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マーシャル:8/16 午後3時現在のコロナ感染者数 [2022年08月17日(Wed)]

現在、ミクロネシア連邦に続き、マーシャルで新型コロナウイルスの感染爆発が起こっています。両国では第一波であり、住民には我々の2年前の感覚に近いものがあると思います。ただし、オミクロン株であるため、デルタほど重症化率は高くはなく、外から見れば、ウイルスが弱まるまで2年半、良く粘ったといえるのではないでしょうか。ワクチン接種率は9割を超えているパラオよりも2割程度落ちますが、米国の支援でファイザー製のものが十分に行きわたっています(接種するかしないかは個々人の判断)。

世界がウィズコロナに向かう中、遅かれ早かれ両国は新型コロナウイルスが国内に入るはずであったため、いずれ通らなければならない道だったという見方もあると思いますが、残念ながら犠牲者も出ています。14日にはミクロネシア連邦のジョージ副大統領が逝去されました。

マーシャルには多くの知人、友人、その家族がいるため、誰に連絡すればよいのか迷います。また、状況が悪ければ大変だし、支援したくとも何もできないことは分かっているので、気持ちだけでも伝わる相手を選びました。

今朝、連絡があり、その家族(5名ほど)全員風邪のような症状があり、コロナ陽性だとのこと。その友人は陽性判明から1週間経ち、大分回復してきたようで、冗談が言えるくらいの状況でした。

何とか犠牲を最低限に抑え、ウィズコロナの世界に合流し、人の往来ができるようになればと思います(ミクロネシア連邦は8/1に国境封鎖解除、マーシャルは10/1に解除予定とのこと)。

ワクチン接種もソロモンよりは高く、パラオよりは低いので、それが致死率にどれだけ影響するのか気になるところでもありますが、パラオや他の島嶼国の例を見れば、大体1〜2カ月でピークアウトしています。両国では初めての経験であるため、住民がパニックにならないように為政者は落ち着いた態度を示しています。

パラオを見れば、1月〜3月の第1波の時には、住民の間にパニックになりかねない雰囲気や疑心暗鬼がありましたが、今ではコロナへの恐怖心はなく、自信をもって落ち着いて対応しています。ミクロネシア連邦もマーシャルも、今はつらい時期ですが、その先には新たな社会が待っていると思います。何とか無事、乗り越えて欲しいと思います。

※マーシャルの8/16 午後3時現在の累積感染者数は、全国 5468人、新規1391人、死者6人(マジュロ 4764人、998人、5人)。離島に広がると軽症でも治療ができないのが心配です。
厄介な印象 [2022年08月10日(Wed)]

先日、初めて新型コロナに感染し、一昨日くらいからようやくほぼ正常に戻りました。今は陰性になっています。
過去にザンビアで脳性マラリア4回、フィジーでデング熱に1回かかったことがあり、それらとは比較にならないくらい軽いものなのですが、新型コロナは個人的には結構厄介でした。

マラリアは治療法があり、遅れなければ命を落とす可能性は低いのですが、と書きつつ、当時をかなり大変だったのを思い出しました。ひどい時には1週間入院し、げっそり体重も減り、赤血球も減っていたので、回復まで3カ月はかかりました。コロナと比べるものではない。

デング熱の方が近い気がします。デングの場合は治療法はなく、症状にどう対応するかで、実際には自分の免疫力勝負。急激な40度の発熱と節々の痛み、味覚異常、食欲不振、などあり、解熱剤を飲んで1週間我慢するか、何も薬を飲まずに3〜4日耐えるかの選択肢がありました。1回目なので出血熱に発展する可能性が基本的になかったため、また仕事もあるので、自分の場合は後者を選びました。

デングの場合は、発熱がはっきりしており、とにかく水分を取りつつうなされていれば、ある時スッと抜ける。ただ回復期の3週間、倦怠感がひどく、歩くのも辛いものでした。

書いていて思いましたが、コロナは厄介だけどもワクチンを3回打っていたためか、症状は楽でした。

基本的に微熱、倦怠感、頭痛、食欲不振、嗅覚異常、咳程度で、それがピークもなくダラダラと10日ほど続きました。

熱は37.1〜37.4で大したことはなかったのですが、倦怠感と頭痛が厄介でした。起き上がり、30分ほど作業をするとたちまち倦怠感が襲い、熱が出て、頭痛もひどくなり、咳も出始める。これが10日間。咳が止まらない時には、悪化したらどうしようかと不安にもなりました。

