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あけましておめでとうございます! [2023年01月02日(Mon)]

あけましておめでとうございます。
今日は、朝、神棚を整えたあと、1時間ほど走り(この長さは数カ月ぶり)、お雑煮を作り、ゆっくりお酒を飲みながらNetflixとSpotifyと読書で過ごしました。

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11月にクック諸島ラロトンガから持ち帰った現地の画家によるアクリル絵の具の作品と。2年ほど絵を探していましたが、クックで見つけました。

ニースで見たマティスのブルーヌード(本物でなくどこかの通りでみたもの)、ロンドンでみたルブランの麦わら帽子の自画像(若いときこれをみてロンドンからパリ、ニースと、路上で演奏してまわった)を超えるものを探していました。


さて、自分は基本的に崖っぷちに立っている感覚があるのですが、今年はいろいろなものを形にしていかなければならない1年だと思っています。

今年もよろしくお願いします。
フィジー、新しい時代への過渡期か [2023年01月06日(Fri)]

PACNEWSが年末年始休暇に入っているため、ここに書いておこうと思います。

フィジーではランブカ首相の下、100日間の前政権レビューが進められています。一方で、ランブカ首相は野党フィジーファーストおよびバイニマラマ前首相に対して国を前進させるために、課題に応じて共闘するよう呼びかけていました。

野党フィジーファーストの方では、議会野党党首としてバイニマラマ前首相がSNSなどを通じて例えば新政権による政府職員の雇用や幹部レベルの進退に関わる動きに関して懸念を表明しています。脅されたというクレームも受けているとしてランブカ首相を非難する部分もありました。しかし、この発言は国内の人々の対立を煽るものだとして、与党側が反応しており、今日のランブカ首相の声明では、バイニマラマ前首相に対して証拠を出すよう要請し、証拠が出せないのであれば法的措置を行うと述べていました。

フィジーファーストNo.2のサイエド=カイユム前司法長官については、バイニマラマ前首相が同氏を憲法評議会メンバー候補としたことで、憲法規定(議員は政府の公職に就くことはできない)により議員資格を失いました。これを受け、バイニマラマ前首相はカイユム氏を取り下げNFPの前議員を推薦しましたが、時すでに遅し。カイユム前司法長官は議員資格を失った上、憲法評議会のメンバーからも外れてしまいました。

バイニマラマ前首相は、自身が議会で、カイユム前司法長官が議会の外から、新政権に対峙するとしていますが、カイユム氏はフィジーファースト党の役職からも離れる必要があるとのこと。これに対し、現地では、フィジーファーストは彼らが主導して作った2013年憲法の罠に自らはまってしまったという声や、カイユム氏が公的立場から徐々に離れるためにわざととった策略だという声もあるようです。なお、カイユム氏は、選挙後にインド系住民が被害にあっているといった虚偽の話を流布したとして、フィジー警察の参考人とされています。現在豪州に滞在中ですが、帰国次第、参考人として身柄が拘束されるとの通達が出ています。

3党連立政権は試行錯誤もあり、大臣により(19名が大臣)問題もあるようですが、一方で、最大政党としてゆったりと構えるとみられていたフィジーファーストが自壊し始めているかのようです。
ALPS処理水に関するPIF事務局の強硬な態度に関するニュースについて [2023年01月12日(Thu)]

今朝、黒崎さんがFBにあげていたので、確認してみました。

https://www.rnz.co.nz/international/pacific-news/482298/pacific-island-forum-could-sideline-japan-over-nuclear-waste-plan?fbclid=IwAR2S5asmQ0b1tECGKZ76gKNkTxrYHx6kG-hcvCWTDRdhHATAoEvNWW2d2i0

