
ています。
それでも上記、両方ともそれほどの数が集まりません。
結構長い期間の根回しと、広報活動の上にやっと成り
立っているという状態です。そして、その上参加料の徴収は
有りません。参加料についてはTシャツ制作料であるという
言い分がありますが、写真を応募したい人とTシャツを欲しい
と思う人とは必ずしも一致しません。等々そこで、もっと大方町
の町民が参加できる方法を考えた方に意味が出てくるのでは
ないかと思われます。
例えば、大方町内の小・中・高生の日常の作品をTシャツに
プリントする。
ただし、この場合は当然プリント費用は主催者が負担する。
という風にしたほうが、町のお祭りとしての意味合いも深くなり、
当然町民の関心も高まると思います。
全国的な公募作業は、これらのお祭りの延長として、何年か
後に自然拡大していった方が無理なくできるような気がします。
いずれにしても、イベントや企画が独り歩きしないように、
我々が考えているイベントや企画がそもそも何の為に行われ
るのかという事を根元にいつも戻って考えなければと思います。
ご一考ください…。」
(このアドバイスは「Tシャツア−ト展」が確実に全国規模に
なった現在、もう一度考えてみる事かも知れません。)
しかし、私にはこのアドバイスにどうしても従えない「現場
監督としての見解」がありました。
それは、「主催者が全て費用を負担して、町の小・中・高生等
の作品を無料で制作し、展示するというような展開では、この
企画が長続きしない。」と考えたのです。それは「理念」からの
発想ではなく「現実」から感じる事でした。
例えば、1,000人の学生に作品を提供してもらい「Tシャツ作品」を
作成すれば、少なくても170万円必要です。それを継続して予算措
置する程、この町は文化的事業に寛大ではないのです。
また「無料だったら参加する。」「町の行事はタダが当たり前。」
という意識を持たれるのは、それが町民であろうと、町外の人で
あろうと、「汗を掻く者」としてたまらなく嫌でした。そこから「Tシャツ
ア−ト展」の将来は見えなかったし、第一私達の「やる気」が起こり
ませんでした。
「参加料を取って、参加者が増えれば、あわよくば儲けるかもしれ
ない…。」と考えた方が楽しかったのです。
つづく