倦怠感はやる気を削ぐし、読み書きに時間をかけられず、頭痛も加わり、ある程度体は動くのに使い物にならない。

10日ほどすると、熱が36.6前後に安定し、倦怠感が抜け、食欲も嗅覚も戻りました。人によって症状は異なるようですが、印象としては、風邪とは違うしつこさがあり厄介なものでした。

現状どこでも感染する可能性があるので、免疫力が落ちないような日々の生活が大切だと思います。
パラオ 2/14 [2022年02月15日(Tue)]

パラオ保健省による2/14時点のコロナ感染状況は次のとおりです。
新規 123
累計 3256
入院 15
死亡 4

この週末に3名が亡くなったようであり、少なくとも1名は新型コロナウイルスが直接の原因とのことです。

この数字をどう見るか。例えば、パラオから米軍に参加しイラクやアフガニスタン戦線で1名でも亡くなれば、大変大きな貢献として扱われます。

他方で、経済を回して、日常生活を維持することを優先するために、防ぐことが出来なかった犠牲と見るか。この場合、複雑な感情をもたらすと思います。

現在、教育省は学校を再開していますが、登校させない家庭もあるようです。国はロックダウンを行わない一方で、州単位では外出禁止など人の往来を制限しているところもあるようです。

明日、大統領府が記者会見を開くそうなので、大統領が何を語るのか。それを受けて、国民が何を思うのか、気になるところです。
ソロモン、キリバス、パラオ 2/7 [2022年02月08日(Tue)]

1月から感染爆発が起こっているソロモン、キリバス、パラオの2/7現在のWHOの情報を見ると、次のような違いが見えてきます。

ソロモン(1/19頃〜)人口約60万人
累計 3182人
死者 33人(他に家で亡くなっている方がいる可能性あり)
ワクチン接種 1回以上197,796人、うち2回済80,001人
ワクチン接種率(全人口比、目安)1回以上約33%、2回済約13%

キリバス(1/24頃〜)人口約11万人
累計 1543
死者 0
ワクチン接種 1回以上74,579人、うち2回済46,015人
ワクチン接種率(全人口比、目安)1回以上約68%、2回済約42%
※ただし、キリバスの場合、人口が密集する南タラワだけを見れば接種率は高いはず。

パラオ(1/7頃〜)人口約2万人
累計 2556
死者 0
ワクチン接種 1回以上19,335人、うち2回済17,048人
ワクチン接種率(全人口比、目安)1回以上約97%、2回済約85%

これを見ると、ワクチン接種率が極めて低いソロモン諸島では、死亡数が感染者数の1%ほどであり、デルタ株の感染爆発があったフィジーの死亡数の感染者数比である1〜1.5%と同等の犠牲者が発生しているように見えます。

ソロモンでワクチン接種率が低いのは誤情報や住民の意識による忌避感が強く、昨年来、ソガバレ首相が住民に推奨しても進みませんでした。現状がその結果を示しているかもしれません。

キリバスの場合は、まだ様子を見た方が良いかもしれませんが、感染の広がりに比べて、まだ死者は出ていません。


パラオの場合は、先ほど2/8午後3時30分時点の同国保健省発表情報を見ると、新規127人、累計2,843人と新規感染者数は高止まりを続けています。気になるのは入院数で、現在22人、うち9人がコロナが原因、13人は既往症の悪化となり、少しずつ増えています。ワクチンの効果で症状悪化が抑えられているけれども、時間をかけて状態が悪くなる方が増えているのかもしれません。入院患者10名でも医療逼迫との話がありましたので、社会的な影響は大きくなっていると思われます。

今日は久しぶりに古いパラオの友人と話をする機会があり、ある事例を教えてもらいました。プライベートクリニックにコロナ陽性と思われる患者が検査に訪れたことがあったそうです。その患者は検査の結果、陽性と判明し、その医院の看護師や職員は1名を除いて全員陽性になったとのこと。

怖いのは陰性だった方で、何度検査しても陰性でしたが、最初の患者が医院を訪れてから5日ほどで、その方の奥さんと子供は陽性になったそうです。その職員はそれでも陰性でしたが、最初のコンタクトから8日目に陽性に転じました。陰性とされた8日間に、その人は周りに感染者を増やしたことになります。

その友人は、今回の感染爆発についても同様のことが起こったのではないかといっていました。グアムからパラオへの渡航者は全員検査で陰性でしたが、8日後以降に陽性に転じ、その結果、市中感染に繋がり、感染爆発に至ったのではないかと。コロナフリー、コロナゼロを維持するには、厄介な性質だと言っていました。

