CANPAN ブログ検索
Loading
  • もっと見る

« 2019年10月 | Main | 2019年12月»
プロフィール

塩澤 英之さんの画像
塩澤 英之
プロフィール
ブログ
最新記事
月別アーカイブ
カテゴリアーカイブ
<< 2019年11月 >>
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
RSS取得
https://blog.canpan.info/spinf_shio/index1_0.rdf
https://blog.canpan.info/spinf_shio/index2_0.xml
続マーシャル諸島総選挙2019(4) [2019年11月20日(Wed)]

マーシャルの選挙は、数票差で決まる場合も少なくないことや、国内各地に在住している人の不在者投票の集計などもあるため(例えば首都マジュロやクワジェリンのイバイ在住者が別の選挙区に投票するなど)、最終的な結果が出るには時間がかかります。

その状況下ではありますが、現地マーシャル・アイランズ・ジャーナル紙(先月、7〜8年振りに連絡すると、まだ自分の名前を覚えていてくれていました)が、新聞自体は週刊ですが、SNSを通じて速報を流しています。またマーシャル政府自身も途中経過を出しています。それらに基づくと、現状、以下の傾向があります。

1.ハイネ政権関連
ハイネ大統領 アウルでリードも2位と僅差
デイジー・モモタロウ ジャルートで3位、不在者分の集計結果に逆転を期す
デービッド・ポール クワジェリンで3位を死守
トーマス・ハイネ 当確
カラニ・カネコ マジュロ5議席中現在4位
トニー・ムラー マジュロで1位を争う状況
ブレンソン・ワセ マジュロで5位の議席を3者で争っている状況
ウィルバー・ハイネ 当確




2.野党側
クリストファー・ロヤック元大統領 アイリンラップラップで当確
アルフレッド・ジュニア 2位確保も3位と微妙な差

メイナード・アルフレッド 当確

ジェリワリック・アントンとマイク・ハルフェリー アルノで残り1議席を争う形
*ジーべ・カブア元が大量リード

キャステン・ネムラ ジャルートで1位当確の勢い

エルドン・ノート キリで落選濃厚 新人アルソン・ケレン(新1世代の実力者)が躍進

マイケル・カブア クワジェリンで1位当確
アルビン・ジャクリック 3議席中4位、厳しい戦い(新人キトラン・カブア躍進)

リキエップでハイネ大統領の主人とノート派カペレ元が接戦。カペレがリード。

マジュロで、新1世代の民間ビジネス界実力者、新人スティーブン・フィリップが1位争い、同じく新人サンディ・アルフレッドが3位争い。さらに実力者の女性新人候補ヨランダ・ロッジ=ネッドが僅差で他の2候補と5位争い。

ブルース・ビリモン 当確



政権側、野党側に限らず、古い議員が徐々に減っている様子が分かります。これまでのところ、個人的には、キリのアルソン・ケレン、マジュロのサンディ・アルフレッド、ヨランダ(厳しいところですが)などが、新しく加わることが望ましいです。

個人的な理想としては、国の将来を真剣に考えている(考え方を変えていないことと古いしがらみを捨てることを前提に)
・キャステン・ネムラ、アルソン・ケレン、サンディ・アルフレッド、ヨランダ、ケネス・ケリーらの新しい力
・アメンタ・マシュー、デニス・モモタロウ、デイジー・モモタロウなどの良心派
・ヒルダ・ハイネ
・ブレンソン・ワセやジョン・シルクなど、熟練閣僚経験者
・ジャック・アディング という頭脳派
・さらに新1グループの現職閣僚ら

これらが結束してくれると最終的な安定期突入前の最後の段階の形ができるように思います。

(つづく)



続マーシャル諸島総選挙2019(3) [2019年11月20日(Wed)]

マーシャル総選挙では、24の地方自治体の単位に毎に選挙区が設置されており、全33議席あります。今後、選挙結果がおそらく12月上旬に確定し、その後、1月(第2火曜か木曜だったと思いますが)、最初の国会(ニティジェラといいます)で、国会議長、副議長、大統領が議員による互選で選出されることとなります。大統領はその後(10日ほどの期限があると思いますが)組閣を行い、新しい政権がスタートします。

このような日程となっているため、マーシャル諸島では選挙結果確定から1月上旬までの約1カ月間、ロビー活動があちこちで行われることとなります。

AKA対UDPの時代(1999年と2003年の選挙のとき)は、誰が大統領になるかが選挙結果確定後にすぐにわかり、誰が議長や閣僚になるのかが注目されていました。しかし、2007年の選挙以降、政治の対立軸が伝統的酋長系と平民系に、ノート大統領阻止という軸(自分はその根底にマーシャル人としてのアイデンティティ・主権・主張の確保があると思っています。米国に対してハッキリと物を言うとか。単純化すれば伝統保守。)が加わり、さらにさまざまな利権が混ざったことで、政党の枠組みがあまり意味を持たなくなってしまいました。

