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日パラオ外交関係樹立25周年記念式典 [2019年11月13日(Wed)]

昨日、満月の夜、日パラオ外交関係樹立25周年記念式典が、パレスホテル東京で開催されました。
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パラオ政府からはレメンゲサウ大統領、マツタロウ大使、マルッグ外務大臣、コシバ議員ら多数、日本政府からは安倍首相、茂木大臣、石原伸晃先生、園浦健太郎先生ほか、来日中のパニュエロ・ミクロネシア連邦大統領、また笹川日本財団会長・当財団名誉会長、田中会長、その他にも会場には大変多くの関係者が参加されていました。300人はいたのではないでしょうか。

日本とパラオの関係については、来年8月のアワー・オーシャン会議が大きなピークになるようですが、それまでにも日本のさまざまな機関・企業・有志の皆さんが、さまざまな活動をされるようです。

日本からパラオまでのヨットレースとこれを利用した海洋プラスチックゴミのデータ収集、パラオのロマン・トメトゥール国際空港(通称コロール空港ROR)ターミナル拡張工事竣工、スカイマークによる直行便就航。

直行便(定期便)については、これまで2011年ごろ〜2017年のデルタを除いてありませんでした。日本の航空会社としては初となります。(JALやANAチャーター便はあります。JALについては2012年ごろまでで、ピーク時には年間60便以上出ていたと思います)

地域密着型エコツアーは、来年1月には開始されると思います。

これらのピークを一時的なものではなく、機運として、両国関係が持続的に向上していくことを期待したいと思います。

その鍵は、若い世代の関係拡大のように思います。自分より上の世代の熱を、我々40代前後の世代がしっかりと受け継ぎ、若い世代にパスしなければなりません。


今回、嬉しい出来事は、ミクロネシア連邦のパニュエロ大統領が出席されたことと、安倍首相がパニュエロ大統領について話されたことでした。日本とパラオだけでなく、日本とミクロネシア連邦の関係が深化されますように。


今回の式典では、圧倒されると同時に、パラオでの取り組みについて重い責任を感じました。

(そのせいか、今朝は恐ろしい夢で目が覚めた)
日パラオ国交樹立25周年記念国際シンポジウム [2019年11月05日(Tue)]

来週月曜、11/11、午後3時より、笹川平和財団で同海洋政策研究所(OPRI)による日・パラオ国交樹立25周年記念国際シンポジウム「持続可能な海洋の実現に向けてーパラオの取り組みと国際連携ー」が開催されます。


当日は、トミー・レメンゲサウJr. 大統領閣下、マルッグ国務大臣(外務大臣)、マツタロウ大使閣下も登壇されます。

急遽、自分もパラオでの持続可能な観光の実現に向けた取り組みについて、紹介させていただくこととなりました。

詳細は上記リンク先よりご確認下さい。
BCETの“C” [2019年09月08日(Sun)]