指摘したい部分がたくさんありますが、できるだけ簡潔に書いてみます。

・PIFは国と対等に対話する外交権を持つ機関ではない(加盟国とは議長国を中心に各国外交ルートや、加盟国が指定した窓口とやり取りを行う)
・PIF事務局は、事務局長の下で、加盟国首脳が合意した指示に基づき行動する機関。域外対話国云々も事務局長には決める権限がない。
・PIF事務局として、加盟国の意思を超えた発言や行動はできない。加盟国の外交権や政策決定権の上に立つものではない。権限がないだけでなく、守秘義務もあいまい。
・PIF事務局が日本に直接対応や情報を求めた場合、上記の関係から、日本は直接情報を提供する関係にない。例えば、海外のNGOが日本政府と交渉したり、情報提供を求める場合と似ている。米国やPIF加盟国の正式な外交ルートを使えばよいのではないか。
・記事では意図的に核廃棄物投棄と言っている。
・日本はIAEAの調査も受け入れており、IAEAの報告書を待っている段階で調査団にはマーシャルの専門家も加わっているはず。PIF事務局が意図的にこの過程を無視しているように見える。
・日本は太平洋島嶼国各国と二国間関係を有しているので、域外対話国メンバーの立場がそれほど価値があるものではない。反対に、現地との関係が薄い国々と同列に扱われていることから、外してもらっても問題ない。むしろ、拠出金を支払わなくて済むし、PIFを通じた地域支援(管理費が20%以上と高い)も行う必要がなくなる。


他にもありますが、全体的に日本をなめてるという点と、日本を本気で怒らせるなよと言いたいところです。日本は国際基準に則り、さらにそれからより厳しい基準の下で時間と資金を使い対応しているので、不正をして基準をごまかしているということがない限り、堂々と議論し、理詰めで対決して良いと思います。一方で、住民に対しては、わかりやすい言葉で説明する必要があるでしょう。

日本政府としては、PIF事務局長の発言に責任を持つ立場である加盟国(太平洋島嶼国13国各国、豪州、NZ)各国に対し、外交ルートを通じて、事務局に指示しているのか厳しく問うべきだと思います。

域外対話国の地位に関しても、明らかに日本に対する脅しとして使っているので、PIF事務局、豪州、NZ、13太平洋島嶼国各国政府に対し強く抗議すべきで、場合によっては外してもらって結構ということで良いでしょう。

PALMについても、PIF事務局を外してよいのではないでしょうか。日本が太平洋島嶼国各国に声をかけ、たとえ3〜4か国のみが参加するといったとしても新生PALMとして開催し、参加するメリットを示していけばよいのではないでしょうか。
14か国多い、、、。 [2023年01月12日(Thu)]

今日は、個別に連絡する必要があり、文面を変えながらパラオからニウエまで14の太平洋島嶼国各国にメールを送りました。全部で20通を超えていると思います。

今後、どれだけ反応してくれるかわかりませんが、仁義は切りました。
ダイエット難しい…。 [2023年01月14日(Sat)]

昨年は基本太り気味で、年末年始休暇から改めて運動を少しずつ再開しているのですが、今回は体重を落とすのは厳しいと感じています。
お腹が空くし、いろいろストレスもあるし、食べないとやってられない。

昨年9月頃からコロナ前と同じような仕事の仕方に戻りましたが、食事を含めて生活のリズムにはコロナ禍の癖が残っています。その1〜2年かけて身についた癖を直していくには、相当な時間がかかりそうです。

歩けないほど酷かった腰痛が改善してきてるのは希望ですが、ダイエットは難しい。
世界ふしぎ発見! 1/14パラオ [2023年01月14日(Sat)]

先ほど世界ふしぎ発見!でパラオが取り上げられていました。見逃した方はTVerなどで。
インターン研修で招聘したベナリーとロッキー、現地のケビンなど一緒に取り組んできた人たちが出ていました。

これまで、自分が知っている範囲では、パラオというと中台関係の観点ばかりが強調されていましたが、今回はまさに地域密着型エコツーリズムのプロジェクトで目指している空気感というかそういったものが感じられました。

伝承や謎の石の遺跡の魅力、ストーンパスの維持管理、若い世代の間の彼らなりの交流、戦争が起こらないようになど、大切な話もありました。自分がパラオに惹かれる理由、人の魅力、も。

戦場カメラマンの良さもありましたが、何よりもこれを構想し行動し作り上げたディレクターの小堺さんの力が凄いです。

これで、またパラオが盛り上がって欲しいですね。自分は現地の地域密着型エコツーリズムの定着と拡大に向けて頑張ります!
PIFに関する昔話 [2023年01月16日(Mon)]

