8/31、当財団でThe 1st Pacific Islands Young Practitioners Forum for Envisioning the Futureを開催しました。

JICAプログラムのもとで国内大学院に留学している院生によるフォーラムですが、彼らは元々各国政府等の職員であるため、我々は彼らを「留学生」としてではなく「若手実務者」として認識し、我々は場を用意するとし、彼らに現地での実際の経験に基づく議論を行い、日本や太平洋島嶼国政府などに提出するためにポイントをまとめた結果を出すよう要請して、この取り組みが始まりました。受け身でないことを唯一の参加条件としました。
参加した留学生は、フィジー、ソロモン諸島、サモア、パプアニューギニア、マーシャル諸島の出身者15名ですが、この準備過程では、他にもトンガやミクロネシア連邦などを含め10名ほど関わりました。
オブザーバーとしては、ワンガンバザ・フィジー大使、マンギシ・トンガ大使、ヘレン・サモア参事官、ロドニー・サモア書記官、外務省大洋州課、JICA、太平洋諸島センター、米国大使館、豪州大使館、上智大学の大塚さん、太平洋諸島研究所の黒崎さんらにご参加いただきました。
事前の準備段階では、私からは例えば、すでに日本でも太平洋島嶼国にとっての最大の脅威は気候変動であることや違法操業問題など、大きな視点から見た課題は認知されておりさまざまな取り組みが行われていることを伝え、若手実務者のみんなには、現場での経験に基づく実際の話を我々に伝えて欲しいと要請しました。
今回のフォーラムでは、大きく見れば国同士の大きな政策の話ではなく、コミュニティレベル、住民の生活に繋がる議論が行われました。
例えば廃棄物管理に関して彼らは今の日本をみて話しています。一方、自分が子供だった40年前は空き缶も空き瓶もゴミもポイ捨てされ、タバコもどこでも吸われて吸い殻が捨てられ、川も海も空気も今よりも汚れていました。太平洋島嶼国に対して、どうやってここまで来たのか、どのような社会的チャレンジがあったのかを含めて、経験を共有することが重要だと思います。日本は戦後、世銀の融資を受けてインフラ整備を進めて国の開発に繋げました。そういった被援助国であった歴史も伝えることが大切な時期に来ていると思います。
また、自分としては開発パートナーの関与が増え、援助が増えている中、それをどうやって住民レベルの課題解決に繋げることができるかが今後大きくなる問題だと考えており、その問題への対応として産官学民の連携と開発パートナー間の連携が鍵だと考えています。今回はそのための一歩でもありました。
さて、今回は太平洋島嶼国事業としてコロナ前の2020年1月末のイベント以降、初めてのイベントでした。今後のための確認もさせていただきました。今後、日本太平洋島嶼国関係の重層化のためにさらに取り組んでいきます。招待ベースのイベントが中心となると思いますが、関心のある皆さんと協力できることを期待しています。