トゥギャザー! 低炭素杯2018が開催されました。 [2018年02月22日(Thu)]
2月15日(木)に皇居・大手門近くの日経ホールで第8回低炭素杯2018が開催されました。今回で開催8回目を迎える低炭素杯は地球温暖化防止に挑む学校・非営利団体・企業・自治体等の取り組みを発表し、日本一を競う大会です。昨年より、有名人がアンバサダーとなり特別賞を授与します。今回はルー大柴さんでした。日本語と英語をトゥギャザーしたコメントは大いに会場を沸かせました。
宮城県からは2つ、宮城県農業高等学校と仙台市が1,167の応募から選ばれるファイナリストの30団体に入りました。学生部門で環境大臣賞に輝いた宮城県農業高等学校 科学部復興プロジェクトチーム(以下より宮農)から紹介します。 宮城県農業高等学校 科学部復興プロジェクト 「津波地域を変える桜・バラと食物連鎖を用いた低炭素社会の構築」 ![]() 受賞者全員とのフォットセッション、宮農の方は最前列右端・ルー大柴さんの隣のお二人 ![]() 2011年3月11日津波に襲われ学校は全壊しました。でも、津波から奇跡的に生き延びた桜があったのです。これを未来の残したいと当時の有志が復興プロジェクトチームを結成しました。しかし、道のりは平たんではありませんでした。なぜなら津波被害があったため土壌の回復には1000年を要すると言われています。なんと! ![]() ![]() ![]() ![]() 津波(マルチ(黒いビニール))が桜の木を襲い、なぎ倒される 農業高校らしい発想と知識で津波被害を受けた土壌改良の問題を早い段階で解決。それ以後、行政・農業法人、ボランティア団体を巻き込んで桜の植栽を行ってきました。震災から満7年を迎える2018年の現在では植栽や管理は7つの地域約500名、4団体と連携しています。 ![]() ダンゴ虫のフンには土壌微生物が多く含まれる 桜は復興のシンボル 復興のシンボルとして植栽された桜は被災沿岸の草木がない灰色の風景を華やかな色彩に染め上げるはすです。そして、風に吹かれて舞う薄ピンクの花びらは毎年復興を祝う桜吹雪になるでしょう。 ![]() ![]() 式典を終えて会場入口で記念撮影、緊張がほどけました様子の皆さん 環境防災都市・仙台市 「エネルギー自律型まちづくりの推進について」 優秀賞を受けた仙台市はエネルギー自律型まちづくりに推進に含まれる2つ項目をプレゼンしました。1つは防災対応型太陽発電システムの導入による拠点づくりです。 2011年3月11日の東日本大震災の際に大規模・集中型のエネルギーシステムの脆弱さが露呈しました。仙台市内全域が停電になり、指定避難所も真っ暗でした。そのため、トイレの入り口にロウソクを灯して職員が寝ずの番をしたそうです。電気がないと避難所運営が一層困難になるという教訓から、防災対応型太陽光発電システムが導入されました。 ![]() 東日本大震災では仙台市内全域が停電=避難所も停電 太陽発電と蓄電池を組み合わせた設備は災害時と平常時にそれぞれの利点を兼ね備えています。災害時には停電が長期化しても電力供給の継続が出来ること、平常時には太陽光発電で年間約1,150トンのCO2削減が可能です。自律型まちの拠点となる指定避難所(小中学校など194ケ所(現在は196))に設置済です。 ![]() 指定避難所が真っ暗闇にならないように ![]() ![]() 屋上に設置された太陽光発電パネル ![]() 2つ目はエコモデルタウンプロジェクトを通してのコミュニティーづくりについてでした。自立したエネルギーの確保と高いエネルギー効率と経済性を兼ね備えた復興公営住宅をエコモデルタウンとして紹介しました。また、住民向け環境学習会等をとおしてコミュニティーづくりに取り組む様子も大きなスクリーンに映し出されました。 ![]() 環境学習会:LEDランタン作成 ![]() 2011年3月11日の東日本大震災で甚大な被害を受けた仙台市はしなやかで強靭な「防災環境都市」を目指します。構築を支える3本柱に低炭素があります。今後の進捗も目が離せない仙台市です。 ![]() プレゼンされた仙台市職員のお三方 ファイナリストはどの団体も素晴らしい内容です。地域によっての地方色が出たり全国的に共通する傾向がありました。これは、全国から選ばれ団体が一堂に会さないと分かりません。このような機会に参加でき大変勉強になりました。 仙台市の取材ブログはこちら https://blog.canpan.info/stopgwm/archive/372 宮城県農業高等学校の取材ブログはこちら https://blog.canpan.info/stopgwm/archive/368 (スタッフ 三浦) |