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マーシャルのアミモノ [2019年05月11日(Sat)]

この10年、いくつかの太平洋島嶼国をまわり、先日、久しぶりにマーシャルに行きました。
かつてマーシャルに住んでいた時は、アミモノ(パンダナスの葉などを自然に漂白し、編み上げて作る伝統的民芸品。磨いた宝貝などを装飾に利用することもある)なんてそこら中にあるし、普通のものと思っていました。

しかし、あちこち他の島嶼国をまわり、各地で似たような民芸品を見て、今回マーシャルのアミモノを見ると、その良さに改めて気づかされました。

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この3年、地域密着型エコツーリズムに関わってきたことで、物の見方が変わってきたことも要因かもしれません。

マーシャルのアミモノを見ると、その丁寧な編み込み方、繊細さ、色など、他に比べて秀でているように見えます。

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秀でているというと語弊があるでしょうか。

陸地面積が大きく、木材のある島で作られたアミモノでは土を感じますが、マーシャルのものは、環礁と砂浜、青いラグーン、乾いた空気と澄み切った空、白い鳥、マーシャルのおばちゃんたちの手を感じます。

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これはアミモノではありませんが、フィジー離任時に、当時のアクバル女性子供貧困削減大臣から頂いたもの。ハードウッドとマシ(タパ)で作られたもの。

そういえば、フィジーでは結構、マホガニーなどのハードウッドに見せかけて、柔らかな木材でタノアや伝統的道具を模したものを作り、ただ色を塗っているものがあります。

自分は現地のおばちゃんにつられてよくそういうものを買っていました。それらは軽かったり、色が落ちたり、壊れやすかったりします。値段も安めで、素朴な手作りだし、まあ、そういう土産物なのでしょう。

地域密着型エコツーリズムに関わっていると、物そのものよりも、その物に関するストーリー、例えば、どのように手に入れ、どのようにここまで渡ってきたかなどに価値を見出すようになります。

今回のアミモノは、価格としては数千円のものですが、記憶が保存されています。
ミクロネシア連邦大統領 [2019年05月11日(Sat)]



5/11、新選出議員による初めての議会で、ポンペイ州のデービッド・パヌエロ議員が、議員14名による互選で、新大統領に選出されました。(ちなみにクリスチャン大統領の前のモリ大統領はチューク州でした)
政治体制については、外務省HPで。
https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/micronesia/data.html#section2

副大統領には、コスラエ州のヨシウォ・ジョージ副大統領、議会議長にはチューク州のウェズレー・シミナ議長が再選されました。

パヌエロ議員が大統領に選出されたことで、同州4年制議員選で次点であった、ピーター・クリスチャン前大統領が同州4年制議員となります。

ホノルルのイースト・ウェスト・センターで伺った話では、パヌエロ大統領は、またビジネス畑の人物だそうです。組閣や今後の政府職員人事がどうなるか気になるところです。

また、確か2011年ごろだったと思いますが、クリスチャン前大統領がまだ議員であった頃、同議員と他州議員が結束し、米国コンパクトの2018年の終了に関する決議を行ったことがあります。

新政権は、2023年9月末で切れる米国改定コンパクトの再改定交渉を担うことになります。個人的には、米国が共和党政権のうちに、道筋を決めた方が良いように思われます。

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米国コンパクトでは、仮にミクロネシア連邦が終了するというのであれば、国民投票が必須であるとしていますが、第1次コンパクトと比較して、現在のコンパクトには改定条項が見当たりません(見逃しているだけかもしれません)。

仮に、コンパクトが終わる場合、コンパクトは国の根幹に関わる条約であるため、安全保障を含む新たな協定が必要となること、米国ビザ免除特権がなくなること(現在米領にいるミクロネシア連邦国民は新たにビザを取得する必要がありますが、かなり厳しいでしょう)、米国の投入を中心に積み上げた信託基金の米国投入分の扱いが米国次第となること(最終的には総額500億円前後になると思います)、米国のODA対象国としては残る、などが考えられます。

1番は、ビザ免除特権が大きいと思いますが、今後、さまざまな話が出てくることとなるでしょう。

ともかく2023年10月以降の米国との関係を整える必要があります。仮に経済援助項目が終了となるとしても、コンパクトが継続する限り、ミクロネシア連邦国民は米国の準市民扱いであるため、さまざまな米連邦プログラムの対象となり、また米国の開発援助対象国となり続けます。この場合、政府職員給与の資金が不足するかもしれません。

