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PIFに関する昔話 [2023年01月16日(Mon)]

10年ほど前の昔話になりますが、PIF事務局との関係で次のようなことがありました。

PIFの枠組みでは、2005年にパシフィックプラン(その後、2014年の地域主義枠組み、昨年の2050戦略につながるもの)が出され、2009年にはケアンズコンパクトが合意されていました。特にケアンズコンパクト後、開発パートナーによる太平洋島嶼国への開発援助をより効率的で効果的にしたいという観点から、日本を含む開発パートナーに対し、開発援助データを提出するよう求めるということがありました。

当時は、豪州、NZが中心となり、一つのバスケットにすべての開発パートナーの資金をまとめて、PIFを中心に加盟国に配分するといったイメージがあったと思います。個人的には、これは日本の二国間ベースの開発協力に対する介入という印象を受けていました。

もっと言えば、1990年代から2000年代は、日本の援助が目立ちすぎたために、外交ツールではなく純粋に開発協力資金とさせたいといった空気感があったと記憶しているので、そういった背景もあったのかもしれません。

それで、10年ほど前のこと、ケアンズコンパクトに基づき(として)、PIF事務局が日本政府に対してODAデータを出すように求めてきたことがあります。求めてきたというよりも、要求で、上から「ODAデータを出せ」という態度でした。しかし、日本はPIF加盟国でもないし、域外対話国の義務でもなく、あくまでも開発パートナー側が協力するか否か判断できるものでした。

当時のPIF事務局は秘密保持があいまいで(現在は不明)、他の開発パートナーにも情報が共有されたり、他の開発パートナーが情報を出さずに日本の情報だけがとられるというリスクもあるので、PIF事務局向けにより詳細な情報を提供するというのは無理がありました。

日本はOECDにODAについて情報を提出しており、PIF事務局にはそこから情報を取るようにと回答したと記憶しています。


PIFという枠組みで加盟国以外の国と正式に外交ルートでやり取りする場合、PIF事務局長は議長国と密に連絡を取る関係にあるため、議長国の外交ルートでやり取りするというのが一つのやり方のような気がします。

現在の形
(太平洋島嶼国)−(PIF議長国)−(PIF事務局・事務局長)−(日本)

これを(PIF議長国の下には他の太平洋島嶼国が繋がる)
(PIF事務局・事務局長)ー(PIF議長国)−(日本)
                I
        (太平洋島嶼国・PIF加盟国地域)

と考えるのも一つのやり方のような気がします(議長国は国なので、国と国の関係で情報の扱いも信頼できるので)。

PIFの中心性は、PIF事務局の中心性をとは違うということかと思います。