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住民の視点と外部からの視点 [2020年07月03日(Fri)]

先日のキリバス大統領選挙についてですが、現地の一般的住民の視点から見れば、第1に候補者2名の比較、第2に自分たちの生活に直接かかわるメリットの比較、その他があり、次いで中国との国交という課題があったのだと思います。

中国云々を除いて、マーマウ大統領が行ってきたことを見ると、経済成長政策に特徴があります。

前政権時代は、入漁料収入の急増の一方で、経済成長抑制策が取られていました。一つには社会の大きな変化・文化破壊を避ける意味がありました。自分は、後発開発途上国(LDC)卒業でもたらされるデメリットを避けようとする意図もあったのではないかと思っています。例えば、卒業してしまうと、援助が贈与ではなくローンになることが多く、パラオはその厳しさに直面しています。

いずれにせよ、前政権時代は、入漁料収入で得た果実を将来のために蓄えておくという方向性があったと思いますが、マーマウ政権ではそのメリットを国民に還元する、社会経済レベルと一段アップさせるという取り組みを行い、国民はその違いを感じていたものと思います。

2017年頃(2016年かもしれません)、マーマウ大統領が600百万米ドル(600億円)をこえる自国の歳入安定準備基金を担保に、インフラ整備資金を先進国からローンで調達しようとしたとき、いずれも賛同されませんでした。そこで、民間銀行から調達すると発言したものの、これも批判されたというニュースがあったと思います。

シンプルに、マーマウ政権は、入漁料収入急増→自国社会経済発展に活用、そのためにインフラ整備・内需拡大、という方向で物事を進めています。その過程で、台湾と中国を比較したときに、中国が選ばれた、ということでしょう。


一方、2017年頃の件について、果たして、先進国側(台湾を含む)はただ単に開発投資を拒否したのでしょうか。恐らく、持続可能性、より細かく言えば、現地のインフラ維持管理能力を見ているので、急激な開発ではなく、段階を踏まなければならないと考えたのではないでしょうか。

以前ある専門家が言っていました。オフィスの天井が落ちていても気にせず放っておく。ドアノブが壊れていても、直せるものなのに直さない。基本的に物が壊れるまで使い倒し、壊れたら捨てて、新しいものを求める。まずは維持管理能力を高めるべきだと。


とはいえ、大統領選における住民の優先課題に関わらず、中国か台湾かという海外の視点で言えば、キリバスの人々は中国を選択したと判断されます。現地の細かな実情は考慮されません。勝利者は、これを機に、より自信を持つことになるでしょう。

中国がプロパガンダを行っているという話もありますが、それが現地の法律に違反していないのであれば、それは批判されることなのか。法律を変えるか、反対勢力側も同じ法律の下で対抗するしかないのではないか。自分が見てきた経験で言えば、中国の外交団はプロフェッショナルで、丁寧にマメに戦略的に外交を行っています。その積み重ねが結果として表れているのでしょう。


キリバスは、かつて冷戦時代に、米国との漁業交渉がうまくいかないとき、ソ連と漁業協定を結んだことがありました。骨のある国との印象です。まず自国の意思があり、それに合う外交関係を選択してきたのだと思います。

台湾から中国に切り替えるときにも、おそらく究極的に決定されるボタン、もしくはラインがあったものと思います。それが大規模資金の要請ということであれば、かつてガンビアなどの場合と同じで、台湾はそれに乗ることはできないし、する必要もないでしょう。


今後について、幾つか考えられることがありますが、余りにもドラスティックなので、共有するのはやめます。世界情勢をしっかり追いかけつつですね。
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