昨日、スクールソーシャルワーカーの仲間たちと
勉強会をしてきました。
今回の勉強会のテーマが
「私にとってのスクールソーシャルワークとは」でした。
どれだけ長くソーシャルワークの仕事をしていても
ソーシャルワークとは何かへの問いかけは
ずっと続くものだなと感じる時間でした。
さてこれから現場に出るみなさんにとって
ソーシャルワークとは何なのか
メールで届いたレポートを紹介していきます。
○のんちゃん
ソーシャルワークは相談援助を行うことなのではないかと思う。人がよりよく生きていくことを目指して、社会や人を取り巻く環境に問題があればその問題を利用者と一緒に解決していくことなのではないか。今まで学習してきた例を取りあげていうと、精神障害者の方は偏見や差別に悩まされている。精神障害者の方がそのような誤解をなくしたいと思っているのならば、誤解を取り除けるように社会に働きかけていき、精神障害者も生きやすい社会にすることがソーシャルワークなのではないか。一方ケアワークは身体介護を通して行うものなのではないかと思う。
人間として生きていくうえで必要な生活上の様々な行動(食事、排泄など)が困難な人に対する援助のことではないか。私は実際介護等をした経験はないが、お年寄りの方、もしくは身体障害を持っておられる方にとって介護はなくてはならないものだと思う。ソーシャルワークとケアワークではこのように行う内容は違ってくるが、利用者をなんらかの形で援助するという面では違いはないのではないかと私は思う。
○りか
ソーシャルワークとケアワークの違いは、簡単に言うとソーシャルワークは利用者の周りの環境に焦点をあて、調節を行う、ケアワークは利用者と密接にかかわり利用者自身に働き掛けるだと考えます。
今回私がケアワークでのトラブルというテーマで発表したのでその時のテーマで考えると、子どもの問題行動に対して、ケアワークの視点でみると、問題に対してどのような対応をすればよいか、どう対応すれば問題行動はなくなるかといった考えが出る、ソーシャルワークの視点だと、どうして問題行動を起こすのか、問題行動をなくすためにどこに働き掛けたらよいかと本人にも働き掛けることももちろんあるが、環境や背景に焦点を当て、お母さんや生活環境といったところを変化させていく、といったような違いがあると私は考えます。
○めぐりん
私は、ソーシャルワークとケアワークの違いは、働きかける対象が違うということではないかと考えます。今、私は重症心身障害児施設でアルバイトをしています。そこでは、毎日、食事や入浴やその他、その人の生活の細かい一面一面に直接かかわり、その人のもっている能力を最大限に活かせるような支援計画と実践がおこなわれています。この、直接かかわり実践していくのが、ケアワークなのではないかと考えます。
それに対してソーシャルワークは、まわりの環境に働きかけて、そういった障害をもった人と社会をつなげるものではないかと考えました。施設でも、ボランティアの受け入れや、地域行事への参加を行い、障害をもった人の暮らしやすい社会を創る取り組みが行われています。このように、人を支援するにあたって、直接その人に働きかけることとまわりの環境へ働きかけることは、どちらも大切なことです。両方の視点をもった支援を実践していけるように心がけようと思います。
○こにたん
いろいろな考え方がありますが、「相談援助」という形で話し合いを通して行うのが「ソーシャルワーク」、そして「介護」という形で主に身体介護を通して行うのが「ケアワーク」ではないかと思います。事例とか難しかったのですが、ケアワーク→ソーシャルワークこの流れで行われていて、支援の中でこの流れはとても大切で途切れてはならないことだと思います。しかし、ホームヘルパー2級の実習の時感じたのは、この流れってすごい難しくて、膨大な時間が必要なんやなとおもいました。
○かな
私は現場実習に行くまで、ケアワークは、介護など目に見えた生活のサポートを行うことで、ソーシャルワークは、介護だけではなく、相談援助など臨床的なサポートを行うことだと思っていた。しかし、現場実習に行くとケアワークとソーシャルワークは業務は違うのであるが、別で考えるのではなく、連動させなければならないことだと考えた。職員さんをみていると、受容・共感・統制された感情表現など、援助技術の原理を用いながらコミュニケーションを取って対応している。そして、落ち着いたら、生活のサポートなどを行っている。このように、日常業務は、ケアワークとソーシャルワークが連動しているのであると気づかされた。福祉施設の業務がソーシャルワークとケアワークの違いというよりも、意識していかに用いるのかどうかが大切なのではないかと考える。共通基盤を踏まえた上で、ケアワーク、ソーシャルワークを目配りせしてこそ、施設職員の専門性が発揮されることだと考える。
