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PIF首脳(フィジー、サモア、PNG)がミクロネシア諸国に謝罪したが、、 [2021年04月30日(Fri)]

数日前、PIFの臨時首脳会合があり、その場で、ミクロネシア諸国5カ国首脳に対し、フィジー、サモア、PNGの首脳が謝罪したとの報道がありました。

メンツを重視する島嶼国首脳が、謝罪をするというのは大変珍しいことだと思いますが、違和感を感じます。かえって、ミクロネシア諸国を軽視しているように。

疑問点は次のとおり。

・なぜ、この3国が謝罪したのか。
・米国自由連合国ではないナウルとキリバスを翻意させることで、ミクロネシア5国の結束を揺さぶる作戦ではないか。
・そもそも、首脳として紳士協定に関わっていた当人のプナ前首相が、自ら紳士協定を破り出馬した結果であるが、その点が無視されている。
・謝罪しようが、プナ前首相がPIF事務局長という決定を覆すものではない。
・クックは親中国で、パラオは親台湾。そのクックがパラオが積み上げていたプロセスを壊した。表向き、この点が理解されていない。
・課題別の地域機関にはミクロネシア諸国は残るので、なぜPIFから抜けると言っているのか、その本質が南側の強い国々には理解されていない。
など。

特にナウルは創設メンバーでもあり、ナウルとキリバスがPIFに残るのは自然な流れだと思います。米国自由連合国がどう考えるか、米国との交渉もあったことからミクロネシア連邦は独立以前からPIFの枠組みを重視していたり、マーシャルは核問題で米国と交渉が必要であるため地域枠組みは重要な時期があったので、3国が全く同じところにいるわけではありません。

謝れば済むという浅い話ではないし、今回はミクロネシア5カ国の結束を揺さぶり、まずナウルとキリバスを翻意させることが大きな目的だったのではないかと勘繰ってしまいます。
フィジー、インド二重変異株(B1617)発見 [2021年04月30日(Fri)]

やはりフィジーに新型コロナウイルスのインド二重変異株(B1617)が入っていたようです。

4/30付RNZ
https://www.rnz.co.nz/international/programmes/pacific-waves/audio/2018793512/fiji-authorities-scrambling-to-curb-covid-19-outbreak

4/28付RNZ
https://www.rnz.co.nz/international/pacific-news/441402/two-more-covid-19-cases-in-fiji

今のところ、太平洋島嶼国ではフィジーだけでB1617が見つかっているとのことですが、近隣諸国への伝播がないよう人の動きを制限する必要があります。

太平洋島嶼国の大きな問題は、医療体制が弱いため、できる限りコロナ感染者がでないように、少なくとも市中感染が広がらないようにしなければならないところにあります。

さらに、独立している太平洋島嶼国ではPNGとフィジーを除き、市中感染、感染爆発を経験していないので、おそらくその厳しさに対する実感がないと思われます。多くの島嶼国はこの1年、厳しい水際対策により実質的なコロナフリーを維持してきましたが、今後複数の変異株を含むコロナウイルスが一度に入る可能性もあり、一度市中感染が見つかれば、パニックに近い状況が発生するかもしれません。当局から住民への正確な情報提供が重要だと思います。

フィジーに戻ると、季節はこれから冬に向かうので、6月頃からは気温が下がり始めます。20度を切る日もあるでしょう。感染拡大を抑えられるか否かの瀬戸際だと言えます。
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