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マーシャル諸島で初の新型コロナウィルス感染の疑い [2020年03月05日(Thu)]

マーシャル諸島のラングリン国家災害管理局長が、現地保健次官による3/5付通達を共有してくれました。

同通達によると、本日3/5、新型コロナウィルス19感染の疑いのある初のケースが確認されたとのこと。現地では該当者をPUI:Person Under Investigationとして、感染者ではないと強調しています。

その人物は、マジュロ在住の66歳の男性で、先ごろ、米国ワシントン州から帰国したそうです。検体は米国CDCに送られ、検査結果を待つ段階とのこと。

またマーシャル諸島政府は、WHOおよび米国CDCと日常的に連絡を取っているそうです。


以下、私見になります。

先日のパラオでの疑いのケースは米国から渡航した米国人、今回の疑いについては米国から帰国したマーシャル人です。パラオへの渡航やマーシャルへの帰国など、母数がそれほど多くないケースだと思います。そう考えると、米国内では、既に市中感染が広がっている可能性があるのではないでしょうか(印象では、マーシャルの人は、アーカンソー州、ハワイ州、カリフォルニア州サクラメント、ワシントン州シアトルに居住するケースが多いように思います)。

米国からマーシャルへの渡航は、ハワイ経由となるのが一般的です(他にはグアム経由もあるが...)。


実際の感染拡大への対応の深刻さに加え、おそらく各国の外交当局は外交的イメージに関する戦いが行われているのだと思います。特に途上国におけるWHOの影響力は非常に強く、少なくとも日本が悪者と印象づけられないように注意が必要でしょう。

WHOのサイトを見ると、台湾は中国の一部として扱われています。かといって中国当局が台湾当局を管轄しているわけではなく、台湾はWHOの枠組みから外れたまま、おそらく安全保障上の脅威として、当初から強い危機感をもって対応にあたっていると思われます。WHOに影響されない故に、台湾では素早い対応ができていたのかもしれません。

ちなみに、各国の連携先は、パラオが台湾CDCと米国CDC、マーシャルがWHOと米国CDC、トンガがWHOとニュージーランドとなっています。
NZが太平洋島嶼国の新型コロナウィルス対応を支援 [2020年03月05日(Thu)]

先ほどのトンガのニュースに関連し、ニュージーランドの対応についても3/5付現地マタンギ・トンガ紙が報じています。

https://matangitonga.to/2020/03/05/nz-supports-pacific-coronavirus-response

ニュージーランドは、太平洋島嶼国からの支援要請に応えるため、豪州と連携し、フィジー・スバのWHO事務所に対し、その太平洋地域コロナウィルス対応計画のために100万ドル(NZドルだと思います)を拠出したようです。

具体的な対応の一つとして、無償で太平洋島嶼国から検体を受けつけ、NZ国内の研究所(ESR)で検査するとのこと。

また、ウィンストンNZ外相は、WHOと連携しクック諸島に新型コロナウィルス19に備えるために、チームを派遣したこと、来週にはニウエとトケラウにもチームを派遣する計画と述べたそうです。(*クック諸島とニウエはNZ自由連合国であり、トケラウはNZ領です)
トンガで初の新型コロナウィルス感染者の疑い [2020年03月05日(Thu)]

今朝、トンガの友人から新型コロナウィルス19に関する連絡があり、検索したところ、昨夜、現地マタンギ・トンガ紙が感染が疑われる初のケースについて報じていました。

https://matangitonga.to/2020/03/04/suspected-case-coronavirus-tonga

概要は、以下のとおりです。

該当者は若いトンガ人女性で、シドニー滞在中にインフルエンザ症状が出たため、現地で診療を受けたところ、インフルエンザだけに罹患していることを確認し、3/2のフライトでトンガ(首都トンガタプ)に帰国した。

しかし、症状が改善せず、トンガタプのバイオラ病院で肺炎の症状が認められた。インフルエンザの場合、このような短期間(a few days)で肺炎に進展することはなく、新型コロナウィルス19に罹患している可能性があるとして、対応されている。

検体をニュージーランドに送っており、3日以内に結果が出る見込み。

トンガは、WHO支援を受けている。また、政府はその女性が搭乗したシドニー発のフライトの乗客、乗員、帰国後に接触した人々に対するモニタリングを行っている。

--- ここまで。

今朝の情報を見ると、豪州でも感染者数は増えており、南半球の太平洋島嶼国が水際でどこまで止めることができるか、気になるところです。
新型コロナウィルスによるパラオ観光部門への影響 [2020年03月05日(Thu)]

