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第2回CBT専門家委員会 [2023年03月21日(Tue)]

今日は自分と地域密着型エコツーリズムの5人の日本人専門家で構成されている専門家委員会をオンラインで開催しました。
皆多忙で2時間確保できるのが今日のその時間しかなく、自分の場合は21日からパラオで実地検証を行うために、20日はパラオから参加しました。

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多くの方が忘れてしまっていますが、昨年の今頃はパラオでもコロナの感染拡大があり、このプロジェクトも遠隔で機運維持が半分、年度後半に人の往来ができることを期待して少しずつの現地活動が半分という状況でした。

前回の専門家委員会は昨年7月下旬に開催し、当時自分はこのプロジェクトではコロナ禍以降初めてパラオに来ていて2日後に帰国というタイミングでした。しかしその翌日にコロナ陽性となり、酷い倦怠感の中、10日間パラオのホテルで自己隔離とこのプロジェクトの先行きが不安な状況となりました。

ちなみに、自分はザンビアでマラリア4回、フィジーでデング熱1回、パラオでコロナに1回かかったことになりました。もうなりたくありませんが。

当時パラオの人たちも既にコロナへの恐怖感は無くなっており、コロナから回復してからは、国内でのインターンシップ計画を推進し、パラオでの全体の活動構造のゼロベースでの見直しを図りました。パラオ国内では常に細かな軋轢があるのですが、そこは思い切って自分が間に立つようにし、再構築し今に至ります。

自分は別に優しくないし、むしろ現地の人々に主体性持たせるために多少厳しくするように変えました。あとは機会を提供するので活用するもしないも現地次第。

台湾が排除されパラオは加盟していない太平洋地域観光機構(SPTO)、台湾版JICAの台湾ICDFともそれぞれ個別に自分のところとの関係が再開し、先日のワシントンDC訪問時には偶然現地を訪問中だったハットリ博士率いるハワイのイーストウェストセンター/PIDP(Pacific Islands Development Program)とDCの同センターで非公開の会議を行い新たな関係が作られました。

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しかし、足下を見れば、まだ本当の成果は得られていません。今は失敗の恐怖感とプレッシャーを感じながら地域の人々の主体性を築きつつ、遅くならないうちに卒業し自立してもらえるよう進めています。

実際の現場の活動は、人を相手にするものであり、浮き沈みがあり、試行錯誤の繰り返しです。そんな中、今回の委員会メンバーは、皆、論文や報告書を書くだけでなく、実践者でもあるため、そのような難しさを共有でき助言をいただけるので大変心強い。
緊急対応 [2023年03月21日(Tue)]

今日は終日予定があったのですが、現地の問題でキャンセルとなりました。
一方、昨晩一眠りしたあと、ブログに投稿し、昨日の委員会メモを作り送付したのが4時過ぎ。

次いで、経理に関わる外部(パラオ)からのある資料を見直してみると、大丈夫だと思っていたものがダメだとわかり、まずは修正しなければならないものの抽出から始めました。全部で50個以上対応が必要とわかり、年度末ギリギリで気持ちパニック。

幸運だったのは、自分が現地にいて担当者と直接対応できることで、7時過ぎに連絡し、8時過ぎに速攻で朝食とシャワーを済ませ、分かりやすくした資料を整え、9時過ぎから臨時会議開始、先程11時過ぎに終わりました。

ちょっと疲れたので、一休みし、午後に備えます。

しかし、今日予定がキャンセルとなって助かりました。
アイライ実地検証 [2023年03月22日(Wed)]

今日8:30〜15:00、パラオのアイライ州とともに地域密着型エコツーリズム案の実地検証を行いました。
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アイライ州が我々のコンセプトを活用するのは4年ぶりで、その期間、異なる種類のツアーを実施してきました。

今回の検証では、その異なるツアーの影響があり、少し難しさを感じました。今後、どうすればいいか悩みます。コロナ禍で失われたものが多い。

前途多難。

ここまでの流れは、コンセプトの確認、フェノロジーカレンダーを利用した観光資源の抽出、ツアープランの作成で、今回そのプランを実地検証するというものです。

この後、さらに3つの州で検証を行いますが、まずは彼らのプランに沿って、ここからがスタートということになるでしょう。
マルキョク実地検証 [2023年03月23日(Thu)]

今日は8:00〜16:00、マルキョク州で地域密着型エコツーリズムの彼らが構築したツアー案の実地検証を行いました。
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マルキョク州には過去何度も訪問していますが、我々の観光プロジェクトに参加し始めたのは世界的なコロナ禍になって以降で、今回、初めて実地検証を行うことができました。

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これまで知らなかった話が聞けたり、これまで断片として聞いていたものが繋がったりで、どんどん頭の中がスッキリしていきます。

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州の担当者、メイスと言いますが、大変謙虚な勉強家で、伝統的権威を含む地域の人々をしっかり巻き込んでいました。

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神話時代から現代まで、一貫性を持ったツアーで、これまで単に目に入っていたものが、意味を持ち始めました。

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間違いなく、神話と伝統的社会と現代社会が繋がっています。

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マルキョクのラグーンは、13年前、保護区になる頃にシュノーケルで視察したことがありますが、当時は土壌堆積物が広く多い、あまり生き物がいない砂漠のような印象でした。

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その後、完全禁漁の保護区となり、今日は上からでも多くの魚が確認できました。これはおそらく、以前フィジーの市場で買って一夜干しにしていたサヨリの仲間で、初めて泳いでいる姿を見ました。きれいだしかわいい。

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昨日の現地検証で、また概念の理解から始めなければならないし、時間も足りないので諦めることも考えましたが、今日はこれまで伝えてきたものがしっかり伝わっていたことが確認できました。

