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住民の視点と外部からの視点 [2020年07月03日(Fri)]

先日のキリバス大統領選挙についてですが、現地の一般的住民の視点から見れば、第1に候補者2名の比較、第2に自分たちの生活に直接かかわるメリットの比較、その他があり、次いで中国との国交という課題があったのだと思います。

中国云々を除いて、マーマウ大統領が行ってきたことを見ると、経済成長政策に特徴があります。

前政権時代は、入漁料収入の急増の一方で、経済成長抑制策が取られていました。一つには社会の大きな変化・文化破壊を避ける意味がありました。自分は、後発開発途上国(LDC)卒業でもたらされるデメリットを避けようとする意図もあったのではないかと思っています。例えば、卒業してしまうと、援助が贈与ではなくローンになることが多く、パラオはその厳しさに直面しています。

いずれにせよ、前政権時代は、入漁料収入で得た果実を将来のために蓄えておくという方向性があったと思いますが、マーマウ政権ではそのメリットを国民に還元する、社会経済レベルと一段アップさせるという取り組みを行い、国民はその違いを感じていたものと思います。

2017年頃(2016年かもしれません)、マーマウ大統領が600百万米ドル(600億円)をこえる自国の歳入安定準備基金を担保に、インフラ整備資金を先進国からローンで調達しようとしたとき、いずれも賛同されませんでした。そこで、民間銀行から調達すると発言したものの、これも批判されたというニュースがあったと思います。

シンプルに、マーマウ政権は、入漁料収入急増→自国社会経済発展に活用、そのためにインフラ整備・内需拡大、という方向で物事を進めています。その過程で、台湾と中国を比較したときに、中国が選ばれた、ということでしょう。


一方、2017年頃の件について、果たして、先進国側(台湾を含む)はただ単に開発投資を拒否したのでしょうか。恐らく、持続可能性、より細かく言えば、現地のインフラ維持管理能力を見ているので、急激な開発ではなく、段階を踏まなければならないと考えたのではないでしょうか。

以前ある専門家が言っていました。オフィスの天井が落ちていても気にせず放っておく。ドアノブが壊れていても、直せるものなのに直さない。基本的に物が壊れるまで使い倒し、壊れたら捨てて、新しいものを求める。まずは維持管理能力を高めるべきだと。


とはいえ、大統領選における住民の優先課題に関わらず、中国か台湾かという海外の視点で言えば、キリバスの人々は中国を選択したと判断されます。現地の細かな実情は考慮されません。勝利者は、これを機に、より自信を持つことになるでしょう。

中国がプロパガンダを行っているという話もありますが、それが現地の法律に違反していないのであれば、それは批判されることなのか。法律を変えるか、反対勢力側も同じ法律の下で対抗するしかないのではないか。自分が見てきた経験で言えば、中国の外交団はプロフェッショナルで、丁寧にマメに戦略的に外交を行っています。その積み重ねが結果として表れているのでしょう。


キリバスは、かつて冷戦時代に、米国との漁業交渉がうまくいかないとき、ソ連と漁業協定を結んだことがありました。骨のある国との印象です。まず自国の意思があり、それに合う外交関係を選択してきたのだと思います。

台湾から中国に切り替えるときにも、おそらく究極的に決定されるボタン、もしくはラインがあったものと思います。それが大規模資金の要請ということであれば、かつてガンビアなどの場合と同じで、台湾はそれに乗ることはできないし、する必要もないでしょう。


今後について、幾つか考えられることがありますが、余りにもドラスティックなので、共有するのはやめます。世界情勢をしっかり追いかけつつですね。
キリバス大統領選(6/22)に向け、野党候補者の声 [2020年06月08日(Mon)]

ニュースで公開された情報なので、紹介します。

https://www.islandsbusiness.com/breaking-news/item/2827-claims-of-chinese-interference-hit-upcoming-kiribati-vote.html

4月の選挙を経て、キリバス議会では、昨年9月に中国と国交を結んだ与党TKP(暫定政権)側と親台湾の野党BKM(与党離脱組含む)の対立構造が作られています。

5/22の議会における議長選出では、野党が推した候補が6票差で当選し、5月の段階では、議会は野党優勢であることが判明しました。

その後、現職のマーマウ大統領、野党のベリナ元大臣が大統領候補として推薦を受け、6/22の国民による直接投票による大統領選に向け選挙キャンペーンを進めているようです。

