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フィジー:改めてPAP/NFP/SODELPA連立決定 [2022年12月23日(Fri)]

ブレーキングニュースでの発信は来週になりますが、先程SODELPAが正式にPAP/NFPとの連立を選択しました。
次は大統領の議会招集、秘密投票による首相選出、新政権誕生となります。

外交上の影響は表には制約がありますが、日本にとってはマイナスにはならないと思います。
全く異なる視点/フィジー [2022年12月23日(Fri)]

フィジーの状況は黙って見守るとして、SNSを追っているとランブカ元首相のPAP支持者の間では、インド系政権を倒した2000年の民間人スペイトのクーデターに対する見方が180度違うのかもしれません。
PAPが政権を作れば、スペイトを釈放するという話が出ていたり、そのクーデターを治めた当時のバイニマラマ軍司令官が悪人扱いされています。

ソデルパ元党首のケパさんを駐英高等弁務官にし、その後大統領にするという約束があったとの現地紙報道もありました。

新政権が発足すれば、職員の契約を簡単に切ることはできないと思いますが、政治任命は当然変わるでしょうし、あらゆる部分で徐々に変化していくのかもしれません。
フィジー政権交代へ [2022年12月20日(Tue)]

今日の夕刻、ソデルパがPAP、NFPとの連立を選択し、フィジーの政権交代が決まりました。正式には議会招集後、議員による首相選出で決まります。
現地のソデルパ支持者の間では、2006年のクーデターで先住民系住民が権利を失い、16年の圧政からついに解放されたとして、お祭り騒ぎだそうです。

果たして、彼らの中に、2006年以前の社会を知っている人がいるのかどうか。

まずは熱狂に浸る。

フィジーでは独立後、1970から1987までだカミセセ・マラ政権、1987にインド系政権ができると当時のランブカ軍司令官(軍は先住民系酋長の権利を守る役割があった)が2度のクーデターで倒し、マラ政権が復活、1992にランブカ氏があとをつぎ、1999年までランブカ政権。1997年には民族別の議席を確保する1997年憲法を公布。

そういった流れの後、2000年に選挙によってなぜインド系のチョードリー政権ができ、なぜ民間人スペイト率いる武装集団によるクーデターで倒れ、インド系住民が厳しい状況に置かれる事態が発生したのか、その後になぜガラセ政権ができたのか。なぜ2006年に無血クーデターが起こったのか。2006年以前の社会がどうだったのか、いずれ振り返る時が来ることでしょう。
ブレーキングニュース、アップしました:フィジー連立協議終了へ [2022年12月20日(Tue)]

先ほど、コメント付きで記事をアップしました。SODELPA内では、フィジーファーストにつくかランブカ元首相側につくかで意見が割れており、態度が煮え切らないガボカ党首は理事会の支持を失い党首の座から降りたことになっています(しかも2024年まで空席になるとか)。

現在現地から流れてくる情報では、SODELPAの理事会に、故ガラセ首相の未亡人が現れたとのこと。フィジーファースト打倒を望む人々の間で、これで流れがランブカ元首相支持に大きく向くと期待されています。結局のところは、2006年のクーデター以前の状況に戻そうという考えなのでしょう。

https://www.spf.org/pacific-islands/breaking_news/20221220-1.html
次のフィジー政権は?首相は? [2022年12月18日(Sun)]

選挙の結果、暫定ではありますが、現地と確認したところ、議席数は自分の計算と同じく、バイニマラマのフィジーファースト26、ランブカのPAP21、NFP5、ソデルパ3でした。

次の注目は誰が首相になるのか。最初の議会は12/28に召集されます。

首相は議会与党の党首が担うため、常識的にはフィジーファーストのバイニマラマ党首とPAPのランブカ党首が候補になります。

そこで、それぞれの全投票数に対する得票率をみると、バイニマラマが29.08%、ランブカが16.52%です。この割合は前回選挙ともほぼ変わらず、バイニマラマが広く支持を集めていることがわかります。

ランブカについては、過去に先住民系急進派の支持を得つつ、いずれもインド系政権を倒した2度のクーデター(1987)と1度のクーデター関与の疑い(2000)があり、特にインド系住民には支持が広がりません。

PAP・NFP・ソデルパが連立政権を樹立する場合、果たしてランブカで良いのかという議論が出てくるでしょう。ソデルパが排除したランブカを首相に立てることができるのか。かといって、NFPとソデルパの党首は首相とするには心もとない。