対立軸が曖昧となった結果、政党は結束の弱い政治グループとなっていき、無所属議員も増えたことで、選挙後には多数派工作が行われ、その過程で誰を大統領とし、誰を入閣させるか、誰を議長・副議長をするかの議論が行われることになりました。

このようにマーシャルでは、選挙結果確定後、12月から1月が最も熱い時期になります。台湾や米国も情報収集が活発化するものと思います。

ここで改めて、2019年10月時点での現職議員を見てみます(名簿の原典はマーシャル米国大使館ウェブサイト、かっこ内は自分の見立て)。
*便宜上、キャステンやアルフレッドJrらを新1、新1と同時期の新人だが色が異なる人たちを新2、その前の新人無所属系および無所属を無所属、トメイン大統領系をUPP、ノート大統領系をノート派UDP、UPP後に残ったUDPのうち反ノート派を反ノート派UDP(多くがKEAとされる)、大酋長系(イマタ派)をAKA、チューレラン政権で超党派的に結束した人をKEA、ハイネ・ファミリー系をハイネ派とします。

2019.10現在(総選挙前情勢)
アイリンラップラップ(2議席)
クリストファー・ロヤック(大酋長、穏健なAKA)元大統領(2012-2016)
アルフレッド・アルフレッド・ジュニア(新1)前資源開発大臣(更迭)

アイルック
メイナード・アルフレッド(反ノート派UDP)(ノート政権閣僚)

アルノ(2議席)
ジェチワリック・アントン(新2、KEA)
マイク・ハルフェリー(新2、無所属)元法務大臣(更迭)

アウル
ヒルダ・ハイネ(ハイネ派、AKA系無所属、女性)大統領(2016〜)

エボン
ジョン・シルク(反ノート派UDP)外務大臣(ノート政権閣僚)

エネウェタック
ジャック・アディング(中道系AKA)法務大臣、トメイン政権時から入閣

ジャボット
ケーサイ・ノート(ノート派UDP)元大統領(2000-2008)

ジャルート
キャステン・ネムラ(新1、ノート元大統領に恩義)元大統領(2016)、住民中心
デイジー・モモタロウ(AKA系無所属、ハイネ派、女性)

キリ(ビキニ、エジット)
エルドン・ノート(ノート派UDP)

クワジェリン(3議席)
マイケル・カブア(AKA、大酋長)
デービッド・ポール(新1)大統領補佐大臣・環境大臣
アルビン・ジャクリック(反ノート派UDP)元議長(ノート政権閣僚)

ラエ
トーマス・ハイネ(ハイネ派、AKA)運輸通信大臣

リブ
ジェラコシ・ベジャン(AKA)

リキエップ
レアンダー・レアンダー・ジュニア(新2、AKA?)係争中、2019.8辞職

マジュロ(5議席)
カラニ・カネコ(新1)保健大臣
デービッド・クレマー(UPP系無所属、KEA、大財閥一族)新1世代
アントニー・(トニー)・ムラー(新1)公共事業大臣
シャーウッド・ティボン(新1)
ブレンソン・ワセ(反ノート派UDP)財務大臣(ノート政権閣僚)

マロエラップ
ブルース・ビリモン(新1、AKA系?)

メジット
デニス・モモタロウ(穏健派AKA)資源開発大臣

ミリ
ウィルバー・ハイネ(ハイネ派、AKA系)教育大臣

ナムリック
ワイズリー・ザカラス(新2、反ノートUDP系?)

ナモ
トニー・アイセア(AKA)

ロンゲラップ
ケネス・ケリー(中道無所属)トメイン政権時から国会議長、新1世代、国民中心

ウジャエ
アトビ・リクロン(AKA)

ウトリック
アメンタ・マシュー(UPP系無所属)内務大臣(リトクワ政権時に初当選・初入閣)人格者

ウォット
デービッド・カブア(AKA)

ウォッジェ
リトクワ・トメイン(UPP)元大統領(2008-2009)、大酋長、ノート政権時議長


次に、選挙前の内閣の顔ぶれです。
ヒルダ・ハイネ大統領(アウル:ハイネ派、AKA系無所属、女性)
ジョン・シルク外務大臣(エボン:反ノート派UDP、ノート政権閣僚)
ジャック・アディング法務大臣(エネウェタック:中道系AKA)
デービッド・ポール大統領補佐大臣・環境大臣(クワジェリン:新1)
トーマス・ハイネ運輸通信大臣(ラエ:ハイネ派、AKA)