あとは、外部の人間として、特に住民とともに何か協力するとすれば、ミクロネシア連邦政府は当然のこと、4つの各州知事それぞれとの関係構築も大変重要になります。

最近の現地報道では、ヤップ州で中国民間投資家がホテル建設の契約を履行しようとしたところ、土地使用期間が法令による規定を超えているということで、知事がこれを止めたという話がありました。

いずれにせよ、まずは今後3カ月程度、連邦レベル、各州レベルで、どのような動きがあるか、冷静に追っていく必要があるでしょう。
ビキニボトムから [2019年05月15日(Wed)]

先々週、久しぶりにマーシャルに行ったわけですが、ちょうど、40回目のコンスティチューション・デー(マーシャルで最も重要な記念日の1つ)の期間でした。
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マーシャル大統領府FBより。「ビキニボトムからの訪問者も」


これまで書いてきたことの他に、マーシャルで驚いたことが2つありました。

1.太ってない!
自分がいた10年前の印象と比べて、思ったより太っていません。30代以上は基本的にぽっちゃりなのですが、肉が詰まっている感じの太り方に見えました。

2週間経ち、よく考えてみると、この10年で、パラオに50回以上訪問し、フィジーに3年暮らし、いろいろな島嶼国の人を見てきたことで自分のサイズ感が変化したのかもしれません。

フィジーの場合は太っているというよりも、「でかい!」。

パラオでは、太っている人は、本当に太っています。柔らかい感じの太り方です。

パラオのせいで、基準が変わったのかもしれません。

ただ、マーシャルでは、食べ方が変わっている可能性があります。健康思考の人や運動が大事だという人、糖分摂取に注意している人が結構いました。


2.野菜を食べるようになっている。
10年前は、野菜は米国本土からの船便で届くもので、セロリが1束25ドル(コメ10キロ8ドル弱、冷凍チキン1羽5ドルの時)でした。まるでソイレントグリーンの世界のようでした。

同じ予算で買い物する場合、養う人数も多いため、コメ、チキン、ポテトなどを買い、野菜(穀物除く)は避けられていました。

ところが、台湾から新鮮な野菜が輸入され、以前よりも安く、手軽に野菜を買えるようになったことや、台湾技術ミッションが、地道に農業を伝え、毎週のように(隔週だったかも)野菜を販売していることなどから現地の人の食生活が変化しているようです。


意識の変化、健康志向というのは、これまでの日本を含む海外からの援助や地域内での意識、などが影響しているかもしれませんが、経済が実際の行動の根底にあるようにも思います。


10年前、現地で走っていると、珍しそうに見られていましたが、先々週の経験では、運動やエクササイズをすることは、珍しくないというか、「良いことやってるね!」という反応でした。

例えば、10年前、痩せていると、「ちゃんと食べていないのか?」と心配されましたが、先々週は、「まあ、良いサイズだ」(10年前よりも多少痩せているのを見て)と言い、「自分もエクササイズしてるんだよ」と言っていました。


何カ月か前、15年以上、生活習慣病対策の支援をしていても、何も変わっていないじゃないか!と書きましたが、さまざまな要因から現地の人たちの意識は、少しずつ変わってきているのかもしれません。


書いていて思い出しましたが、マジュロとホノルルで、お店でビニール袋は使わないようになっていました。有料で紙袋をもらうことはできます。

その行動の速さに、驚きました。

現地の中央世代が交代したこともあるでしょうが、おそらくネット環境がこの10年で大きく改善されたこともあり、海外の情報が増えたことや、気候変動の文脈で、外からマーシャルが見られていることなどが影響し、意識が高い人が増えているかもしれません。
祝・在パラオ日本国大使館FB開設! [2019年05月15日(Wed)]

待ってました!在パラオ日本国大使館のFBページがオープンしました。
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新鮮な情報が、どんどん紹介されています。ぜひ、いいね!とシェアを。

自分のFBを見ていると、他には在フィジー日本国大使館と在マーシャル日本国大使館がよく目に付きます。

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在フィジー大

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在マーシャル大

並べてみると、興奮してきます。

現地に行ってなくとも、行っているような気になっていたのは、このような現地からの情報発信のおかげかもしれません。ありがたい。

ほかの島嶼国の日本大使館もFBページがあると思います。

日本からもどんどんアクセスして、いいね!を増やしていきたいですね。
トランプ大統領、自由連合国首脳と会談へ [2019年05月16日(Thu)]