ソデルパは、ランブカを首相とするのか、バイニマラマを首相とするのか、究極の選択を迫られるようにも思います。

どのような政権になるにしても、これまでのように首相や司法長官が早急に決めていくという政治は行われなくなり、さまざまなイシューについて民主的な議論が必要になり、是々非々でついたり離れたりしながら物事が決まっていくのかもしれません。これまで以上に決定に時間がかかるようになる可能性もあります。

明日以降の現地の動向に注目していきましょう。
フィジーファースト単独過半数ならず? [2022年12月18日(Sun)]

先ほど、最終の開票結果が発表されました。

フィジーファースト 200246票(42.55%)
PAP 168581票(35.82%)
NFP 41830票(8.89%)
ソデルパ 24172票(5.14%)

これをドント式で計算し議席を配分すると、計算が間違っていなければどうやら次のとおりとなりそうです。

フィジーファースト 26議席
PAP 21議席
NFP 5議席
ソデルパ 3議席

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(作成:塩澤)

フィジーファーストが第1党の地位は確保しましたが、単独過半数28には届きませんでした。これでフィジーファースト26議席、PAP・NFP連合26議席と同数になり、ソデルパがカギを握る形になります。

議会招集は12月28日、それまでに政党間でさまざまな話し合いが行われるものと思います。フィジーファーストが野党になるにせよならないにせよ、これまで同党が決めて進められていたものについて、あらゆる物事に対して与野党間で話す必要が出てきます。ソデルパが是々非々となる可能性もありますし、ものによってはNFPとPAPが相容れないものの出てくるでしょう。

ある意味、これからが本当の民主主義社会としてのある意味「手間のかかる」プロセスが必要となり、議会での健全な議論が行われていくことが期待されます。ただし、PAPが有する恨みのような感情が表に出てくると、内政混乱につながる可能性があります。

PAPが主張していたGCCの復活には憲法改正が必要で、憲法改正には議員の3/4の賛成が必要です。2/3ではないところが、今後生きてくるでしょう。

バイニマラマ首相も、ランブカ元首相も高齢になってきています。今後4年間は、彼らに代わるカリスマが現れるのか、それともカリスマに頼らない民主的な政党政治に発展するステップとなるのか、フィジーにとって大変重要な時期になると思います。

議席配分については、フィジー選挙管理委員会の正式発表を待ちましょう。
フィジー選挙開票状況(現地時間2022/12/18 12:00)※ギリギリの状況 [2022年12月18日(Sun)]

先ほど、フィジー選挙管理委員会により投票所2071か所のうち2047か所の開票結果が発表されました。

フィジーファースト 200063票(42.60%)
PAP 167929票(35.76%)
NFP 41816票(8.90%)
ソデルパ 24191票(5.15%)

これをドント式で計算し、議席を配分すると、現時点では次のとおりとなります。

フィジーファースト 26議席
PAP 21議席
NFP 5議席
ソデルパ 3議席

fijielection202212181200.jpg

フィジーファーストの得票率がわずかに上がり、他の3党はわずかに下がりました。各党、最後の議席とその次点(かっこ内)に分配される票数は次の通りです。55議席目の票差はフィジーファーストとPAPでわずか62票。

フィジーファースト 7695(7410)
PAP 7997(7633)
NFP 8363(6969)
ソデルパ 8064(6048)

残りの未集計表数がどれだけ残っているか、どの地区のものかにより、ある程度の変化はあり得ますが、おそらくNFP5議席、ソデルパ3議席は変わらないものと思います。

仮にソデルパが現在の票数のままで(実際には5.15%だが)、5%未達として議席配分されないとすると、議席数は次の通りとなり、PAP・NFP連合がギリギリ過半数となります。
フィジーファースト 27
PAP 23
NFP 5

大勢として、第1党フィジーファースト、第2党PAP、第3党NFP、第4党ソデルパである点は変わらないと思います。PNGの選挙であれば、総督から第1党を中心に政権を作るよう指示が出ますが、フィジーは異なります。

本日中に最終結果が発表される予定です。
フィジー選挙開票状況(現地時間2022/12/17 22:00)※情勢変わらず [2022年12月17日(Sat)]

先ほど、フィジー選挙管理委員会により投票所2071か所のうち1706か所の集計結果が発表されました。

フィジーファースト 156490票(41.97%)
PAP 134829票(36.16%)
NFP 32544票(8.73%)
ソデルパ 19838票(5.32%)