カラニ・カネコ保健大臣(マジュロ:新1)
アントニー・(トニー)・ムラー公共事業大臣(マジュロ:新1)
ブレンソン・ワセ財務大臣(マジュロ:反ノート派UDP、ノート政権閣僚)
デニス・モモタロウ資源開発大臣(メジット:穏健派AKA)
ウィルバー・ハイネ教育大臣(ミリ:ハイネ派、AKA系)
アメンタ・マシュー内務大臣(ウトリック:UPP系無所属)人格者

これを見ればわかるように、もともと一枚岩ではなく、国の混乱を避けるという意思が働き、ハイネ派政権を支えてきた感があります(ノート政権否定、AKA系の古い政治からの脱却、利権排除などの緩やかなイメージで消去した中での集まり)。実際のところ、現職閣僚の中でもその手法やアイデアに問題がありそうな人たちも数名います。

(つづく)
続マーシャル諸島総選挙2019(2) [2019年11月20日(Wed)]

マーシャル諸島総選挙のニュースを追っていて興奮してきたので、少し基本的なところに戻って見てみたいと思います。

今回の選挙の注目は、現職と新人の争い。その際、与党(政権)側、野党側、両方がターゲットとなります。先に記した通り、マーシャル諸島では、2000年から2007年の期間については伝統的酋長系(特にクワジェリン側)のAKAと自由な平民系UDPの2つの軸があったところ、2007年の選挙の際にUDPの中心人物ノート大統領(当時)の3選阻止という新しい軸ができたことで、混乱が始まりました。

2007-2008には、UDPが分裂し、最初の反ノート側が3名ほどでUPPを形成し、また無所属新人5名が当選、しかし、その後、敵味方入り混じった多数派工作が続き、さらにハイネファミリーの塊ができ、現在に至ります。

途中で故チューレラン大統領がKEAという政党枠組みを作ったことで、名目上UDP(ノート派)、KEA、AKA、UPPの政党(政治グループ)と無所属ができていますが、政党政治にはなっていません。故に、自分としては次の安定期のための過渡期(議員の入れ替わりによる新しい政治の時代)とみなしています。

2015年の選挙後、期待されていた新人のキャステン・ネムラ、ブルース・ビリモン、アルフレッドジュニアらが新しい政治枠組みを作ることが期待されていましたが、2016年1月の大統領選出の際に、これらのメンバーがいる側(反ノートUDP中心)が反ノートUDPのアルビン・ジャクリック(古い従来の政治家となる)を大統領候補に擁立したことで、その新人グループが分裂し、ケサイ・ノートやAKA側にキャステンが大統領候補として引き抜かれ、逆転でキャステンが大統領に選出されました。しかし、その際、ノート元大統領が入閣する人事を行ったこととトーマス・ハイネを入閣させなかったことでハイネ一族(双方に合計7名ほどいる)が反発し、反ノートUDP、新人グループ、無所属議員に働きかけ、不信任案を可決、その後ヒルダ・ハイネ政権が誕生しました。

しかし、ハイネ大統領に対する忠誠心は弱く、閣僚になった新人議員らには職権乱用などの問題を起こす者が現れ、内閣はバラバラとなり、数名の閣僚(法務大臣や資源開発大臣など)が更迭されました。

今年の5月の段階で、ハイネ一族(7名・親類含む)を除く議員らがAKA、UDP(ノート派)、更迭された元大臣らが、恨みを持ったり、利己的な考え方により、反ハイネ一族で緩やかにまとまり、今回の選挙に至るという状況となりました。


今年の5月に聞いた話を今思い出しました。

マーシャルの選挙では24の選挙区(地方自治体のある枠組み。主に環礁ごと)が設置され、首都マジュロ5議席、クワジェリン3議席、アイリンラップラップ、アルノ、ジャルートが2議席、あとは1議席が配分されています(人口による)。全33議席。住民は自身の血筋の土地(父母合わせてたいてい4つほど)から1つの選挙区に投票することができ、どこの選挙区で投票するかは、選挙1年前に登録しなければなりません。

かつて、2007年の選挙ではウトリックで強敵ヤマムラ議員を倒しアメンタ・マシューさんを当選させるため、選挙の1年前に、マシュー一族が大量にウトリックの選挙区に登録し、翌年の選挙で勝利したという革命的できごとがありました。

ヒルダ・ハイネ大統領は、今回もアウル選挙区から出馬していますが、1年前の段階では、対抗馬は1人で、余裕で勝利が見込まれていました。そのため、地盤の弱い、ジャルートのデイジー・モモタロウ議員を再選させるため、かなりの数の自身の支持者をジャルート選挙区に登録させたそうです。しかし、その裏では、ステルス作戦が行われており、アウル選挙区に強力な対抗馬が擁立されることになりました。

そのため、今年5月の段階で、大統領自身のアウルでの選挙も決して安泰ではないという情報が流れていました。おそらく、反ハイネ政権側が、裏で謀っていたものだと思います。

(つづく)
| 次へ