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米国・米国自由連合国、コンパクト交渉開始(5/27) [2020年06月01日(Mon)]

米国国務省のプレスリリース。

https://www.state.gov/first-round-of-2020-compact-negotiations-with-the-republic-of-the-marshall-islands-and-the-federated-states-of-micronesia-and-compact-review-discussions-with-palau/

かつて日本国内では、コンパクトというと、米国と自由連合国間の援助協定といった見方が主流だったと思います。自由連合国というのはパラオ、ミクロネシア連邦、マーシャル諸島。

しかし、実際は、戦後の国連の下での米国信託統治領から自治権を獲得する際の取り決めで、現在の自由連合国の地位を確保している協定と言えます。

国連の信託統治領ですが、国連の枠組みではこれらの地域に自治権を付与する、住民の意思によりますが、信託統治領というのは、そもそもが、基本的には独立させるための過渡期、保護期間のようなものであったと言えるでしょう。

冷戦を背景に、戦略上、米国はこれらの地域を手放したくないという見方もあったようです。そのため、現在の自由連合国は、主権獲得のためにかなり苦労したという話を当時を知る現地の方々から伺ったことがあります。


ここでは詳細を書きませんが、コンパクトは統治、経済関係、安全保障・防衛、一般規定の4編からなります。肝は、これらの国々の国民は、米国領内で米国市民と同等の立場を得られるということ、安全保障・防衛の権限・責務は米国が有するということ、経済自立のための経済援助があるということ。

各国の協定を見てみると、それぞれの事情により、細かな違いがあります。

一番大きいのは、協定の期間。

ミクロネシア連邦とマーシャル諸島は、第1次コンパクトは発効から15年間で改定か否かの交渉(2年延長あり)、第2次コンパクトは20年有効で再交渉。つまり第1次コンパクトは1986年10月〜2001年+2年(2003年9月)。第2次コンパクトは2003年10月〜2023年9月。両国の事情により付属のサブ協定がいくつかあります(詳細省く)。ターミネーションの項目もありますが、その場合、ミクロネシア連邦、マーシャル諸島側が失うものが非常に大きい印象です。

パラオは、第1次コンパクトが発効から50年有効であるので、1994年〜2044年。その中で、経済協力に関しては、15年毎に見直すとあります。パラオの場合には、経済協力の内容が詳細で、例えば具体的なインフラ整備やメンテナンス費などが記載されています。

そのため、今回の国務省発表では、ミクロネシア連邦とマーシャル諸島に関しては、Compact Negotiationsといい、パラオに関してはCompact Review Discussionsと区別しています。


経済協力・財政援助についてですが、開発協力の視点から言えば、英連邦系のように、自立を促すようにある意味突き放す方が良いのだと思うし、米国も自立を促すという考え方が基本だと思います。

他方、仮にコンパクトによる経済協力・財政援助が無くなったとしても、例えば特別な開発協力の取り決めを結ぶとか、自由連合国市民は米国市民と同等の立場であるため連邦プログラムによって支援するなど、いろいろなやり方があると思います。

実際には、新型コロナウィルスの影響で各国経済が厳しい状況にあるので、それを踏まえた議論、交渉が行われるのでしょう。




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