3年ほど前から、国内外のさまざまな専門家の方々の協力の下、パラオで地域密着型エコツーリズムの実現に向けた取り組みを続けてきました。

対象はバベルダオブ島の10州で、最初に8州が参加し、他の2州もスポットで入ったりしていましたが、「外部からは見えない理由」で、参加州が6州になり、本年度に入り、特に情報管理の理由で、こちらから最終的に4州に絞らせてもらいました。
そのサバイバーである4州は地道な作業を継続し、実現に近いところまで来ています。
自分としては、その4州のいくつかで、しっかりと住民が収入を得て、無理せず続けられる地域密着型観光が実現できれば、他の州やコミュニティにその手法が広がって行くと信じています。
そのため、昨年末ごろからは、参加者自身に徐々に主導権を渡し、自分はキャッチャー・イン・ザ・ライのように、崖から落ちないようにキャッチし、軌道修正する立場でマネージしています。
例えば、過去に参加していた州で、我々の目指す観光に似ているようで、最も重要なコンセプトが異なる文化活用ツアーが始まっています。住民には労働の義務感・負担感の割に収入が非常に少ないもので、住民から不満の声も聞こえ始めていますが、ルーティン化の影響か、多くの観光客を集める必要性があるためか、提供された現地食で体調を崩した日本人のケースが発生しました。
我々の取り組みは次の4つのステップからなります。1.パラオで認識されてきた、いわゆる「エコツーリズム」と我々が実現しようとしている「地域密着型エコツーリズム」の違いを知ること。すなわち、概念の理解、2.新たに何かを作るのではなく、日常生活・自然・文化・神話から観光資源を発掘すること、3.発掘した資源をいくつかピックアップし、コミュニティが考えるテーマでこれらを繋ぐことでツアー案を作成することと、現地ガイドを育成すること。そして、4.現地マネージメント能力向上・ツアー開始。
今年の3月で、4の途中まで進み、今は最後の段階に近づき、衛生管理・安全管理意識の向上に取り組んでいるところです。
というわけで、昨日から参加州で実際に参加する観光客に食事を提供する方々が、事前に2日がかりでクリニックで検査を済ませて、衛生管理ワークショップに参加しました。これで正式にサーティフィケイトが与えられます。
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実は、参加者のいわゆる研修員の間では、今年の3月ごろまで、食事は普通に提供すれば問題ないという認識が高く、なかなか衛生管理ワークショップの重要性を理解してもらえませんでした。
そんな時に、上記の似て非なるツアーでちょっとした問題が生じたことで、今回のワークショップ実現に繋がりました。研修員がそのようなところなので、参加住民はまだ少し、理解が遅れている状況でした。
そんな中、今回関心を持って20名以上の住民が参加してくれたので、ワークショップで、自分から今回の目的などを説明しました。
何よりも、住民の皆さんが、新たに証書を授与されたことを喜んでいて、さらにツアーに限らず、経済活動に参加する意識が生じたことが大きいように思います。
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それで、Cについて。
彼らはこれまで、Babeldaob Eco-Tourismとして、BETの略称を使用していました。今後ウェブを立ち上げるためロゴ作りもしているのですが、その過程で「地域密着型」を主張すべきと参加者に伝え、CommunityのCを入れてBCETとし、現在彼らはBCETとして活動を進めています。
ガラード州にて [2019年09月07日(Sat)]

パラオのバベルダオブ島北部、ガラード州に来ています。
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昨晩到着する前まで酷い雨降りでしたが、今日は良い天気になりました。

ガラード州は東にマングローブ豊かな海岸線、西に長大なビーチと遠浅の海があります。

ストーンパスの状態も良く、若返りの泉と呼ばれる場所もあります。

ローカルフードも美味しいです。

今、食品取り扱いに関するワークショップを、保健省の保健師さんの協力を得て進めています。
パラオ地域密着型エコツーリズム現地報道 [2019年08月30日(Fri)]

パラオでプロジェクトに参加している友人から、現地Island Times紙にプロジェクトについて記事が出ているとの連絡がありました。

http://islandtimes.us/online-booking-portal-for-eco-tourism-in-four-states-to-be-launched-in-october/

英語ですが、プロジェクトの内容が良く把握されていると思います。

ただ、現地メディアの注目点は、予約のためのポータルサイト立ち上げにあるようで、タイトルがちょっと残念かなあ。

記事に書かれている中で、これからの予定については、今、必死こいて実現しようとしているもので、正直プレッシャーです。ウェブサイト作成を進めないと。。。

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このプロジェクトで実現しようとしている地域密着型エコツーリズムの重要な要素の1つに、現地食を楽しむ、というものがあります。

基本的に、おなかを壊すことはないのですが、ビジネスとして進めるためにコミュニティで食事提供に関わる住民の皆さんを対象に、現地保健省、天然資源環境観光省観光局(BOT)、参加しているアイメリーク州、ガッパン州、ガードマオ州、ガラード州の協力を得て、現在、現地で衛生管理ワークショップを開催する準備を進めています。


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我々のツアーに似せたツアーが現地で始まっていますが、そちらは安い値段でランチがついて、団体客を対象とし、結果的に現地食の取り扱いが雑になっているとの話も聞きます。
今回参加するコミュニティの皆さんは、その話も知っているようで、衛生管理を学び食品取扱い認証を得たいとの真剣度が感じられます。


今回の記事は、その準備過程で、現地関係者から情報発信があったのかもしれません。(何も頼んでないのに…。)

今日ウェブサイト立ち上げのためのチェックリストを作りましたが、まだクリアしなければならない過程が200程度あります。あと1カ月、その間出張3回?。。。

ああああ、けっこう、プレッシャーです。。。。間に合うかなあ??????
台湾中華航空がパラオ便増便の方向 [2019年08月24日(Sat)]

昨年まで週2便に減便されていた台湾中華航空のパラオ便ですが、週5に増便との話になっているそうです(今年2月ごろに週3便に増え、さらに増やすとの話はありましたが、5便はすごい)。

これまで自分が日本からパラオに行く場合は、グアム経由(ユナイテッド週6)、インチョン経由(アシアナ、大韓航空、各週2程度)、台北経由(週2〜3)のいずれかで、日程の調整の観点からグアムの繁忙期を除いては基本的にグアム経由を選択していました。(グアム繁忙期だと、グアム経由の運賃がインチョンや台北経由の2倍になったりします。)