10年ほど前の昔話になりますが、PIF事務局との関係で次のようなことがありました。

PIFの枠組みでは、2005年にパシフィックプラン(その後、2014年の地域主義枠組み、昨年の2050戦略につながるもの)が出され、2009年にはケアンズコンパクトが合意されていました。特にケアンズコンパクト後、開発パートナーによる太平洋島嶼国への開発援助をより効率的で効果的にしたいという観点から、日本を含む開発パートナーに対し、開発援助データを提出するよう求めるということがありました。

当時は、豪州、NZが中心となり、一つのバスケットにすべての開発パートナーの資金をまとめて、PIFを中心に加盟国に配分するといったイメージがあったと思います。個人的には、これは日本の二国間ベースの開発協力に対する介入という印象を受けていました。

もっと言えば、1990年代から2000年代は、日本の援助が目立ちすぎたために、外交ツールではなく純粋に開発協力資金とさせたいといった空気感があったと記憶しているので、そういった背景もあったのかもしれません。

それで、10年ほど前のこと、ケアンズコンパクトに基づき(として)、PIF事務局が日本政府に対してODAデータを出すように求めてきたことがあります。求めてきたというよりも、要求で、上から「ODAデータを出せ」という態度でした。しかし、日本はPIF加盟国でもないし、域外対話国の義務でもなく、あくまでも開発パートナー側が協力するか否か判断できるものでした。

当時のPIF事務局は秘密保持があいまいで(現在は不明)、他の開発パートナーにも情報が共有されたり、他の開発パートナーが情報を出さずに日本の情報だけがとられるというリスクもあるので、PIF事務局向けにより詳細な情報を提供するというのは無理がありました。

日本はOECDにODAについて情報を提出しており、PIF事務局にはそこから情報を取るようにと回答したと記憶しています。


PIFという枠組みで加盟国以外の国と正式に外交ルートでやり取りする場合、PIF事務局長は議長国と密に連絡を取る関係にあるため、議長国の外交ルートでやり取りするというのが一つのやり方のような気がします。

現在の形
(太平洋島嶼国)−(PIF議長国)−(PIF事務局・事務局長)−(日本)

これを(PIF議長国の下には他の太平洋島嶼国が繋がる)
(PIF事務局・事務局長)ー(PIF議長国)−(日本)
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        (太平洋島嶼国・PIF加盟国地域)

と考えるのも一つのやり方のような気がします(議長国は国なので、国と国の関係で情報の扱いも信頼できるので)。

PIFの中心性は、PIF事務局の中心性をとは違うということかと思います。
PIF事務局科学委員会による地域セミナー [2023年01月20日(Fri)]

PIF事務局では、科学委員会のメンバーを中心に、一般向けのセミナーが開催されました。

https://www.youtube.com/watch?v=5WbpkfllKao

核実験の話や、核廃棄物の話があり、ALPS処理水の話があるので、よくわからなければ核実験と同等の脅威があるように受け取られるのではないかと気になりました。危険な量の核物質を海洋に投棄するようなイメージ作りがされているようにも思います。

昨年末に紹介したPACNEWS記事では、100名以上の科学者からなる米国のNational Association of Marine Laboratoriesのポジションペーパーに関して報じられていましたが、今回の内容と共通しているのは、

・日本側のデータが偏向している。(数値に幅があるとして、問題とならないところだけを出しているといったニュアンスだと思います)
・ALPS(多核種除去設備:Advanced Liquid Processing System)の性能への懸念
・保存タンクのサンプリングの方法や統計方法の瑕疵

さらに今回はIAEAの調査に対する不満も述べられています。


これらを前提として、ALPS処理水は、核廃棄物と同等にとらえていると考えられているようであり、何十年先にどのような影響が及ぶかわからないのでやめるべきという内容でした。

