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フィジー経済の雰囲気2019.11.19 [2019年11月19日(Tue)]

今年の2月にフィジーに来たときだったでしょうか、その前かもしれませんが、フィジー経済の雰囲気がちょっとネガティブになってきたように感じるとここに書いたことがあります。
今、ちょっとだけフィジーにいるのですが、現地のスーパーとか安全な時間帯に町を歩いて感じる空気はやはり楽観的ではありませんでした。

あくまでも直観であるのですが、政治だとか治安だとかを除き、経済面だけを見ると、2013年以前に雰囲気が似てきているようにとらえられました。

フィジーは民政復帰前の2013年末に、革新的な経済政策を導入することで国内総生産を上げ、債務許容量を拡大し、上向きのトレンドを形成しました。

GDPを構成する要素を見た場合に、1つは国民による国内消費を増やすために、可処分所得を増やす減税や無償教育制度の導入を図り、国内外のローンによる資金を調達し将来の経済を下支えするインフラ拡張・改善や建設部門活性化を図りました。観光業も海外からの直接投資も増えました。成長率で言えば年3〜4%。

まだ経済指標を確認していませんが、今の成長率は2%を割っているかもしれません。

頑張って背伸びしてきたものが、現実的な壁にぶつかりつつあるのかもしれません。

フィジーの債務は、全体でGDPの50%弱、その債務の3分の1ほどが対外債務というイメージです。さらにその対外債務の5〜6割が中国で、ほかにADBや世銀、マレーシアなどから資金を調達していたと思います。

このモデルは、過去5年間にフィジーの発展をもたらしました。しかし、仮に本当にGDPの成長が鈍化してしまうと、債務のGDP比が高くなってしまいます。

中国経済や韓国経済といった外的要因がどれだけ影響あるのかわかりませんが、地域の安定のためにも、この経済トレンドの変化が本格化する前に、何か方策が必要かもしれません。

フィジーの国際社会におけるプレゼンスが強化されていったこととは反対に、フィジーの足元ではジワジワと変化が起こっているのかもしれません。
続マーシャル諸島総選挙2019 [2019年11月19日(Tue)]

やはり重しが外れ、多くの新人候補が立候補したことで、先が読めません。
新人のラインの1つとしては、2015年の選挙で当選したグループの世代(40代から50代半ば)のトニー・ムラー、キャステン・ネムラ、アルフレッド・ジュニアなどに空気感としては似ている、かつてのノート政権時代に事務次官とか民間で活躍していた骨のある人たち。もう一つは、さらに若い人たち。

台湾の報道では、ヒルダ・ハイネ政権が継続しなければ、民間ビジネス界主導でマーシャルも中国にシフトしてしまうという怯えに近い話が出ていました。

実態はよくわかりませんが、かつての酋長系(故トニー・デブルム外相や故イマタ・カブア大酋長)に近い家系の人ほど、中国に親しい感情を持っているように見えますが、9月には超党派で台湾との国交維持を決議していました。

その点から言えば、ハイネ政権云々ではなく、議員が大きく入れ替わることがあれば、台湾としてはやり直しかもしれません。ただ、現地ビジネスは民間部門がパラオのような形ではないので、一部のビジネス界有力者が力を持つわけではないので、守る方も攻める方も単純ではないように思います。

ハイネ政権そのものとしては、5月の段階ですでに少数派になっており、反ハイネ家系が結束し、最大で9対24の圧倒的差がついていました。選挙が近いのと結束がゆるいことで、不信任案の採決はなく、今回の選挙に突入した形になります(マーシャルの選挙は1年前に選挙登録があるため、その頃から準備が始まっている)。

政権側としては、多くの議員が入れ替わった方が、良い面があるかもしれません。女性の結束などもありそうです。大統領が誰になるかは、また別の話になっていきます。
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