有料記事ですが、ウォールストリート・ジャーナル紙が「Leaders of Three Strategic Pacific Islands Plan Joint Visit to U.S.」と題し、レメンゲサオ/パラオ大統領、パヌエロ/ミクロネシア連邦大統領、ハイネ/マーシャル諸島大統領が、来週5/21にワシントンD.C.でトランプ大統領と会談すると報じています。
https://www.wsj.com/amp/articles/leaders-of-three-strategic-pacific-islands-plan-joint-visit-to-u-s-11557931878

自由連合国3カ国首脳がこのように米国首都で米国大統領と会談するのは初めてとのこと。
(かつてオバマ大統領時代に、写真を撮るだけのような個別面会はあったと思います)

ジョン・フォスター・ダレスのWar or Peace(1950)によれば、まだ太平洋戦争が続いていた1945年6月に開かれた国連設立に向けた連合国側の会合で、アフリカを含む枢軸国側の統治領を国連のもとで信託統治するという議論があり、特に日本が統治しているミクロネシアの島々(もともとはドイツ領からベルサイユ条約を経て、国際連盟のもとで日本が委任され統治していた地域)については、「戦略的」信託統治領とされていました。

戦略的の意味は、対日本ではなく、対コミュニストというものでした。

その米国にとっての戦略的信託統治領が、現在のパラオ、ミクロネシア連邦、マーシャル諸島という米国自由連合国となっています。



これまで、「戦略的」という言葉は忘れられていたように思いますが、この半年で、米国側が、これら3カ国について言及する際に、「戦略的」という言葉を使うようになっています。

米国が共和党政権に変わってからの話ですが、特に2年前から半年前ほどまで、米国政府は、同地域についてさまざまなチャンネルで事実関係を確認していたと思われます。

例えば、中国の進出という話があるが、真に安全保障の文脈で説明できるものなのかなど。

そして、この半年で、米国は明らかにギアを上げ、フェーズを変え、積極的な行動に移っています。

キーワードは、中国、台湾、コンパクト。

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在ミクロネシア連邦日本国大使館FBページ [2019年05月16日(Thu)]

昨日、パラオ、マーシャル、フィジーの各日本国大使館フェースブックのリンクを紹介しましたが、検索してみたところ、他の太平洋島嶼国では、在ミクロネシア連邦日本国大使館のフェースブックページがありました。

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昨日の3大使館も含め、それぞれフロントの写真にはこだわりがありそうです。

太平洋島嶼国でも、情報量が増大し、動きも速くなっています。そのような環境の中で、各国首脳、政府、閣僚、地域機関など、TwitterやFBなどSNSを通じて、どんどん情報を発信しています。

そのサークルに日本も積極的に加わり、公式と非公式の間の微妙な情報共有を進めると面白いかもしれません。


そういえば、ミクロネシア連邦でパヌエロ新大統領が選出された件について、米国務省は、その短い文章の中で、「人権の尊重」と「基本的自由」に言及しています。


そういうことなんでしょうね。

これから、ミクロネシア連邦は熱くなるかもしれません。
バランス [2019年05月18日(Sat)]

今年の1月から首から左手先までが、2月ごろから右の腰から右足首までが、調子が悪くなっていました。

疲労が原因だろうから、いつか治るだろうと思っていましたが、いつまでも良くなりません。痛み止めを飲めば数時間やり過ごせますが、根本的な解決にはならないため、どうしたものかと悩んでいました。

3月末から、私的旅行も含め、飛行機に乗る機会が増えることから、本気で何とかしなければならないと焦ります。

このまま一生痛みを抱えて生きるのかとか、まあ所詮数十年の話だしなあとか、半ば諦めの気持ちもありました。

それでも、まあ、ちょっと冷静になった時に、原因を考えてみました。

すると、1つは、体重増(1年前よりは6〜7キロ軽いですが、半年前よりは4〜5キロ重い)、もう1つは、バックトゥザフューチャーのマーティ・マクフライのように寝相が悪く、確か昨年末ごろから首が(おそらく)ヘルニアのように痛んでいたことが思いあたりました。

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体重を減らすには、運動量を回復する必要があり、そのためには、足腰を治さなければなりません。F1でいえば、PUはまあまあいいが、シャシーと足回りが今ひとつという状況で、単純に痛いと走る気になりにくい。