しかし、台北〜パラオ便が増えるとなると、行きはトランジットがスムーズなので、今後、日本人観光客としては、さっとパラオに行って、帰りに台北に1日滞在して、という選択をしやすくなるかもしれませんね。

インチョン経由も空港が広いので料金を含め悪くはないのですが、トランジットが短くリスクがあったり、安全策だと長くなったりするし、大韓航空は止まってるようだし、自然と流れが変わるのかも。

パラオにとっては良い話。外部から見ると、便数を維持できるように、十分な利用者を確保して欲しいところです。

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パラオの友人達の話 [2019年08月10日(Sat)]

というわけで、一昨日、昨日とパラオの友人達に(10名ほどですが)ゴルフ場についてどのように思っているのか聞いてみました。


第1に、タブーではないのですが、いろいろな関係があるので、あまり話したくはない様子が伝わってきました。

次に、スポーツは大切で、ゴルフは観光客のうち、特に高い年代の人に人気がある。パラオでも50代以上の年齢層には好きな人がいると思う。ただパラオの若い年代ではゴルフに対する関心は低い、と。

続いて、何かできるわけではないけれども、多くのパラオ人は、ゴルフ場建設を歓迎しないと思うと話していました。


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現在のところ、周辺環境の質(水の質とかマングローブとか)の観点から、沿岸部の開発を規制する現地法令が関係する場合がありそうです。しかしこの法令は、あくまでも沿岸部が対象であるため、仮にゴルフ場建設が内陸部の場合は、規制の対象にはなりません。(EQPBという環境の質を保護する部署に関する法令で、川の流域は含まれるかもしれません。)

パラオでは10年以上前から、Ridge to Reefという考えのもとで、環境保護の取り組みが行われています。Ridge to Reefというのは、パラオで言えば分水嶺から沿岸のサンゴ礁まで、水の流れる領域を一体化して捉える考え方です。日本の里山・里海の考え方にも関係します(里山・里海はさらに人の利用という考えが含まれると思います)。

例えば、パラオには、大きな島であるバベルダオブ島を分水嶺で分ける地図もあります。

そこで、法令の話に戻りますが、現在の沿岸部の開発を規制する法令の目的の1つは、沿岸部の水の質を守ることにあります。

現在パラオでは、その水の質を守るために、沿岸部だけを見ていれば良いのかという議論があり、開発規制の対象を「沿岸部」から「集水域」に拡大しようとする取り組みが進められているそうです。

パラオは法治国家であり、何か問題があると、国民を巻き込む議論が始まり、最後には法令化して、これを遵守します。人口の少ない人が繋がっている国である故に、法令が重視されています。これには、パラオが近代化以前から掟を守る社会であったことが、基盤にあるようにも思います。


このように、現地では、例えばゴルフ場建設について静かな議論が行われているようです。その議論の根幹には強い懸念があります。
10年ほど前、パラオの話。 [2019年08月08日(Thu)]

自分が初めてパラオに行ったのは2009年10月ごろかと思います。海洋保護区に関する事業を開発するための調査出張でした。
現地ではグリーンフィーに関する議論や批判、保護区ネットワーク(PAN)の仕組みに関する疑念や批判に基づく議論があちこちで行われていました。

当時はパラオ人の間でも開発派と環境保護派が静かにしかし根深く対立していました。

例えば、開発側の方々は国内の有力者や政治家がおり、保護派には若者や声を上げられない一般市民がいました。

やがて自分たちは、実務家でもあり学者・研究者でもある日本人の漁業、国際環境NGO、サンゴ礁生態系、島嶼社会学、生態系・鳥類専門家の先生方と、パラオ型海洋保護区に関するプロジェクトを立ち上げ、2年間で報告書を作成しモデル化しました。

報告書はあくまでも最終的な形ではありますが、実際には、上記のように開発派と保護派がパラオ国内で対立する中で、外部の我々が、意図せず両陣営の方々と時には個別に時には同時に集めて意見交換やワークショップを行い、パラオのPANやグリーンフィーの先進性について評価していったことで、両者の対話が促進され、開発と保護の両立を図る方向性が作られていきました。

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その中でも、極めて政治的で、極めてパラオのような小島嶼環境への影響が懸念されるゴルフ場開発の話がありました。