しっかり準備してくれたメイスと、メイスのアイデアに協力していただいた伝統的権威、知事、議員、コミュニティのお母さんたち、青年男子グループ、裏で支えていたケビンのおかげで、大変良い経験ができました。

マルキョク、頼もしい。
太平洋島嶼国のガバナンス問題 [2023年03月25日(Sat)]

パラオではないのですが、ある小島嶼国について、20年前に聞いていた問題がいまだ続いていると聞きました。


近年の中国の影響力拡大を背景とする先進国の支援拡大の一方で、受ける国によっては、ガバナンスが追いついていないケースもあるのかもしれません。
そのような国では腐敗に繋がる可能性があるため、ドナー側に資金があるとしても、実際のプロジェクトの可否を判断する立場の機関や人は、安易に承認することはできないでしょう。しかし、場合によっては、そのような国から逆ギレされたり、首脳や閣僚レベルに政治問題化させるぞと囁かれることもあるかもしれません。

実際には、腐敗を避けるのは当然で、要件を満たすよう真面目に取り組む国が多いと思いますし、そういった国では次々と新しいプロジェクトが成立したりします。これに対して、ガバナンスが弱い国は、なかなかプロジェクトが成立しないため、またドナー側に不満を持つということもありそうです。

長年、さまざまな開発パートナーが太平洋島嶼国の人的キャパビル支援をしていますが、まだまだそう言った協力が必要なのだと思います。

大きな地政学的競争の嵐の中で、単に援助額が増えれば良いというわけではなく、同時に現地のガバナンス向上という考えを忘れないで欲しいものです。
ガードマオ実地検証 [2023年03月27日(Mon)]

昨日3/25、8:00-16:00、パラオのガードマオ州で地域密着型エコツーリズムの実地検証を行いました。

まずはボーキサイト鉱ツアー
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パラオで日本がボーキサイト採掘を始めたのが1934年と言っていたので、次の流れを思い返しました。

1914 第一次世界大戦
1920 パラオの委任統治開始
1931 満州事変
1933 国際連盟脱退
1934 パラオでボーキサイト採掘開始
1937 日中戦争
1941 太平洋戦争
1944 パラオの戦い
1945 終戦

次いで、今の人々の生活に近づく。

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パラオに最初に人が住み始めた時期が4000年前まで遡るとの話がありましたが、今回タロイモに近づいたことで、流れ着いた人たちは、タロイモを持ってきていたのではないかと思えるようになりました。

タロイモがミステリアスで興味深い存在になりました。
ガラロン実地検証 [2023年03月27日(Mon)]

昨日3/25、ガードマオから宿に戻り、小休憩後、年度末ゆえの業務を行いましたが、ひと段落ついたのが午前3時。しかし寝付けず、45分ほどの睡眠で朝に。
そのまま、3/26、7:45-17:45 ガラロン州で地域密着型エコツーリズムの実地検証を行いました。

昨年4月に行ったとき時は今ひとつでしたが、今回は神話、伝承、歴史、文化、自然、食、そして人ととても興味深い内容でした。今後が期待できます。

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今回の一連の実地検証で、州ごとにコミュニティの雰囲気、人の性質の違いがあることがよくわかりました。
ラップアップ会議 [2023年03月27日(Mon)]

3/26、17:45に宿に戻り、18:00から会議。いくつかの気づきを共有しました。

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今こそ、国や開発パートナーなどが実施して残してきた資料を活用するときです。彼らの進歩を期待しています。
帰宅 [2023年03月27日(Mon)]

先ほど帰宅しました。明日1日休みをいただいたので、リセットし、次の取り組みに進みます。

パラオからグアム着が午前5時、午前の乗り継ぎ便がないため、夕刻5時の便にすることで乗り継ぎ時間を長めにし、一度空港近くのホテルで寝ることにしました。

5時半過ぎにチェックインし、すぐに寝て、12時前にチェックアウト。5時間寝られたので体の調子がだいぶ整いました。空港に12時過ぎに到着して、4時間ほど出発ロビーで仕事をして定刻に出発。フライトは4時間弱で、機内で2時間ほど仕事をして、成田着。

Spotifyで、One Way Streetというプレイリストを作り、若い時から聴いてきた洋楽で好きな曲を追加して行き、今、全部で9時間程度。いつまで経っても全部は聴けませんが、今回の出張でかなり助けられました。

さて、成田に予定より若干早く到着したものの良い時間にNEXがなかったので、スカイライナー、JRと乗り継いで到着。見上げると桜が満開。お酒と肴を買って、先ほど帰宅しました。

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報告書がまだ半分程度ですが(米国出張は終了)、今回は米国出張もパラオ出張も次に繋がる実のあるものとなりました。

パラオでは、彼らを信じて、彼らの自主性を引き出そうとしたギリギリの姿勢に対して、彼らが本気で応えてくれました。相手が本気なら、こちらもますます本気になります。上下関係ではなく、同じ土俵で取っ組み合う感じ。心はいつでも「がんばれ!ベアーズ」。
太平洋島嶼国出身大学院生との意見交換 [2023年03月30日(Thu)]

3/29、笹川平和財団で、太平洋島嶼国出身の大学院生と日本・太平洋島嶼国関係や太平洋島嶼国の課題について、ある意味ランダムに意見交換を行いました。皆さん、学生というよりも実務経験もある大人として、参加していただきました。
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マリニさん、ダイアンさん、マヌさん、ミキさん、ファアフェタイさん、ありがとうございました。

先日の国連代表部での意見交換、現地太平洋島嶼国での意見交換、そして今回の国内にいる留学生との意見交換により、改めて太平洋島嶼国の形が見えてきます。

今後もこのような意見交換を続けていきたいと思います。