上記記事では、ベリナ候補が、駐キリバス中国大使が選挙キャンペーンに関わっているとし、マーマウ大統領と中国を相手に戦っているようだと述べています。

その他、現地事情が分かる内容となっています。
キリバス議会、初の女性議長選出(5/22) [2020年05月22日(Fri)]

4月に行われたキリバス総選挙の結果は次のとおりでした。

・与党TKP 12議席(親中派) (マーマウ大統領)
・野党KFP 8議席(ほぼ親台湾派)(ベリナ元大臣ら、与党から分裂)
・野党BTK 9議席(親台湾派)(トン前大統領の長男が初当選)
・無所属 15議席(うち新人14議席)
*議会には、フィジー在住キリバス人評議会選出1名が加わる。(計45議席)

(友人からの情報では、野党KFP(KMP)とBTKが合流し、新しい政党を作ったそうです。)

政治日程としては、5月22日に議長選出、6月22日頃に大統領選。議長は議員の互選で選ばれ、大統領は15名以上の議員の推薦を得た大統領候補に対し、国民による直接選挙で選ばれます。

4月の選挙後、与野党の攻防が激しい様子であり、今日の議長選出が、現在の議会勢力状況を把握する目安となります。(キリバスに限りませんが、なかなか本音を見せなかったり、陽動作戦をとったりするので、どちらが過半数かは結果がでるまで分かりにくい)


古い話になりますが、自分の記憶ですが、2016年の選挙では、12年務めたトン大統領が憲法規定により勇退となった一方で、旧トン政権に対する国民の否定的な声を背景に、マーマウ大統領が選出されました。その際、トン政権(連立政権)のメンバーがマーマウ大統領側に移ったということがありました。

当時のポイントは経済で、トン政権時代は、自分が話したのは2014年頃ですが、当時の財務次官は、入漁料収入が急増した一方で、急激な経済成長は社会を破壊すると考え、できるだけ抑え気味(2%程度)にとどめたいと話していました。

マーマウ大統領は、国が主に入漁料で得た資金を住民に還元し、内需を高め、経済を活性化させると主張していました。その点で、国内では評価は高かったと思います。他方、選挙中から、台湾から中国に国交を切り替えるという話も明言していたそうです(2017年、現地元政府高官)。

あまり書きすぎると、反対のことが起こる嫌なジンクスがあるので、ここでとどめるとして、新議長選出の結果が報じられています。

Radio New Zealand(5/22)
https://www.rnz.co.nz/international/pacific-news/417262/kiribati-parliament-votes-in-first-female-speaker

「野党が推したタンガリキ・レーテ議員がマーマウ大統領が推したウアイ前議長を破り、キリバス史上初の女性議長が誕生」しました。

記事の写真を見て、何かこう心臓の裏側がくすぐられるような感覚で見惚れていると(自分はキリバスの女性や、マーシャルの女性、、パラオやフィジーもか、コスラエもか、、女性に頼まれると「ノー」と言えないことを思い出しつつ)「あれっ」と。

以前、トン政権時代の閣僚(青年・女性担当?)で、キリバスの開発について話したことがありました。2013年〜2014年のどこかだったと思います(メモを探すのが面倒なのでざっくりですが)。確か、当時のオノリオ副大統領が、会った方がいいよと引き合わせてくれたのでした。

レーテ議長、おめでとうございます!キリバスの未来のために。

さて、今日の時点で、議会では野党優勢と判明しました。大統領候補は、与党側が現職のマーマウ大統領、野党側がベリナ元大臣(トン政権時代に大臣)とのこと。

これから大統領選に向けて全国でキャンペーンが展開されることになります。現与党は親中、野党側は概ね親台湾。親中派は、非常に強い危機感を持って挽回を図るでしょう。まだまだどうなるか分かりません。

参考までに、キリバスの地図をここに貼ります。(笹川平和財団太平洋島嶼国マップを基に作成)

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キリバス。。。 [2019年07月09日(Tue)]

2016年3月に誕生した、キリバスのマーマウ政権ですが、選挙当時からトン前政権の取り組みを見直すとしていました。
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例えば、入漁料収入の増大による富を国内経済に反映させ、伝統社会が崩壊しないようにとあえて抑えられていた地域最低レベルの経済成長を、しっかり伸ばすようにしました。