日本側の取り組みが正しいということであれば、人に言わせると重箱の隅をつつくようなもののようです。

日本の復興庁や東電も、英語版で動画を上げているのですが、現地で見たことのある人はほとんどいないかもしれません。

https://www.youtube.com/watch?v=huMY0gTRa_M

https://www.youtube.com/watch?v=D1SpPUFGgHw

https://www.youtube.com/watch?v=VYyvwqpXhTw

https://www.youtube.com/watch?v=QckQYtHpWlU


科学者間の真摯な話し合いは、続けられるとして、ますます現地の一般市民に対する丁寧な説明が必要になっていると思います。おそらく、最初の段階から考え方が異なっていて、日本は処理した水の放出であるのに対し、現地は危険な核廃棄物の海洋投棄というもの(核実験と同列に語られるレベル)。このギャップを埋める努力が必要なのかもしれません。

それこそ、上記の動画のようなものを現地向けに流すとか、SNSにあげるとか。そうするとネガティブなものも含め反応があると思うので、さらにそれに対して丁寧に対応していくというのも必要なのかもしれません。これとは別に、日本に対し、日本を見下したり、脅したりするようなPIF事務局の姿勢については、毅然と対応してほしいです。

ちなみに、今日の現地のニュースでは、フィジーのランブカ首相がキリバスのPIF復帰を促すために豪軍の飛行機でキリバスを訪問したそうです。昨年末、現在の議長国フィジーは1月にクックに交代と聞いていましたが、今日の情報では3月に交代とのことでした。

PIFという枠組みは米豪NZが強化し、日本が離れていく感じがします。
それなりの1日 [2023年01月30日(Mon)]

今日は体調管理のために代休を取りました。
頭痛と熱が出そうな予感があったのですが、とりあえず何もなく、部屋を掃除し、現地ニュースを整理確認しているうちに、体調は回復しました。

午前中はPIF事務局の友人とやりとりしました(彼らの気持ちもわかる)。PIF科学部会のメンバーには10年以上前から繋がりのある友人がいたり(彼らは真摯な科学者)、一方で日本はしっかりIAEAを通じたものも含めて一歩一歩取り組んでおり、悩ましいところです。

最も大切なのは、全ての国ではないにせよ、島嶼国側の懸念を丁寧に対話ベースで解消していくことだと思うので、担当の方々は大変な時期だと思いますが粘り強く対応していただくことで状況は良い方向に変化していくのだと思います。

PIF事務局も事務局だけでなく、1人でも首脳が同行するのであれば、強い意味を持つことが理解されているように思います(当然ながら)。

その後、フィジー新政権に関するブレーキングニュースをアップして、午後3時、洗濯物を畳んでいると、半年ぶりに海外メディアから島嶼地域に関して質問が届きました。

偶然にもまさにその時考えていた内容だったので、ひと呼吸置いてから、速攻でコメントをまとめ、英訳し、メールをいただいてから(明日中にとのことだった)2時間で回答しました。

先ほど連絡があり、歴史的背景がよくわかり謎が解けたと。記事に載らなくともそういった反応があると嬉しい。

そして予定より1時間遅れて走りに行き、無性に食べたくなった肉肉しいハンバーガーを食べ、1日が終わります。

まったく、休みだったのかなんなのかよくわからない1日でしたが、偶然もありそれなりに意味のある1日でもありました。
ブレーキングニュース、アップしました:フィジー、キリバス、PIF2.0 [2023年01月31日(Tue)]

昨日、今日と、ブレーキングニュース記事アップしました。ちなみにバナーも日本語版に変えました。時間がなかったので少し雑ですが、落ち着いたらもう少し良いものに変えられればと思っています。

1つ目はこちら。
「フィジー、事務次官の人事異動および契約解除」
https://www.spf.org/pacific-islands/breaking_news/20230130-1.html

なんでこんなローカルネタをと指摘されそうですが、コメントを書くために昨日時点で最も新しいフィジー新政権の動きの記事を選びました。

2つ目はこちら。
「キリバス政府、太平洋諸島フォーラムへの復帰を正式決定」
https://www.spf.org/pacific-islands/breaking_news/20230131-1.html

個人的にはPIF2.0(表現が古い?)の始まりだと思っています。