サモア外交活発化! [2020年03月12日(Thu)]
新型コロナで悶々とする中、明るいニュース。
サモアで外交関係が拡大・活発化しています。 サモアの駐フィジー大使の任命をトゥイラエパ首相が、現地ラジオ番組で発表しました。 任命されたのは、15年以上米国で活動していたAli'io'aiga Feturi Elisara駐米大使兼国連大使。サモアの本気度がうかがえます。ちなみに昨年11月にPIDF事務局長に就任したソロ・マラ大使も米国に長くいた方なので、サモアとフィジーの関係が面白くなりそうです。 フィジーとサモアは、伝統的にライバル関係にありますが、特に2006年12月のバイニマラマ軍司令官(当時、現首相)によるフィジー無血クーデター以降、サモアは民主化を求める立場でフィジーと対立、特にフィジーのバイニマラマ首相とサモアのトゥイラエパ首相は、感情的ともいえる対立があり、メディアを介したののしり合いに近い状況がありました。 これは無意識の結果かもしれませんが、例えば2015年5月の第7回太平洋・島サミットでは、日本の外務省が特に意図せず、トゥイラエパ首相とバイニマラマ首相が隣り合う配席をしました(フィジー首相の参加は2006年以来)。当時太平洋島嶼地域のメディアはこれを面白がって取り上げましたが、個人的には日本の外務省のヒットだと思います。平和国家日本らしい。 2018年5月の第8回太平洋・島サミットでは、共同議長がサモアのトゥイラエパ首相ということで、人づてにですが、バイニマラマ首相がトゥイラエパ首相が仕切る会議には出たくないという話があったが、最終的に安倍総理の顔を立てるということでバイニマラマ首相も出席したという噂がながれていました。少なくとも表面的には何ら意図せずも、日本だからこそ実現したのかもしれません。 少なくとも、日本では、数度、バイニマラマ首相とトゥイラエパ首相が直接顔を合わせたということになります。 そして2018年8月、当時PIF議長国であったサモアのトゥイラエパ首相がフィジーを訪問した結果、バイニマラマ首相と歴史的な和解が成立し、両国の関係が一気に改善しました。経済的にも両者にメリットがあります。その後9月のナウルでのPIF総会にはバイニマラマ首相は参加しませんでしたが、昨年8月のツバルでのPIF総会にはフィジーとしては2006年以来でしたか、バイニマラマ首相としては初めて、PIF総会に出席し、フィジーが完全にPIFの枠組みに復帰しました。 そういえば、フィジーでもサモアでも、英国、豪州、NZの大使は、高等弁務官(High Commissioner)ですが、フィジーとサモアの間ではAmbassadorなんですね。 また、「アピア(サモア)に初の英国高等弁務官事務所(大使館)が開館された」そうです(サモアオブザーバー紙 3/9付) 2018年4月、英国政府がロンドン・コモンウェルス会議の際に表明した高等弁務官事務所増設計画(10増やす)の一つになります。 サモアのアピアには、地域環境機関SPREP事務局、国連機関地域事務所(UNESCO、FAOなど)があります。英国政府は、気候変動問題や環境問題に積極的に関わっている印象です。 英国外交団は高等弁務官(大使)と9名の外交官で構成されているそうですが、アピアでのHC事務所建設が遅延したため、在アピア豪州高等弁務官事務所の一角を間借りしていたそうです。そういう関係性にあるのだなあと、ちょっとおもしろい。 また、その記事の中には、サモアが2022年のコモンウェルス会議をホストすると記載されています。間違いなく、今後2〜3年の間に、英国の太平洋島嶼地域におけるプレゼンスが高まるでしょう。上手くいくといいですね。 |