自分が協力いただいていた先生方には、資源の利用側も保護側もおり、時に意見が対立しましたが、ゴルフ場開発については共に強い懸念を持っていました。

小さな島であるゆえに、土壌流出による沿岸サンゴ礁への悪影響、ゴルフ場維持管理に使用される薬品による沿岸域や周辺植生への悪影響、原生林の消失、固有の植物の消失、貴重な土壌の損失などが挙げられていました。

当時の日本大使館はゴルフ場開発支持で、それにより多くの観光客が来るということを話していました。

今はどうかは分かりませんが、現地では反対意見も多い話なので、日本政府がどちらかに立つということは、表に出さない方が良いように思います。

(中途半端ですが、ここで止めます)
一歩前進。 [2019年07月06日(Sat)]

2015年度から、パラオで環境配慮型ツーリズム事業を進めて来ましたが、本年度からは、「パラオ型持続可能な観光〜」というタイトルに変え、持続可能な観光の実践モデルとすべく、取り組みを進めています。
この4月から、次の段階に引き上げるため、試行錯誤の連続ですが、議論や報告書の作成ではなく、実社会における実践が目的であるため、細かな困難がたくさんあります。

しかし、職場で同僚などに現状について話すと、「そんなことは相手に任せればいいじゃん」と言われます。

現地でプロジェクトに関わった経験がある方であれば、理解していただけるでしょうが、言葉や説明の仕方が原因ではなく、物事を伝達し、理解してもらい、実践に繋げることは容易ではありません。仮に自分がネイティブ並みに英語が話せても難しいでしょう(例えば、現地で活動するアメリカ人も苦労しています)。

例えば、何かを説明する時に、図やグラフを使うとします。日本人であれば、初等教育から図とかグラフに触れているので、大抵、短い時間で理解されるでしょう。

しかし現地で図やグラフを使う場合、まず聞き手の目にどのように写っているのかを考える必要があります。

場合によっては、見たことのないものかもしれません。

そのため、まず縦軸、横軸、単位、言葉の意味、グラフの意味、読み取り方など、一つ一つ伝わっているか確認し、説明していく段取りが必要になります。

日本人同士であれば、数日で終わる話が、数週間かかることがあります。

グラフに限らず、彼らが新しい内容を理解し、実践するようになるには、丁寧に丁寧に根気強く取り組まなければなりません。

この2カ月、押したり引いたり、アングルを変えたりしながら、何とか計画を進めようとしていましたが、かなり困難な状況になっていました。もうダメだと何度考えたことか。

それでも、今日、会合を行い、一歩前進できました。

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例えば、このような図を使って説明する場合も、PCで作って、プロジェクターで投影させる方法もあります。

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一方、非常にアナログですが、その場で、説明しながら手で書いていく方法もあります。

自分の経験では、このように紙や、ホワイトボードを使い、その場で話をしながら、書いて、まとめていく方が、意見交換が活発になり、理解も深まり、新しいアイデアが出てきたりします。

まだまだ、まだまだまだまだ、道のりは遠いですが、今日は、一歩前進。
パラオ・マリンサンクチュアリ法の改定 [2019年06月19日(Wed)]

先日パラオEEZ内での日本漁船の操業許可について書きましたが、20%の海域では漁場が遠いし、あまり実効性がないのではないかとの疑問がありました。

これが元のマリンサンクチュアリで、パラオの東側に操業可能海域が広がっています。
https://www.pristineparadisepalau.com/national-marine-sanctuary/

こちらが、6月10日頃に上下両議会を通過し、6月12日に大統領が署名した改正法における操業可能海域です。
http://islandtimes.us/palau-moves-domestic-fishing-zone-in-newly-amended-marine-sanctuary-law/?fbclid=IwAR3QSt3JzZS_waEfNixsChhMaExcs3gvlwV4YCpuayEa0e6T0ATEiJjt64A

以前、現地の漁業関係者と話したときに、パラオでの漁業資源は他のナウル協定メンバー国よりも少ないが、西側の海域にメバチの良い漁場があると教えられたことがあります。

漁場がどうか詳しいことは分かりませんが、記事にもあるとおり、日本の漁船、すなわち沖縄からの20隻ほどの漁船が、同海域で操業可能ということのようです。おそらくそのエリア内に、沖縄の漁業者が伝統的に操業していた漁場があるのではないかと思われます。

さらに商業目的のマグロ資源の輸出も認めましたが、こちらはキロ当たり50セント課税されるとのことです。(他の魚種の輸出についてはキロ当たり35セント)

これにより、形だけではなく、実際に、沖縄の漁業者が操業を継続できるようになったと考えられます。


パラオ・ナショナル・マリンサンクチュアリというのは、制定されたのが2015年10月頃ですが、それ以前に数年にわたる国内外の調整が行われていました。そこには、例えばPew Trustなど海外のNGOが技術面などからバックアップしており、同サンクチュアリ制定後は、国際社会において、日本で考えているよりも、大きなインパクトを与えていたようです。

