基礎から学ぶ国際会議1 [2012年02月02日(Thu)]
「聞く・話す・知る わたしと世界とオンダンカ〜基礎から学ぶ国際会議〜」を開催しました!
日時:2012年1月28日(土)13:30〜16:00 会場:仙台青葉カルチャーセンター 講師:平田仁子氏(NPO法人気候ネットワーク) 報告者:佐藤剛(ストップ温暖化センターみやぎ運営委員) 江刺家由美子(ストップ温暖化センターみやぎリーダー) 内容:昨年の11月末から約2週間開催された、地球温暖化に関する 国際会議「COP17」について、会議の目的や話し合われている内容、 COP17の結果などを紹介 参加者:21名 はじめにストップ温暖化センターみやぎからCOP17に行った2人より、 現地の様子や他国のNGOの活動について紹介しました。 普段は見る機会の少ない、南アフリカの町並みや人々の様子。 また、若者のパフォーマンスやカナダに対する抗議の様子などの紹介もありました。 「若者の活動している姿を見て衝撃を受けた。 自分がCOP10に参加したときよりも参加している若者が多く感じた。」(20代・女性) ![]() ![]() ![]() 次に、地球温暖化の国際交渉の専門家で、気候ネットワーク東京の事務所長である平田仁子氏から、COPや国際会議の基礎的なお話、COP17の結果や今後の見通し等についてお話をいただいた内容をQ&A形式でご紹介します。 ■気候変動問題は今どのような状態? 気温上昇を産業革命前から「2℃」未満に抑えることは各国共有の目標ですが、 各国が示す2020年目標では大きなギャップがあり、このままでは4℃上昇の 破局のシナリオとなってしまいます。「2℃」未満の目標を達成するためには、 各国が示す2020年目標プラス60〜100億トンの削減が必要です。 ■COPではどのようなことが話し合われている? 京都議定書をもとに下記の論点で会議が行われています。 ・先進国の削減義務・・・先進国全体で40%の削減に届く目標に合意すること ・途上国の削減行動・・・中国やメキシコ、ブラジルなどの主要な途上国の 排出抑制を進める方法 ・森林減少の抑制・・・途上国の森林減少によるCO2排出を止めること ・技術開発・技術移転・・・途上国の発展を「低炭素型」の発展に切り替えるため ・適応・・・特に影響を大きく受ける低開発国に、すぐに支援できる仕組み ・資金メカニズム・・・膨大な資金を捻出する仕組みと「立ち上げ資金」の確保 ![]() ■COP17(ダーバン会議)で決まったのは? 1.京都議定書第2約束期間の合意 ・・・法的拘束力ある削減の仕組みである京都議定書を続ける 2.包括的な法的文書(議定書)づくりへのプロセス ・・・2015年までに米中を含む新しい議定書(あるいはそれに類するもの)を作り、 新たな枠組みは2020年からスタート 3.カンクン合意の運用化 ・・・削減目標を立てたり、報告書を隔年で提出したりはするものの、 自主的な取り組みを行う ■日本はどのような立場? 日本は京都議定書の義務を負わない「フリーライダー」の仲間入りです。 京都議定書の下で義務を負わず、2020年から新しい議定書が始まるまでは 途上国と同じ「自主的な取り組み」やっていくという方針です。 アメリカ、カナダ、ロシアも同様に、削減義務を拒否した先進国です。 ■日本はどうするべき? ・「フリーライダー」となることのリスクを認識する ・原発CDM(クリーン開発メカニズム)の方針の取り下げ ・先進国の責任として国際義務を引き受け、率先行動をとる ・野心的な目標達成へ向けた排出実態の把握と評価への対応 平田さんのお話が始まると、参加者の皆さんは大変熱心に耳を傾けていました。 会場からは笑いが起こることも。 基礎から学ぶ国際会議2に続きます。 |