現在、太平洋島嶼国は、世界各国が1〜2年前に経験したことを経験し始めていると言えます。救い
なのは、現在従来株やデルタ株ではなく、比較的症状が軽い(肺の深くまでウイルスが影響を与えない)と言われるオミクロン株が主流とみられることです。

今月どのように遷移しているのか、気になるところです。
パラオ 2/3 [2022年02月04日(Fri)]

パラオ保健省2/3午後3:30発表の情報です。

新規 175(検査数663)
累計 2115
回復 850
入院 14

入院数が2日前の9人から5人増えているのが気になりますが、13人が既往症の悪化によるもので、コロナが直接の原因の方は1名のみとのこと。

まだ時間がかかりそうです。経過を注視していきましょう。
パラオ 2/1、キリバス [2022年02月02日(Wed)]

パラオ保健省発表、2/1 午後3:30現在の感染者数は次のとおりです。
新規 177
累計 1810
入院 9
回復 569

入院患者のうち、コロナによる方は2名のみ。7名は既往症による。


ワクチンの効果でしょうか、入院患者は増えていません。落ち着いて、ピークアウトを待つということでしょう。


一方、キリバスでは、感染拡大が続いており、2/1時点で、新規感染者がタラワで155名、ブタリタリ(マキン)で14名。離島に広がりつつあると見られます。累計629名、そのうちブタリタリが23。

ブタリタリはギルバート諸島に属し、タラワの北方にあります。マキン・タラワの戦いで知られるマキンのあるところといえば良いでしょうか。

保健医療体制は、パラオよりもキリバスの方が弱く社会情勢も異なるので、この1カ月で両国の情勢がどのように変遷していくか注視したいと思います。

キリバスにも友人がいるので、なんとか無事に乗り切って欲しい。
パラオ 1/27 [2022年01月28日(Fri)]

パラオ保健省による1/27午後6時発表、新型コロナウイルス感染状況です。
http://www.palauhealth.org/COVID-19-update/Palau%20COVID-19%20Updates.PNG

---------------
新規感染者 124名
累積 1022名(126名回復)
アクティブケース(自宅隔離など)896名
入院患者 11名
---------------

入院患者が3名増えました。

昨日のニュースでは、伝統的権威(酋長)による酋長評議会(COC)が政府にロックダウンを行うよう助言したものの、政府はこれを拒否したというものがありました。

ゼロコロナもしくはコロナフリーは不可能な状況に転じているため、現在のポイントは、医療機関のキャパシティを超えるかどうかというところだと思います。キャパシティを超えてしまうと、コロナに限らず、普段は助かる方が助からなくなる可能性が出てきてしまいます。

それを踏まえれば、新規感染者数の増加割合を下げる、すなわち感染拡大スピードをできるだけ遅くし、山をなだらかにする必要があるのだと思います。その観点からCOCが助言したのでしょう。

COCは本来、パラオの伝統社会が現代社会により影響を受ける可能性がある際に政府に助言を行うことができますが、民主的な選挙で選ばれた方々ではないため、政府を超える権限はありません。そのため、政府がCOCの助言に従う必要はありません。

現地のパラオ人の友人から話を聞くと、先日亡くなったコロナ陽性であった入院患者について、政府は米国CDCと台湾新光病院による検査結果をもとに、コロナではなく呼吸器系の既往症の悪化によるものと発表していますが、住民の間では、本当の原因についてはっきりしていないとの認識があり、懸念を強めているとのことでした。

また、現在パラオでは医師を含むほとんど全ての医療従事者がコロナに集中しているため、コロナ以外の病気の方が病院に行けなかったり、医師との予約が取れなかったり、処方箋をもらいにくくなり薬を得にくくなっていることが問題になっているようです。これまで他の国でも発生したコロナから派生した問題が起こっているようです。

少しでも感染拡大を抑えられれば良いのですが、現在の累計感染者数が人口の0.5~0.7%程度であり、状況が落ち着くにはまだ時間がかかりそうです。
パラオ 1/26 [2022年01月27日(Thu)]

パラオ保健省発表、1/26午後6時付けの新型コロナ感染状況です。
http://www.palauhealth.org/COVID-19-update/Palau%20COVID-19%20Updates.PNG
--------------
新規感染者 141名
累計 898名
回復 121名
入院 8名
---------------

