翠風だより 第一号(1984年3月創刊)より
巻頭言 御垂示 「無端迎得大雄春」 余語翠巌 無端迎得大雄春 仰見最乗山骨新 雲出岫合風自静 結眉携手共遊真 端無くも迎え得たり大雄の春 仰ぎ見る最乗の山骨新なるを 雲岫を出で風自ら静なり 眉を結び手を携え共に真に遊ばん 端無くも迎え得たり大雄の春 どういう御縁か、思いがけず、山主の御役をうけて大雄山で新春を迎え得て感懐つきぬものを覚える。 仰ぎ見る最乗の山骨新なるを 最乗寺の山のすがた、大木立のたたずまい、何百年の時の流れを重くそこに見ることであるが、今晨戌午の光をうけて、新らしきすがたに輝いている。 雲岫を出で風白ら静なり 山肌から白雲が去来し、老杉亭々として、風常に幽なる景致、所謂俗塵を絶した境致、霊気満ち満ちたるたたずまい、孤高の境涯、それはそれで立派であり尊いことである。 眉を結び手を携えて共に真に遊ばん この道場は大衆信仰の道了尊の御加護による寺である。お互に無限の苦しみを共に苦しみ、無限の喜びを共に喜ぶ所である。その苦楽はそれぞれに人間であることに由来するものである。今の苦が無くなれば、それでおしまいというようなものではない。お互に眉を結びあうほど仲よくし、手をとって共々に真実の世界の中で遊化したいと念ずる元朝の思いである。 (昭和53年〔1978〕1月) |
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