左腕から左手先については、首のあるポイントを意識することで、少し改善することがわかり、今も気をつけています。この1月で、多少良くなりました。

右腰から足については、正直走り過ぎによる疲労の蓄積かと思っていましたが、数日前、坐骨神経が関係している可能性がわかりました。その結果として、スネやヒザも痛むようになったと思われます。

言葉の訛りに似ていて、油断すると、フォームが崩れます。そのフォームの乱れも影響していそうです。

そこで、一昨日から、ストレッチを増やし、昨日から、足の運び方(歩きや走りのフォーム)を意識して変えるようにしています。これにより、多少痛みが改善されてきました。

さっき気づきましたが、丁度、今日で、ダイエットを本気で始めてから1年になります。

第2段階に移る良い機会なので、まずは2週間、冷静にどこまで再改善できるか試してみたいと思います。
さよならブルースさん [2019年05月20日(Mon)]

先日、マーシャルのブルース・キチナー外貿次官が亡くなりました。
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キチナー駐日大使のご子息、ハイネ大統領の義弟で、個人的には、優れた実務者だったという印象が残っています。

2006年〜09年、当時、自分は本官が臨時代理大使と会計領事担当官の2人しかいないマーシャルの日本大使館で、専門調査員として勤務していました。

2004年〜2007年ごろのマーシャル諸島は、対外的意思が不明確で、日本との関係、特に開発援助関連では、政府高官、閣僚、大統領それぞれが異なる話をすることで、日本側が少々距離を置き、相手の様子を見る状況となっていました。

特に、2007年半ば頃から、週に何度も、大統領補佐官、外務次官、官房長官に会いに行き、雑談やら日本側の考え方や動向やら、世界情勢のような話やらをして、横のつながりが欠けていた3者に同じ情報を共有し、相手の話をそれぞれに共有することで、マーシャル側の意思の統一を促しました。

その過程で、政変が起こり、事務方も徐々に代わりました。

故トニー・デブルムさんが外務大臣になった2008年、ブルース・キチナーさんが、外務次官補になりました。

実務的なやりとりは次官補と行っていましたが、ブルースさんが就任してから、のれんに腕押しのような状況から、打てば響く状況に変化していきました。

何でもYESというのではなく(そのYESのいくつかはNOを意味する)、しっかりと意見や要求が伝えられるようになり、何度も議論をして押したり引いたり、時に、写真の建物(当時外務省が3階にあった)のテラスで、一緒にタバコを吸ったり(当時は自分もタバコを吸っていた)して、それぞれの立場を理解しながら、最適解を探し、いくつかうまく行ったものもあったと思います。

ある時、大使館から書簡(本省からのものだったと思う)を届けに行ったとき、議員か大臣の名前に「Honourable 〜」というのを見て、「The Honourable 〜」だと教えてくれたのは、ブルースさんでした。

当時の日本大使館には対外的なカードが臨時代理大使だけだったため、事務方とのさまざまなことを自分が担い、締めのところや大臣以上の公式の話を臨時代理大使が担っていましたが、当時の自分のボスは、ブルースさんの仕事ぶりに対して、「キチキチキチナー」と称賛していました。

とにかくそれまでのマーシャル政府とは異なり、ブルースさんは、しっかりと交渉も仕事もし、書簡や資料を隅々まで読み、攻めどころをすぐに見つけ、時に手強い政府となりました。


2009年8月に笹川平和財団に自分が移ってから、最後に仕事のやりとりをしたのは2010年だったでしょうか。

その後、確か昨年、パラオのロイヤルリゾートのロビー近くを歩いていたときに、反対側から歩いてきたハイネ大統領一行とすれ違いざま、ブルースさんに声をかけられ、挨拶を交わし、「また議論しような!」と言われたのが最後になりました。

ブルースさん自身は、目立とうとせず、地道に大統領や大臣を実務面で、裏方として支えていました。この10年のマーシャルの発言力拡大の裏には、ブルースさんの貢献があったと思います。また、次の世代に、仕事の姿勢を示してきました。

マーシャル諸島にとって、大きな損失だと思います。

ブルースさん、安らかに。
米国と米国自由連合国 [2019年05月24日(Fri)]