また、トン前大統領が国際社会で、キリバスは沈むので住民は移住しなければならないというような発言をし、農業用に購入したフィジーの土地が移住先と報道されたりしたものを、「我々は故郷を捨てない」と否定しました。

他にも、政府高官が交代したり、政権が代わったことで、国の雰囲気もかわりました。

自分は今の政府の方々も、しっかりしていて好きですが、町の雰囲気も、内需が拡大しているようで、以前より活気があると思います。

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台湾に関しては、もともとキリバスは中国と国交がありましたが、トン政権が誕生した後、2003年11月に中国から台湾にシフトしましたが、マーマウ大統領は選挙当時から、中国と国交を結ぶとしていました。

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しかし、マーマウ大統領は、今年2月のミクロネシア大統領サミットで、PIF事務局に対する台湾と中国を平等に扱うことを求める文言がある、共同声明に署名し、台湾を支える姿勢かと思われていました。

ところが、3月の蔡英文台湾総統の歴訪の際には、学長としてフィジーでの南太平洋大学卒業式に出席するとして断り、今月12日のキリバス独立50周年に招聘するとの噂があったものの、蔡総統はその時期に中米諸国と米国を訪問することになっています。

キリバスでは、2月の共同声明の後、水面下で色々な動きがあったのかもしれません。

フィジーに来て、現地の友人に話を聞いてみると、キリバスは今すぐにでも、中国にシフトする可能性があるという状況らしいです。

台湾の援助と中国の援助を比較すると、人口の少ない国では、台湾の援助方法の方が住民に近く、適しているように思います。

部外者なので無責任に言えますが仮に大洋州の台湾承認国が3つくらいになったとしても(かつてそういう時代もあった)、堂々と、今のリソースを残された国々に集中すれば良いのではないかと思います。住民と国が近い国では、その違いに気づく人もいることでしょう。
キリバスのフェリー事故について [2018年02月06日(Tue)]

下記のリンク先に今回のキリバスで事故を起こしたフェリーの所有者に関し報じられています。

カニマコさんが話していた2016年の事故というのは記録がないようで、誤った情報の可能性が高いです。申し訳ありません。

今回の事故がキリバス最悪の海難事故とのことです。

所有者は、貨物運搬については認められていたものの、乗客を乗せることは認められていなかったのを理解しており、キャプテンがなぜ人を乗せたのかわからないと話しているとのこと。

しかし貨物が過積載であったこと、座礁し、その後、乗客を乗せ事故が発生したとのことです。

キリバス外務移民省の友人と連絡を取りましたが、現地では今回の悲劇に対し、人々が悲しみに暮れているそうです。

2度と同じような事故が発生しないように、原因を追求し、取り締まりを強化する必要があると思います。
頼もしいマーマウ/キリバス大統領の発言 [2017年05月29日(Mon)]

今日はさえない1日でした。


さて、昨日の記事で少し話したキリバスのマーマウ大統領の発言についてです。マーマウ大統領は対外的関係よりも内務・内政重視の大統領との印象があります。

先週ですが、5月22日〜26日、メキシコのカンクンで、国連防災グローバルプラットフォーム会合(2017 Global Platform for Disaster Risk Reduction)が開催されました。

一昨年でしたか、気候変動への適応と軽減を目的とした緑の気候基金(GCF)が設立され、日本は1500億円を投入しました。これは途上国が対象となっていますが、特に気候変動の影響を顕著に受けている太平洋島嶼国に目を向けています。申請国には、無償やローンの形で資金が提供されます。一方、その申請手続きや審査手続きの面倒さ(必要な手続きだと思いますが)から、例えばいくつかの太平洋島嶼国(下記ではフィジーやサモア)が資金へのアクセスに対し、不満を持っています。

そこで、キリバスのマーマウ大統領の発言
http://www.radionz.co.nz/international/pacific-news/331680/kiribati-using-trust-fund-for-short-term-climate-financing

簡単に言えば、
・キリバスは水不足に直面する恐れが高いが、その資金をGCFに頼んでもいつ資金が導入されるかわからない。
・援助資金が決まるまでに国民の生活は状況は厳しくなる。
・自国の信託基金(運用益が6%程度)を担保に民間の銀行から1〜2%の低利の譲許的ローンで資金を調達し、直近の危機に対応する。(淡水化装置調達を想定している)
というものです。