○かや
私は、社会全体やシステムのような大きな規模を援助していくものがソーシャルワークで、個人や家族などの小さな規模を援助していくものがケースワークだと考えている。
例えば、不登校の子どもの事例から考えると、学校やクラスが原因で不登校となってしまった場合、学校やクラスの環境やルールを変えたり、考え直す必要がある。そのような場合はソーシャルワークと考える。不登校の原因が、子ども自身の気持ちや心の問題、もしくは、家族の問題だとすれば、子どもや家族との話し合い、カウンセリング等が必要である。そのような場合はケースワークだと考える。
問題やトラブルは、人やケースによって本当に様々で、不登校の問題にしても、学校もクラスも家族も自身の気持ちも、すべて含めて原因になっていることなんてたくさんあるだろうから、一概に何がソーシャルワークでケースワークかという答えは出せないが、大きな規模の援助、小さな規模の援助というイメージが強い。
○ふじむー
なかなか上手く表現できないのですが、ケアワークは介護や身辺介助といった介護福祉士寄りのイメージで、ソーシャルワークは寄り幅広く、アセスメントやプランニング、相談業務を受け持つ社会福祉士寄りのイメージです。
私の祖母の例でなら、病院についていったり、布団をひいたりといったことがケアワーク、手すりをつけるときの説明や相談はソーシャルワークといった感じだと思います。
○かおりん
児童養護施設に実習に行ったときに、とても悩みました。ケアワークになってしまわないように、ソーシャルワークの実習をしなさいと指導を受けました。そして考えたのですが、子どもたちを起こす、洗濯物を洗って干す、という行動がケアワーク。そこから、起こした時の様子がおかしかった、何があったのだろう、少し様子を見よう、後で声をかけて見ようと考え行動する事。洗濯物を洗ってあげるだけでなく、洗濯機のまわしかたを教える、干し方のコツを教えるなど、相手のこれからのことを考えて教える、自分でやるように促してみる。このことが、私が実習の中で出来たソーシャルワークなのかなと思いました。
間違っているかもしれませんが、ケアワークという言葉は、世話をするというような援助などを指す言葉であり、限定された狭い物事を指しているように思います。反対にソーシャルワークとは、お風呂や排せつなどの介助はもちろん、子どもたちの自立に向けての指導、障がいを持つ人への利用できる施設の紹介など、広い物事を指していると感じました。
○お春
ソーシャルワークとケアワークは重複する部分も多いことやその定義そのものの線引きも曖昧であるが、大きな相違点としては、アプローチの対象がソーシャルワークの方が幅広い、あるいは枠にとらわれないという点にある。ケアワークが利用者への直接的な援助を行うのに対し、ソーシャルワークはそれらに加え、環境や利用者と環境との接点への働きかけも行う。
例えば、自宅にひきこもっている精神障がいのある方の支援において、ケアワーカー(ヘルパー、介護福祉士など)は直接生活に介入し介護や家事援助など生活場面で即応的な支援を行うのに対し、ソーシャルワーカーは相談という個別的な関わり方からニーズに応じて働きかけの対象を広げ、家族や当事者グループ、医療機関、福祉事務所、就労支援機関など様々な社会資源へと働きかけ、それらと利用者との調整を図る。また、特定の利用者への働きかけだけでなく、全ての人々に関わる社会そのものへの働きかけを行うのもその特徴である。
つまり、ソーシャルワークは今の社会のなかで生きづらさを抱える人たちが自分らしく尊厳をもって生活していけるようにするために、必要に応じて柔軟な手法でそれらを実現していくことが求められると考える。
○あっきー
ケアワークとはその方の生活自体に働きかけていくもの、ソーシャルワークとは、その方を取り巻く環境に働きかけていくものではないかと考えます。ソーシャルワークに関しては実習が社協であったため、感じる部分が多かったです。長年藁ぶき屋根の家に住んでおられる知的障害を持った男性のケースがあったのですが、その方の屋根の風化が進み住み続けられる状況でなくなっていたのですが、本人の「家に住み続けたい。」という思いを汲み取り、家を住み続けられる環境に保つための支援が行われることになりました。その際には民生委員の方を介して地域の藁ぶき屋根の職人さんに呼び掛けたり等、環境への支援のために福祉の機関関係なく、様々な機関との連携による支援がソーシャルワークではないかと思います。ケアワークは個別支援計画等、その方の生活に支援し、生活スタイルから本人に働きかける支援ではないかと思います。