今週、トランプ大統領の招きにより、パラオのレメンゲサウ大統領、ミクロネシア連邦のパヌエロ新大統領、マーシャルのハイネ大統領が米国ワシントンDCを訪問しました。


これら米国自由連合国の大統領は、トランプ大統領、ポンペオ国務長官、バーンハート内務長官らと会談し、アーリントン墓地では献花を行いました(米国自由連合国の優秀な人材は、米軍に従軍でき、実際に戦い、命を落とした兵士もいます)。

米国務省フェースブック
https://www.facebook.com/usdos/videos/vb.15877306073/2398233590420014/?type=2&theater

https://www.facebook.com/USAsiaPacific/posts/2268611710123316

米国自由連合国に対するこのような米国の対応(しっかりと首脳会談を行うとか、国賓級の対応をするとか)は、自由連合国として独立以来、初めてのことだと思われます。

オバマ前大統領はこれらの国々でも人気がありましたが、島嶼国首脳を招へいしたことはありますが、基本的に写真撮影がメインとなり、「直接首脳どうしが話し合う機会はなく失望した」、「小さい国だからと馬鹿にされているようだ」、と複数の現地政府同行者から伝えられたことがあります。

今回、自分が見て大きなことと思えるのは、下記の点かと思います。
・人間的繋がりを強化することができたこと。

・ミクロネシア連邦。

・揺らいでいた米国自由連合国間、米国と米国自由連合国の結束を再確認したこと。

・米国自由連合国は、現在も、自由と民主主義のために米国と戦っているという考えがあることに対する米国の理解。


他にもあるでしょうけれど、全体的に、米国自由連合国側に米国からの敬意が伝わっていると思います。お金ではなく、相手の話をしっかりと聞き、上下関係ではなく、国と国のパートナーシップ関係に発展させたように見えます。

正直なところ、日本人の間では、これまで日本はこれら米国自由連合国と関係が強く、非常に親しいと理解し、米国よりも日本の方が親しい、という見方があったと思います。


しかし、少なくとも40代より若い世代では、当然ながら米国の方が市民レベルの生活においても関係が深いのが現実だと思います。


日本と米国の違いと言えば、「言わなくてもわかる」とか「顔を見るとニュアンスが分かる」とか「腹を割って話ができる」というところで、この点は、今も変わらないでしょう。ただし、20代以下の若い世代には、通用しない人も増えています。これは世代のギャップもからんでいるので、おそらく日本と現地の同世代どうしならば、新しい繋がりを作れると思います。実際に作っている方々もいるでしょう。


ミクロネシア地域が米国と関係を再強化し、安定することは、日本の安全保障上も地域への相対的プレゼンスの面でもプラスになると思います。今回、米国と米国自由連合国の関係が新たな段階に入ることが明らかになりましたが、日本はどのような役割を担うことができるでしょうか。


今後、米国とパラオ、米国とミクロネシア連邦、米国とマーシャル、米国と自由連合国3国の関係の中で、上手く話が繋がらないとか、相互理解が進まない場面があるかもしれません。

そのようなとき、日本は双方のニュアンスが分かるユニークな立場を活かし、仲介役とか、相談役を担えるかもしれません(その場合は、常に日本が各国と独自の関係性を作り、何かの部分で優位性を保っていなければなりませんが)。


個人的に考える一つの理想は、米国自由連合国と日本が何らかの条約や協定を結び、米国、米国自由連合国、日本のトライアングルを作ることです。日本が入ることで、米国自由連合国の人々との細やかな関係も確保できるでしょう。



さて、先日、米国で、過去にローゼンバーグ事件というのがあったと何かで知りました。例えば、ファーウェイの話を見ていると、表の情報だけでは分からない、核心となる何かがあるんだろうなと思います。

自分もいろいろなことを知ってしまうことがありますが、例えば、東西方向に100センチの情報を得たとして、このブログでは30〜50センチで且つベクトルを変えて書いたりします。何かに寄稿する場合でも、当然ながら、いろいろ考えます。

実際に物事が動いていくとき、要因となる情報、その動向による情報は、見えないところにあるのでしょう。

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ミクロネシア連邦議会 補選情報 [2019年05月25日(Sat)]

先日のミクロネシア連邦大統領選出の話で、地域の報道では空席となったポンペイ州とコスラエ州の4年制議員について、次点の人物が繰り上げ当選のように書いてありました。
実際は、7月2日に補選が行われるとのことです。


ポンペイ州では、クリスチャン前大統領が勝つかどうか注目されます。