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モーリシャス [2025年06月15日(Sun)]

6/10夜に成田を発ち、ドバイ経由で6/11夕刻モーリシャス着。
まずは現地のユースによるNGO Sov Lanatirの皆さんとランチミーティング。

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Krishna, Aish, Shania, Shazia, Hicham, Luckeenarain, Diuyasheel

それぞれが専門家として職を持っている20代の若者。理想を語るのではなく、現実的な視点を持って課題解決のために実際に取り組んでおり、かなり良い印象を受けました。

次いで、バダル首相府大陸棚・海洋水域管理探査局長ら。東京大学と関係があるとのこと。

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首相府というので行ってみるといくつも建物があり、人に聞きながらようやく到着。

モーリシャスは先ごろ英国と合意したチャゴス諸島を含め約200万平方キロメートルのEEZ(マーシャル諸島やクック諸島と同規模)を持ち、自らをSmall Island Stateではなく、可能性に満ちたBig Ocean Stateと名乗っています。

セーシェルとの延長大陸棚共同管轄域も設置しています。海底鉱物資源の採掘と経済利用に積極的です。

人口約130万人、一人当たりGDPは1万ドル超。この人口規模なので、クック諸島やパラオのような人口による数字マジックではなく、実体経済が発展しています(ドバイからA380が定期便で就航しており、年の訪問者数は人口を超える)。

ブルーエコノミーという言葉にはさまざまな概念がありますが、太平洋島嶼国のもつ「持続可能な」経済よりの考えよりも、モーリシャスでは海洋資源の積極的な活用による経済という認識が強いように思います。それにより主権国家として地位を高めていく。

太平洋島嶼国との違いは、民族としての海との関わり方の違いに起因するようにも思います。太平洋島嶼国では人々が海洋生態系の一部というニュアンスがあります。

チャゴス諸島の件を考えると、戦後、国連の役割の一つである脱植民地化、先進国とその他の国々(彼らはグローバルノース、グローバルノースと言っている)、地政学的状況、それらが絡んでおり、次の秩序構造への過程にあると感じさせられます。

その次の秩序構造がどのようなものなのかは分かりませんが、いわゆる開発途上国・旧植民地の自立発展により先進国がリーダー?的な立場にある構造への反発は強まっていく流れにあり、その先進国側ではない側のリード役がBRICSであったり、中国であったり。そうすると開発途上国・旧植民地を一つのまとまりとするのではなく、その中の少なくとも過半数をこちら側のグループに確保しておくことが重要になる。そういった動きの中にあるという見方ができるかもしれません。

モーリシャスに戻ると、次いで、モーリシャス大学のナズラリー教授。北海道大学に関係があり、3回ほど来日経験があるそうで。わかしおの事故後の沿岸環境回復の話をしていました。

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これで初日は終了。

翌日6/13午前は、1988年設立のNGO Environmental Protection & Conservation Organisation(EPCO) で、創設者のパンレイさん、ハワイ出身インターンのワタナベさんらと情報交換をしました。

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彼らは環境、防災、コミュニティの経済活動参画などに関する活動を行っています。初日のユースNGO、モーリシャス大学のナズラリー教授、EPCOと協力して、モーリシャス、さらに西インド洋諸国と何かできそうです。

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さて、予定では6/14夕刻にセーシェルに移動するところでしたが、現地での会議がキャンセルになったことと、世界情勢が急速に変化する可能性を踏まえ、日程変更。6/13午後にモーリシャスを発ち、ドバイ経由で6/14夜に帰国しました。

短い滞在でしたが、次の展開へのきっかけを掴むことができました。モーリシャスは小島嶼国の自立発展を考える上で一つのモデルになるかもしれません。