そのため、今回の改定については、欧米諸国(豪・NZ含む)の環境保護側の視点から、日本に対するやや批判的な記事も目に入りました(日本が援助を盾に保護区を変えたというようなニュアンスかと、、。)

一方、自分が現地で経験してきた、それこそ一般市民から政府職員、政府高官、閣僚、議員周辺、大統領周辺との会話を振り返ると、日本側の要望を受けて、それこそ1年以上前から、「日本は家族のように大切な国だから、何とかできないか。」「マリンサンクチュアリ法を改定してしまうと骨抜きになる。国際社会で恥をかくことになる。」「日本はパラオに対して長年にわたり援助を続けている。」「たった20隻じゃないか。」「マリンサンクチュアリ法を2030年まで凍結すべき。」「マリンサンクチュアリ法を廃止すべき。」などなど、さまざまな議論があり、大統領の政治的立場を悪化させる恐れや、議会と大統領の対立を招きかねない状況にありました。

確か大統領の立場は、「マリンサンクチュアリ法を守りつつ、沖縄の漁業者も守りたい」というもので、議会の立場は「マリンサンクチュアリ法を凍結もしくは廃棄すべき。」というものだったと思います。

何を言いたいかと言えば、この改定までの一連の流れが、まさにパラオの誠実さを表しているということです。

過去を振り返れば、例えば、1981年パラオ憲法は、その核フリー条項と米国コンパクト(経済・統治・安全保障からなる)がぶつかったため、住民投票を何度も何度も繰り返し、ようやくマーシャルとミクロネシア連邦から遅れること8年、1994年にようやく妥結し、米国コンパクトを締結し、独立しました。

また、例えば、グリーンフィー。これは確か2000年頃にUNDPの支援で調査を行い、1人100ドルなら払っても良いという結果が出て、確か2002年に法律が成立しました。ただし、グリーンフィーの額は30ドルとしていたと思います。しかし、国内では住民、観光業者を含む多くの人々から観光業に与える影響や財源の使途と管理に関する懸念があったため、何年も住民との対話や公聴会や議会での議論が行われ、2009年頃に、ようやく一人15ドルで試験的に始まりました。

パラオでは、国民を巻き込む課題が生じたときには、為政者が上からドンっと決めるのではなく、粘り強く、粘り強く対話を続け、最適解を目指し、多くの人たちが納得した上で、最終決定が出されるという特徴があると思います。

反対に、公聴会が少なかったり、情報の共有がうまくいっていなかったりして、拙速に成立した法律もあり、その場合は、成立後に国内で議論が沸き上がったりもします。

ただ、住民の意思とは関係なく、例えば議会の大多数が賛成している話については、住民は何もできないケースがあり、その場合は、海外からの声(特に日本)が大きな影響力を持つことになります(責任を海外の声に転嫁することが可能で、リスクを避けられる)。

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今回の法律改定については、日本からのプレッシャーもしくは要望を受けて、簡単に「はいはい」と決定されたのではなく、パラオ国内で多くの国民を巻き込み、議論して議論して議論して、厳しい対立もあったようですが、ようやく妥協点を見つけて決定されたということを理解すべきかと思います。


※追記
ちなみに、パラオの憲法では、陸域から沿岸12海里まで(いわゆる領海内まで)の資源については州が管轄することになっています。そのため、国によるマリンサンクチュアリ法がカバーするのは、12海里から200海里までの排他的経済水域(EEZ)に限ります。

12海里内の保護区は、各州政府が設定し、管理しています。その保護区がPAN(保護区ネットワーク)に登録されれば、PAN法に基づき訪問者が支払う旧グリーンフィー(現在はPPEF: Pristine Paradise Environment Fee 100ドルのうち30ドル)がその維持管理に使用されます。

グリーンフィーは、国庫の外にあるPAN基金に積み上げられ、各州がPAN登録の際に国に提出し承認された5年間のマネージメントプランに応じて、費用が提供される形となっています(保護管理官人件費、保護区を仕切るロープとブイ、保護管理用の船などに使用される)。憲法上、国が直接関わることができない資源管理について、上手く関与できるようにした仕組みと言えると思います。

パラオに対して「外国人にお金を依存するのはおかしい」と批判する声もありますが、外国人は現地の貴重な自然を利用しているわけで、しかも我々が払うお金が、現地の環境保護に直接役立ち、貢献できていると見ることもできるかと思います。
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