民間の銀行(どこかの国ではないと良いが)がローンを提供する確証があるような発言です。

僕自身はキリバスを2014年前後、4〜5回訪問し、さまざまな協議をいろいろな方と行ってきました。今バヌアツやミクロネシアにいるオーストラリアの友人も含みます。その時の印象は、衛生環境が悪い、土地がマーシャルよりも平たく、もんじゃ焼きの土手のよう、というややネガティブなものがありました。

一方、住民は質素で贅沢を求めていない、働き者、内需が伸びているなどという印象もありました。
キリバスは酋長制度があるわけではなく、土地への自身の根っことしてのこだわりはマーシャルなどより弱い(売ることで資金を得たり、移住することも選択肢にある)、あれだけ島が離れているのに同じ言語を話す、などの発見もありました。

2014年でしたか。当時の財務次官がドナー会議の場で、「皆さんは笑うだろうが、キリバスは急激な経済成長による伝統社会の崩壊を警戒している。経済成長のポテンシャルがあることは理解しているが、年3.5%を超える成長は望まない。」などと発言していました。それも印象的でした。(年3.5%増が20年で2倍、7%増が10年で2倍)

キリバスはマーシャルとは異なり、自由連合ではなく、英国政府からの資金で信託基金を設置(資金を毎年得るのではなく、一括で基金を設立)し、1979年に独立しました。ある日本人専門家の友人は、キリバス経済はマーシャルの米国の資金援助が無くなったものと考えて良いと話していました。そのくらい、質素な生活をしています。一方で、外部の資金に頼らず、自分たちで何とかしようという基本的な考え方があるようです。

そういえば、自分がマーシャルで時々お世話になっていたキリバス人の友人は、「マーシャルは毎年米国からの資金を得るから自立できないんだ。」と話していたのを思い出します。その友人は今、ツバルで議員をしているんだったか、兄弟はキリバスで議員をしているんだったか、地域をまたにかけている家族でした。


上記の信託基金は、名前を失念しましたが、国の財政が赤字になった場合に、歳入を補てんするための基金で、確か運用用の口座と、取り崩し可能な口座がありますが、目的外の使用(取り崩し)も含め、国会の承認が必要となります。また贅沢する人々ではなく、過度な経済成長を求めないため、将来のために基金をできるだけ使わないという基本姿勢を持っています。

数年前まではキリバス経済(一人当たりのGDP)はパプアニューギニアにも抜かれ、地域で最低レベルにありました。しかし、ナウル協定の取り組みが成功し、過去4〜5年は国家財政が大幅な黒字となり、余剰分は信託基金に積み上げるという取り組みをしています。(GDPが180億円程度のところ、黒字が20〜30億、50億というときもあったでしょうか。。)

国民の生活レベルは、質素で、過度な成長を求めていませんが、マクロ経済は好調で、無駄遣いせず、国の将来のために積み立てているという状況です。大変賢いと思います。

例えば、数年前に世銀、ADB、豪州などがローンや無償資金を組み合わせ90億円超の資金を投入し、首都タラワの道路整備事業を実施しました。その際、キリバス政府も5億円程度ですが、資金を投入していました。


今回の話は、近年の太平洋島嶼国に見られる太平洋島嶼国の自立の動きとみることもでき、他の太平洋島嶼国にも影響を与えるかもしれません。ドナーもそのような気概のある国を見ていると思います。


お金の流れの見方ですが、かつては無償資金協力を受け、一方で漁業資源を安く提供していたものが、資源の値段を引き上げることで、それがたとえ無償資金協力を減少させたとしても、入漁料収入が増大し、資金利用の自由と共に、必要な国内投資が可能となったとみることもできるかもしれません。

また日本の間接的支援と言いたいと常々言っているのですが、キリバス、マーシャル、パラオ、ツバル、(ナウルはADBの支援を得て5年くらい前に設立したばかりで規模が小さいはず)などは、国の財政規模が35億〜160億円程度のところ、いずれも200億とか300億とかの信託基金を設置しています。日本経済が好調となることが世界市場の成長を招き、彼らの信託基金の運用益が増大し、全体で年数十億の資金増をもたらしています。さらに間接的に、世界経済が好調であればADBの資金が増大し、島嶼国にはさらに無償や譲許的ローンで資金が流れるようになります。

