現地から要請を受け、1年半ぶりにクック諸島ラロトンガに来ました。
タロ畑、パンの実の木、マンゴーの木、ヤシの木
南太平洋大学クックキャンパスでは、南太平洋大学支部というよりもクックの高等教育機関としての独立性を感じました。初めて会った方ばかりでしたが、とても実のある会議になったと思います。
1年半ぶりに会った友人とは、普段連絡するわけではないので、本当に1年半ぶりに話しましたが、本音で打ち解けて話せました。普通の会話がうれしい。
シーアンとトゥタイ
PIF議長国としてやり切った感があり、プレッシャーからも解放されているようでした。今後はより国内の課題に注力できるようです。
今回、地域密着型エコツーリズムが、伝統文化の保護に有効なツールかもしれないという話が相手側からありました。伝統文化の保護という文脈では、女性のエンパワーメント、少し離れますが安心安全な社会などにも議論が広がりました。
別途、5月末にアンティグア・バーブーダで開催される10年に1回の小島嶼開発途上国(SIDS)会議に向け、遠隔でやりとりしており、その議論では、我々の地域密着型エコツーリズムの取り組みについては、マイクロレベルへの投資という観点から評価されていました。また、やはり伝統文化や自然環境保護の観点もありました。
クック諸島に話を戻すと、クック諸島は海底鉱物資源の経済利用に前向きです。地域では環境への懸念から反対する国も多いものです。
海底鉱物資源を利用するというと、陸上の鉱山のように海底を掘削する印象がありますが、クック諸島では、EEZ内(大陸棚限界の話を聞き忘れた!)の海底にナマコのように転がるマンガンノジュール(塊)を採集するものであり、彼らはハーベストと表現しています。また、5000メートルの深海底であるとも話していました。反対派の中には、深海底に手をつけること自体が自然への冒涜だという人もいるということで、議論がかみあわないとのこと(何か似たようなことがあるような気もするが)。
しかしそういった懸念を無視する姿勢をとっているわけではなく、今後、科学的根拠に基づく情報を公開しながら(何か似たような話があったような…)国の将来に向けて取り組んでいくとのこと。
また、今回は現地の観光局長ともじっくり話をしました。これまで各地を回り今回のような話をする時にはパワポを使っていましたが、最近はパワポを使わずに出来るだけ口で説明するようにしています。感覚的には、その方が1段階深い議論に繋がるようです。準備したものは無駄になりましたが、議論の内容は期待以上でした。
我々としては、これで社会経済構造も、観光分野の発展度も形態も異なる国々であるパラオ、マーシャル諸島、トンガ、クック諸島が対象となりました。根幹のコンセプトは同じですが、各国の現実に合わせたオーダーメイドの取り組みとなります。大きな希望としては、これをきっかけに各国間の繋がりがさらに深くなり、日本も仲間として関係が深くなることに繋がればと思っています。
その過程で、各国の伝承や神話にさらに光が当たれば良いなと。
今回、4〜5日前から調子が怪しくなっていたため、会議以外では基本的に部屋でデスクワークをするようにしていました。今日が最も調子が悪く、ちょっと心配でしたが、良い会議が続いたことで元気が出て来ました。
出張前に酷い状況であったヒザは、おかげさまで治り、毎日歩き回ることができました。クック諸島の外務省はエレベーターのない建物の3階にあるため、ヒザが治っていなければ地獄でした。また、エコツーリズムを考える上で、徒歩の速さで移動することでいろいろ気づくことがあるので、その点からも助かりました。