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バヌアツ外相が中国軍港設置のうわさを否定 [2018年04月10日(Tue)]

バヌアツ外務大臣が、バヌアツが中国の基地設置を検討しているとの報道を否定したというニュース。


https://www.radionz.co.nz/international/pacific-news/354699/vanuatu-foreign-minister-denies-china-military-base-claim


記事によれば、中国の支援で整備されているサント島のルーガンビル埠頭が、中国の基地になるのではないかという話について、外相が否定したというもの。特に主張して言うのは非同盟運動NAM(Non-Aligned Movement )で、バヌアツはメンバーとなっています。


それよりも。サント島はバヌアツ最大の島で豊かな自然を持つ観光地であり、ルーガンビル埠頭整備はバヌアツの観光訪問者の半数を占めるクルーズシップがより多く同島に寄港するように計画したものです。ルーガンビルが中国に限らず軍事港になってしまうと、観光分野の成長は期待できなくなるでしょう。

ちなみにルーガンビル港湾整備は、中国による約100億円の借款によるものです。(バヌアツのGDPは約900億円、政府財政は約270億円)。バヌアツ財務省資料によれば、日本、世銀、ADBの借款が計上されていくため、約3%の経済成長が続くとして、対外債務のGDP比は2016年が25%(債務余力低リスク)、2018年が44%(中リスク)、2020年が50%(高リスク)となっています。

仮に100億円の借款をグラントにすることと引き換えに、軍港とするという話がある場合、バヌアツ財政にとって短期的には魅力的かもしれませんが、中長期的にはマイナス要素が強くなります。

ただバヌアツの難しい点は、他国よりも旧宗主国との関係が離れているところ(英仏共同統治から1980年に独立)と、最近は問題が一掃されたようですが、政治家の腐敗がはびこっていた様子であったところです。

いずれにせよ注視し続けたほうが良いでしょう。
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