ちょっとブラックな言い方になりますが、仮に日本が温室効果ガス排出量の急激な削減を行った結果、海面上昇がわずかに抑制される一方で、日本経済が停滞し、世界市場が停滞することになれば、運用益がインフレ率を下回り、実質的に元本割れとなり、財政難に陥る国が出てくるかもしれません。要はバランスというか。。。

つらつらと取り留めもなく書いてしまいましたが、太平洋島嶼国側の視点を少しですが感じていただけたでしょうか。


では、また明日!明日は良い1日になりますように。。。
キリバスにあった中国の宇宙基地 [2016年11月23日(Wed)]

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キリバスにはマニアバという集会場があり、伝統的なものには、その床にはそれぞれ特定の人たちの領域が決められています。歴史的にはサモアから伝わったものと考えられるようです。

少し思い出したのですが、キリバスにはオーストラリア、ニュージーランド、台湾、そしてキューバの大使館があります。
2003年、トン前大統領の1期目の時に、台湾と外交関係を結び、それにより中国が断交したと記憶しています。

キリバスは1980年代に米国との漁業交渉がまとまらない時に、ソ連と漁業協定を結んだり興味深い動きが過去にありました。

キューバは医師の育成支援を行っており、現地で良い評判をよく耳にしました。

ふと思い出したのは、キリバスが中国と外交関係があった時代のキリバスにあった中国の宇宙基地のこと。

今その場所は、台湾の技術支援農場になっていますが、何年か前、現地にいる方々(日本人ではない)がいろいろ話していました。

その宇宙基地はパラボラアンテナを有するもので、民用衛星を追跡するためのものとされていましたが、実際にはマーシャルの米国クワジェリン基地(基地と言っても兵力というよりも、米国本土西部との間で行う迎撃ミサイル実験基地)の方向にそのパラボラアンテナが向いていたとも言われています。

その中国の宇宙基地がキリバスに建設された頃、現在は行われていませんが、しばしばおそらく米国の軍用機がキリバスのタラワ上空を低空飛行していたそうです。

そのことと関係はないでしょうが、その後の歴史を見ると、ほどなくトン政権が誕生し、台湾と外交関係が結ばれ、中国はキリバスと断交し、その宇宙基地を(現地の人は「慌てて」と言っていました)破壊して去ったそうです。

現在も当時の中国大使館の建物は残っており、中国の民間の方が使用しているようです。

何の脈絡もありませんが、ふと思い出したので書いてみました。
キリバス、パラオ、バヌアツのニュース [2016年05月17日(Tue)]

さて、今日は、まじめに太平洋島嶼国に関するニュースで、個人的に興味があるものを紹介させていただきます。

まずはキリバス・クリスマス島のサンゴ危機に関するニュース。
Kiribati Atoll To Lose Almost All Its Coral From Bleaching
(5月12日付、Radio New Zealand International)

キリバスの東部ライン諸島にある天然結晶塩で有名なクリスマス島で、大規模なサンゴ白化現象が発生しているというもの。過去10か月で高い海水温により、80%のサンゴが死に、15%が死にかけているとのこと。影響を受けたサンゴ礁の回復についても、悲観的なようです。

オーストラリアのグレートバリアリーフの白化現象以降、あまりニュースで見かけない気がしますが、他の島々は大丈夫なのでしょうか。。。


次にパラオのアンガウル島におけるカニクイザル駆除の取り組みに関するニュース。
Palau’s Angaur State To Implement Monkey Eradication Trial
(5月13日付現地アイランド・タイムズ)

パラオ南部に激戦地であったアンガウル島があります。アンガウル島出身の方は粘り強い印象があり、国務省のロリリンさん、EQPBのリンナさんなど優秀な人材が政府機関で活躍しています。

そのアンガウルには日本が統治する前、第1次世界大戦以前のドイツ統治時代に、東南アジアからカニクイザルが侵入したと考えられています。

自分が記憶しているだけでも、2009年時点で、その個体数の増加とパラオ固有種の生物や住民の健康的な生活の脅威になっているとの話がありました。

ちょっとググってみると、このカニクイザルというのは、IUCNの世界の侵略的外来種ワースト100(ウィキですが)に載っています。

2011年頃に、住民の「サルを見た」との証言により、アンガウルからバベルダオブにカニクイザルが侵入したらしいとのうわさが流れたことがあります(真偽は不明ですが、現在バベルダオブにはいません)。

