気候変動の影響への適応計画セミナー
「気候変動とこれからの私たちの暮らし」報告
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日 時:1月19日(木)13:30〜16:50
会 場:TKPガーデンシティ仙台勾当台 ホール5
講 師:網岡 孝夫 氏(環境省 地球環境局 気候変動適応室 環境専門調査員)
渕上 隆雄 氏(仙台管区気象台 気象防災部 地球環境・海洋課 地球温暖化情報官)
長谷川 利拡 氏(国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構 東北農業研究センター 生産環境研究領域 農業気象グループ長)
参加者:52名
主 催:環境省東北地方環境事務所
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近年の異常気象といわれる猛暑や豪雨などは、温室効果ガスによる地球温暖化を原因とする気候変動が大きく関係しています。
温室効果ガスを減らすためには排出を抑制する「緩和」を確実に進めることが大切です。
その一方で、どうしても温暖化の影響を避けることは難しいとも予想されていることから、「適応」の推進が不可欠となっています。
こうした状況を踏まえ、気候変動の影響への適応計画の説明、有識者による講演などを行ない、地域における適応の取組促進を図るため、環境省東北地方環境事務所が主催のセミナーを開催しました!
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網岡 孝夫 氏
環境省の網岡氏からは、、「適応」とはなにか、2015年11月に閣議決定された「気候変動の影響への適応計画」の基本的な方針について説明してもらいました。
また、2016年8月に設置された個人の適応への行動や、対策などが掲載された情報コンテンツ「
気候変動適応情報プラットフォーム」について紹介してもらいました。
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渕上 隆雄 氏
仙台管区気象台の渕上氏からは気象台の観測データを見てみると東北地方では
・夏日(日最高気温25℃以上)の日数が増加
・冬日(日最低気温0℃以下)の日数の減少
・桜の開花日が早くなり、・楓の紅葉日が遅くなっている
といった変化がでているそうです。
さらに、今世紀末のシミュレーションでは、
・真夏日や猛暑日が増加し冬日と真冬日が減降水日数が減少
・1時間に50mm以上の非常に激しい雨が降る回数が高くなる可能性がある
といった可能性があるとのこと。
また、近年の雨の降り方が変化していることからそれをどう市町村、市民に伝えるのかといった防災気象情報の改善への取組についてもお話してもらいました。
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長谷川 利拡氏
農業研修センターの長谷川氏からは主に気候変動による作物生産への影響についてお話してもらいました。
二酸化炭素がが増加することで作物生産の収量が増加傾向になる反面、外観品質の低下や気温上昇によってその増収効果が低下されるという予測があるそうです。
適応については、既存の技術や品種の組み合わせで対処することや新たな品種や技術の開発だけでなく、地域・産業・政策レベルで対策が必要であるとのこと。
参加者は講師の話を熱心に聞いている様子が見られ、質疑応答の時間には多くの意見・質問が寄せられました。
また、休憩時間やセミナー終了後も参加者と講師が話をしている姿を見ることができ関心の高さが伺えました。
温暖化対策のために「緩和」を進めていくのはもちろんですが、避けて通ることができない影響も今後でてくる可能性があります。
それに対して、私たちはどのような「適応」をしていかなければならないのかも重要です。
最後に、今回のセミナーでは「カーボンオフセット」も実施しました!
「カーボンオフセット」日常生活などにおいてどうしても避けられない温室効果ガスの排出について、その量に見合った削減活動に投資などをすることによって、埋め合わせをするというものです。
今回は、講師及び事務局の移動、また会場の使用によって生じるCO2を宮城県登米市の米川精算森林組合が創出したJ-クレジットによってオフセットをしました。

(スタッフ 吉田)