昨日のニュースでは、入院患者が1名亡くなりました。ただし、政府発表(パラオ保健省、米国CDC、台湾新光病院の検査に基づく)では、死因はコロナではなく、呼吸器系の既往症悪化とのことでした。

ワクチン接種率の低いソロモン諸島では、PNGからの船による違法渡航者から感染拡大が始まったとの情報がありますが、比較すると、ワクチン接種率の高いパラオでは入院患者数が低く抑えられている印象です。

またパラオ内では、1万数千人の人口で、毎日100人以上新規感染者が出る現状をみると、感染者や濃厚接触者を隔離することにどれだけ意味があるのかという意見も出始めているようです。

パラオでは今のところ重症化率は低いように見えますので、パラオの皆さんには落ち着いて対応していただきたいと思います。
パラオ(1/24)+キリバス、サモア [2022年01月25日(Tue)]

パラオ保健省が発表した1/24午後6時の新型コロナウイルス感染者情報です。

・新規感染者 149名
・累計 651名
・回復 56名
・入院 9名

1日の新規感染者数は人口の約1%、入院患者が5名増えている点が気になります。これまでの日本や海外での傾向を見ると、感染者の波から1〜2週間遅れて中等症、重症者の数が増えていくようなので、これから1週間の入院患者数の増減を注視したいところです。尚、保健省によると、入院患者の容体は安定しているとのこと。ワクチン接種の効果で、この状況に抑えられているのかもしれません。

太平洋島嶼国の中には国境を閉鎖していたために、海外に渡航していた自国民が約2年にわたり帰国できない状況が続いていました。そのため、そういった国でも、ワクチン接種を急ぎ、検疫体制、検査体制を整え、臨時便で帰国させる取り組みが始まっています。ただし、感染地域(ほぼ世界中ですが)から人が入るということは、ウイルスの侵入が想定されます。

キリバスでは、1/14のフィジーからの帰国便搭乗者54名から、1/22時点で計36名の陽性者が見つかったため、外出禁止令とロックダウンによる住民の行動制限が導入されています。
https://www.facebook.com/ob.gov.ki/posts/239413675033845
搭乗者は全員がワクチン接種済みだったとのことですが、この陽性率は非常に高い。現地の衛生環境、住民の意識、その他の条件を踏まえると、感染拡大を抑えることは至難の業だと思います。

サモアでは、1/19の豪州ブリスベンからの帰国便搭乗者73名から、15名が陽性。ロックダウンによる行動制限が導入されています。https://www.facebook.com/samoagovt/posts/294412672721890

昨年後半から気になっていたのは、映画のようにワクチンが100%感染を予防するような認識になっているのではないかという点でした。既に市中感染を経験している国ではなく、ゼロコロナ、コロナフリーを維持してきた国々では特にそういった意識が強いように感じられ、従来型の認識が残っていることで、感染力が高まった変異株への対応というのが難しいと思われました。

ただし、そもそも2年前に太平洋島嶼国各国が国境を閉ざしたのは、何をおいても時間稼ぎだったはずです。時間稼ぎとは、1つは世界的パンデミックの収束・終息、もしくはワクチン開発・ワクチン接種による予防措置の導入と薬や治療法の開発、さらに感染症の弱毒化のためのものだったはずです。

デルタ株も存在しているかもしれませんが、感染力は高くとも弱毒化しているといわれるオミクロン株に置き換わった時点で、かつ、住民のワクチン接種が十分に行われたうえでの感染の始まりということなので、恐らく為政者や現地保健当局としては想定の範囲内だと思います。残りは社会上の懸念で、もしかすると2年目の従来型の意識のままかもしれませんが、新しい考えが浸透していない一般市民が誤情報に惑わされず、冷静に政府に従えるかどうかが重要だと思われます。
パラオ 1/23 [2022年01月24日(Mon)]

コロナの感染拡大が続くパラオです。

1/23時点で、
・新規感染者119名
・累計502名
・回復42名
・入院4名
(パラオ保健省)

バベルダオブ島北部のガラロン州、ギワル州は、州として独自に住民の行動を制限する外出禁止令などを発令したとのことです。

すでに隔離施設は満杯とのことで、陽性が分かった方は自宅隔離とのこと。一方、COVID Health Centerが新たに設置されたそうで、検査を効率的にできるようになったようです。故に感染者数が多く見つかっているのかもしれないですが。

今後は、入院患者数の推移、重症者の有無などが注目されます。
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