最初このニュースを見たとき、「サルの駆除なんて」と思いましたが、いろいろ情報を見ると、危険な生物であることが理解できます。

このニュースでは、アンガウル州と米国のNGOであるIsland Conservation(島嶼環境における固有種の保護などのために侵略的外来種の駆除を実施している団体のようです)が、カニクイザル駆除の試行として、20万ドル相当の支援に関する協定を締結したとしています。

アンガウルの人たちの長年の懸念に対し、ようやく動きが始まるようです。


最後はバヌアツ。中国の支援に関するニュース。
Chinese Firm To Hand Over Finished Convention Center To Vanuatu
(5月13日付バヌアツ・デイリーポスト紙)

中国の支援によるコンベンションセンターが、設計決定から3年でようやくバヌアツ政府に引き渡される段に至ったという話。1000人収容可能な国際会議場、VIP受け入れ施設、600人収容の食事・レセプション会場などからなるとのこと。

この建設にあたり、100人の中国人労働者、250人のバヌアツ人が雇用されたようです。

昨年3月のカテゴリー5のサイクロン・パムが直撃したときには屋根は持ちこたえたそうで、マグニチュード8の地震でも耐えられる強度を誇るようです(震源が何百キロも離れていても、マグニチュード8はマグニチュード8。建物の強度はマグニチュードではなく震度に対するものにしなければならないと思いますが、大丈夫なのでしょうか・・・)。

このプロジェクトはポートビラの中心に位置する広大な広場に建物を建設することや、国際会議場の必要性の有無などについて、多くの議論がなされていたと思います。コストはどれくらいだったのか、気になるところです。
フィジー、キリバス、サモア [2016年03月09日(Wed)]

フィジーのサイクロン・ウィンストンによる災害。東京のフィジー大使館でコロボウ参事官に会い話を聞いたのですが、あまりに甚大でようやく全貌が把握できてきたところとのことでした。特に東部のラウ諸島やガウ島などの離島では壊滅状態の村が多数あり、バヌアレブ島南部、コロ島、ヤサワ、ビチレブ島北部も甚大な被害を受けたとのこと。沿岸部では強烈な低気圧で発生する高潮が津波のように村落を遅い建物を破壊していったそうです。全世帯の3分の1が被害を受け、被害額は700億円超でGDPの6分の1程になるでしょうか。主食のタロイモなどが被害を受け、特に離島部では今後3か月の食糧不足が懸念されます。離島部の人口は10万人を超えるでしょうか。

これまで豪軍、NZ軍、フランス軍、インド軍が軍用機を投入し、アクセスの難しい離島部にも支援を届けているようです。日本や米国も緊急援助を行い、サモア、ナウル、キリバスなどさまざまな国や現地民間企業なども義援金や物資などの支援を実施しています。またフィジー政府は公機関が、あまりの被害状況に住民が希望をなくさないようにと、活動を進めているようです。

ジュリアさん(コロボウ参事官)は、いつもの柔らかい明るさがありつつも、被害状況を語る際には、自力では回復できない程の国の未来に関わるほどの甚大さに、時折目が潤むなど大きなショックを受けていることが感じられました。今後復旧にはどれだけの月日が必要なのか。。。

そのような状況ですが明るいニュースもありました。セブンスラグビーのワールドシリーズ、先週のラスベガス大会でフィジーが見事に優勝しました。日本も健闘し6位に。

前に書いたかもしれませんが、太平洋島嶼国では人々は天性の明るさから災害にあっても笑顔のことが多いかもしれません。しかし自分がいくつかの国で生活したり、さまざまな島嶼国の人たちと真剣にそれぞれの国や家族の将来などについて語り合った経験からすれば、苦しみや悲しみを感じていないはずがありません。

厳しい道のりかもしれませんが、フィジーの復興への取り組みを見守りたいと思います。


キリバスでは今日3/9、大統領選挙が行われました。3期12年務めたトン大統領は憲法の規定で出馬できません。3人の候補者がおり、1人は当時のボスの分析にとり次期大統領候補者として昨年会いました。いずれにせよキリバスも新しい時代になるのでしょう。

サモアでは昨日選挙の投開票があったようで、全49議席中44議席を与党が獲得、多くの現職議員や閣僚が敗れたそうですが、トゥイラエパ首相が再任されるのでしょう。