これをドント式で計算し、議席を配分すると、現時点では次のとおりとなります。

フィジーファースト 25議席
PAP 22議席
NFP 5議席
ソデルパ 3議席

フィジーファーストの得票率がわずかに下がり、他の3党はわずかにあがっています。おそらくカウントされた投票所にそういった地区(北、東)が少なくない割合で含まれていたのではないかと思います。

ドント式で計算すると、最後の5議席は現状6000票台前半から半ばとなっています。(計算が間違っている可能性もあります)

fijielection202212172200.jpg
(作成:塩澤)

フィジーファーストが議席を伸ばすには、PAPにあと2万票ほど差をつけなければなりません。得票率で44%は必要でしょう。残りの投票所300か所超に西部に多い場合可能性がありますが、西部地区の残りが少ない場合、かなり厳しくなります。不在者票も万単位であれば影響がありそうです。
フィジー開票状況(現地時間1022/12/17 17:00)*FF厳しい戦いか? [2022年12月17日(Sat)]

フィジー選挙管理委員会のアプリで、開票状況が随時更新されています。現地時間2022年12月17日17:00時点の開票状況は以下の通りです(投票所2071のうち1374か所の集計終了)。カッコ内はカウントした票数に対する割合。5%を切ると議席が配分されません。

フィジーファースト 119871票(42.16%)
PAP 101318票(35.63%)
NFP 24720票(8.69%)
ソデルパ 15050票(5.29%)

これをドント式で計算し、議席を配分すると、現時点では次のとおりとなります。

フィジーファースト 25議席
PAP 22議席
NFP 5議席
ソデルパ 3議席

55議席に対して、過半数は28議席。現状、フィジーファーストが過半数を下回っており、これからの開票により、政権与党フィジーファーストとしては、これからどれだけ票をのばし、PAPと差をつけられるか、ぎりぎりの状況です。

仮に、この割合のまま結果が出た場合、PAPとNFPは共闘しているので、ソデルパがキャスティングボードを握ることになります。ソデルパが敵対するPAPとフィジーファーストを倒すことだけを目的に手を組むのであれば、PAP/NFP/ソデルパで28議席になります。

上記で、仮にソデルパが5%に満たない場合、フィジーファースト27、PAP23、NFP5となり、PAP・NFP連合が過半数となります。

残りの投票所が、西部地区、中央地区が多ければ、フィジーファーストが他党に差をつけることができる可能性が高いですが、北部と東部が多く残っている場合、フィジーファーストは厳しい状況になると考えられます。

一方、昨晩、PAPのランブカ党首と副党首が警察に聴取されるという報道がありました。理由は、開票作業への疑念を背景として、ランブカ氏が軍に行動を求めた疑いがあるとのこと。どこまで本当なのかわかりませんが、基本的な姿勢は変わっていないような印象を受けました。
フィジー選挙途中経過 [2022年12月16日(Fri)]

12/14に行われたフィジー選挙について、現時点での開票状況は、2071の投票所の1238か所の開票が進み、不在者票未集計段階のもので、以下の通りとなっています。

フィジーファースト 162,084票
PAP(ランブカの党) 115,358票
NFP 32,809票
ソデルパ 16202票(全投票数における割合が4.59%)

5%の閾値(得票率がこれを超えないと議席が配分されない)があるので、ソデルパが微妙ですが、上記の数字のまま、ドント式で計算すると、議席配分は以下の通りとなります。全議席数は51ではなく55だそうです。したがって、過半数は28。

1.ソデルパが残る場合
FF28議席
PAP20議席
NFP5議席
ソデルパ2議席

2.ソデルパに議席が配分されない場合
FF29議席
PAP21議席
NFP5議席

現在の票差を基準として、これがFF過半数のぎりぎりのラインということができます。

残りの開票結果により、FFと他の党の差が広がれば、FFの議席が増え、縮まれば過半数は難しくなります。また、ソデルパが5%を超えるか否かが重要で、5%が超えない場合に同党が獲得できる2議席が、FF、PAPそれぞれに1議席ずつ配分されます。

日曜に最終結果が出る予定ですが、上記の票数からFFとPAPの差が広がるか縮まるか。また、ソデルパが5%を超えるか否か、がポイントになります。

ブレーキングニュースにはこの経過をかけないので、急ぎ、ブログに記載しました。
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