ReliefWebの方では、毎日情報がアップデートされています。衛星写真も使用されているので、把握しやすい。
各国の国家災害管理局が実際の現場での対応に直接かかわる一方で、UNOCHAなどが全体を把握し、情報を整理し、正確な被害状況の把握を支援しています。
各国の支援に関しては、事前準備、災害発生直後、復旧時の3フェーズがあるとします。
事前の警戒態勢については、例えばフィジー気象庁がサイクロン予測進路を自国および周辺国と共有しますが、その設備および技術支援を日本が行っています(機材、専門家派遣)。さらにその情報を住民に伝達するために、携帯電話、ラジオ、テレビ、SNSなどが活用されますが、離島に対してはラジオが効果的で、ここにも日本政府は設備強化支援を行っています。避難所建設も日本政府は無償資金協力で支援しています。
災害発生時には、これはもう、事前準備にかかっており、住民が如何に正確な情報を得て、備えるかにかかっています。必要であれば早めに近くの避難所に移動するなど。ここでは、国における首脳のリーダーシップも重要です。明確で、簡潔なメッセージを伝えられるか。
例えば、フィジーでは、「強大なサイクロン」「ブレイス(備えろ)」「女性と子供を守れ」「避難所へ」など明確です。
発生直後には、フィジーであれば即時対応として、フィジー政府の要請を受けたニュージーランド軍やオーストラリア軍が輸送機を派遣し、物資などを提供します。人的被害が発生していると予測される場合には、フィジー軍による災害救援が行われ、よりひどい場合にはニュージーランド、オーストラリアの支援を得る形になります。
その後、情報を集約する期間があります。この期間の長さは、短い方が良いのですが、島嶼国では、都市部では情報を取りやすいのですが、村落部や離島部の状況把握には大変時間がかかります。離島部には警備艇やヘリなどを派遣したり(この場合、豪州やNZになるものと思います)しますが、その範囲と距離とで時間がかかります。
ReliefWebの資料を見ると、UNTAR(国連訓練調査研究所)がそのプログラムであるUNOSATによる衛星画像データを基に、各地の情報を作成しているようです。
復旧支援期においては、各国の国家災害管理局により、UNOCHAとの関係性は異なると思いますが、UNOCHAのデータも活用し、被害状況、必要な支援を取りまとめ、開発パートナーに支援要請を行うこととなります。
自分が関係していた頃は、タイミングにより異なりますが、水を確保するための簡易ポリタンク、毛布、発電機、テントなどが要請されることがありました。
ReliefWebによるアップデートは下記のリンクから。
4/9付、バヌアツの状況報告
https://reliefweb.int/report/vanuatu/pacific-humanitarian-team-vanuatu-tropical-cyclone-harold-situation-report-9-aprilバヌアツ第2の都市ルーガンビル(エスプリトゥサント島)の衛星データ
https://reliefweb.int/map/vanuatu/damage-assessment-luganville-municipality-sanma-province-vanuatu-9-april-20204/9付、フィジーの衛星写真を使用した現状被害解析
https://reliefweb.int/map/fiji/preliminary-satellite-derived-damage-assessment-central-division-republic-fiji-9-april-2020自分が悪意のある勢力側であれば、このような災害時は影響力を強化できる機会でもあります。上記、ルーガンビルは、2年ほど前から港湾改良に関して話題になっていた土地でもあります。