フィジー、新しい時代への過渡期か [2023年01月06日(Fri)]
PACNEWSが年末年始休暇に入っているため、ここに書いておこうと思います。
フィジーではランブカ首相の下、100日間の前政権レビューが進められています。一方で、ランブカ首相は野党フィジーファーストおよびバイニマラマ前首相に対して国を前進させるために、課題に応じて共闘するよう呼びかけていました。 野党フィジーファーストの方では、議会野党党首としてバイニマラマ前首相がSNSなどを通じて例えば新政権による政府職員の雇用や幹部レベルの進退に関わる動きに関して懸念を表明しています。脅されたというクレームも受けているとしてランブカ首相を非難する部分もありました。しかし、この発言は国内の人々の対立を煽るものだとして、与党側が反応しており、今日のランブカ首相の声明では、バイニマラマ前首相に対して証拠を出すよう要請し、証拠が出せないのであれば法的措置を行うと述べていました。 フィジーファーストNo.2のサイエド=カイユム前司法長官については、バイニマラマ前首相が同氏を憲法評議会メンバー候補としたことで、憲法規定(議員は政府の公職に就くことはできない)により議員資格を失いました。これを受け、バイニマラマ前首相はカイユム氏を取り下げNFPの前議員を推薦しましたが、時すでに遅し。カイユム前司法長官は議員資格を失った上、憲法評議会のメンバーからも外れてしまいました。 バイニマラマ前首相は、自身が議会で、カイユム前司法長官が議会の外から、新政権に対峙するとしていますが、カイユム氏はフィジーファースト党の役職からも離れる必要があるとのこと。これに対し、現地では、フィジーファーストは彼らが主導して作った2013年憲法の罠に自らはまってしまったという声や、カイユム氏が公的立場から徐々に離れるためにわざととった策略だという声もあるようです。なお、カイユム氏は、選挙後にインド系住民が被害にあっているといった虚偽の話を流布したとして、フィジー警察の参考人とされています。現在豪州に滞在中ですが、帰国次第、参考人として身柄が拘束されるとの通達が出ています。 3党連立政権は試行錯誤もあり、大臣により(19名が大臣)問題もあるようですが、一方で、最大政党としてゆったりと構えるとみられていたフィジーファーストが自壊し始めているかのようです。 |