3/2付パラオ大統領府フェースブックから。

概要は「新型コロナウィルスの影響で、12月の訪問者数が前年同期比43%減。観光部門からの政府収入が減少することから、大統領は全閣僚に対し、注意深く支出を管理するよう求めた。」

ここからは私見になります。

パラオは1月27日に国家緊急事態委員会を開き、当時こちらのイベントで招聘中だったウェイミン国家緊急事態管理局長も日本からオンラインで参加しました。そこで、まず中国本土、香港、マカオからの入国を制限し、香港、マカオからの直行便を停止しました。

パラオのGDPは、規模として約300億円、官民比率が1:2、GDPの7割が観光部門に関係しています(ADB資料より)。

パラオの人口は約21,000人、内訳はパラオ人約13,000人、フィリピン人約5,000人、バングラデシュ人約2,000人、その他(日本人、欧米人、台湾人、中国人含む)となります。パラオ人以外の方々は主に民間部門に従事しています。

ちょっと古くなりますが、2014年のパラオ統計局の世帯収支報告書によれば、パラオ人労働力は約8,000人、その8割程度が政府部門とのことです。政府部門には中央政府や州政府が含まれます。

簡略化すれば、GDPの政府部門が100億円、それにパラオ人家計の8割が関係していることになります。

民間部門200億円を見ると、そのほとんどが観光関連になります。昨年のパラオ政府観光局(PVA)資料に基づく訪問者数(100人台以下切り捨て)は(左から、FY2008、FY2015、FY2018, FY2019| パラオの会計年度は10月から9月)以下のとおりです。*国の順番はパラオ政府のママ。

   FY2008 FY2012 FY2014 FY2015 FY2018 FY2019
日本 29,000人  38,000人、 38,000人、 31,000人、 24,000人、19,000人
韓国 14,000人  18,000人、 15,000人、 12,000人、 12,000人、11,000人
台湾 22,000人、 40,000人、 31,000人、 15,000人、 11,000人、14,000人
中国 634人、 3,715人、 21,000人、 91,000人、 50,000人、28,000人
   (香港、マカオ含む)
欧米 11,000人、 13,000人、 14,000人、 13,000人、 12,000人、11,000人

全体 83,000人、118,000人、125,000人、168,000人、115,000人、89,000人


2012年までは、シェアは日本、台湾がトップを争い、韓国と欧米が安定して12,000人前後というところでしたが、さらに観光部門を発展させるために官民が中国市場を開拓したことで、2012年以降、中国が増え、2015年からトップシェアを占める形となりました。中国がトップシェアを取る一方で、台湾が大きく減り、日本も減少気味になり、現在に至るというところです。

新型コロナウィルスにより、パラオ政府が中国からの渡航を制限したことで、一時的だとは思いますが、まず中国の部分が大減少し、他の国々も渡航者数は減ります。昨年2月は春節も関わっていたので前年比減少率は大きくなるのは当然でもあります。

先ごろ、韓国からの渡航も制限がかかっているため、頼りは台湾、米国、日本。ただ日本がいつまで制限なしで渡航できるのかは今後の日本国内の状況次第となるでしょう。米国が強い対応を示せば、少なからず影響があるものと思います。

民間部門は、かなり厳しい状況に直面することになり、特に中国、韓国の観光客に依存している業者は体力勝負となるでしょう。

パラオ政府・コロール州政府は観光に関わる税収・入域料が減少することになり、さらにPPEFという環境フィーが大きく減収となることで、州政府としては入漁料の代替財源・保護区ネットワーク登録保護区維持管理財源が厳しくなりそうです。

マリンサンクチュアリについては、EEZをクローズしたことで、7億円前後の入漁料収入が減っており、これをPPEFでカバーするという体制の維持が厳しくなる可能性があります。

世界的に新型コロナウィルスの流行がいつ収束するのか、あるいは予防ワクチンや治療薬が開発されるのかによるでしょうが、開発パートナー側には現地経済・現地政府財政に注目し、必要な支援を求められるようになるかもしれません。

パラオに限らず、今後、太平洋島嶼国各国では政府財政・国内経済(政府部門が強い国が多い)が危うくなる国が出てくると思います。しかし、開発パートナー側も経済インパクトがどこまで行くのか不明なところもあり、対外支出は、より戦略的なものにならざるを得ないでしょう(台湾は昨年2国減ってより集中できるので良かったかもしれないですね)。

そのため、今後、先進国側(米国、豪州、NZ、日本、台湾)が水面下で戦略を練り、中国の出方に注意しながら、手分けして先進国側の影響力を強化する必要が出てくると思われます。
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