謹んで新春をお祝い申し上げます。
もび〜るは旧年も、区民のみなさまから寄せられる外出に関するご相談にひとつずつ向き合い、また、福祉交通の最新の情報を収集して提供してまいりました。センター設立から15年を過ぎ、この間、福祉輸送に関する変化を追ってまいりましたが、昨年は、これまでにない形の波がきていると感じた年でした。
まず第一には、一般タクシーの配車アプリが急速に普及し、配車実績の9割を超えたことです。このため、もび〜るには「電話での予約ができない。」「駅のタクシー乗り場まで行ってもタクシーがいない。」という相談が多数寄せられました。昨今、新しい便利な機能・サービスが多方面で生まれていますが、使いこなせない方たちが取り残される場面が増えているのです。
また、交通は100年に一度の転換期を迎えているといわれ、脱炭素化の取り組みとして車の燃料をガソリンから電気や水素等へ切り換える流れが推進されていきます。カーシェアリングの普及、高齢者の運転免許返納、若い世代の免許取得の減少によるマイカー所有率の低下。ドライバー不足の補完や、安全のための自動運転車両の導入の加速など。そう遠くない未来に大きな変化が続くと予測されています。こうした中で、杉並区は、「地域公共交通計画」で行政として取り組むべき課題と施策を整理しました。1月1日〜2月6日までパブリックコメントが行われますが、その案の中に「公共交通と福祉交通との連携強化」として、「外出支援相談センター(もび〜る)と地域の移動課題や移動需要を共有するとともに、課題解決のための施策をともに検討する」と書き込まれました。だれもが自由に外出できる社会の実現のために、もび〜るがすべきことは何か。これまでとは違う発想で考えていかねばならないと身の引き締まる思いです。
本年もメンバー一同、一層の努力をしてまいりますので、どうぞ皆様の変わらぬご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
最後になりましたが、この1年が皆様にとりまして佳き年となりますよう、心より祈念申し上げます。 (センター長 秋山糸織)