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中国ー太平洋諸島フォーラム奨学金プログラム [2018年03月14日(Wed)]

太平洋島嶼地域には太平洋諸島フォーラム(PIF)という枠組みがあり、事務局(PIFS)がフィジーのスバにあります。

加盟国は太平洋島嶼国14カ国、豪州、NZ、仏領ポリネシア、ニューカレドニア、準メンバーにトケラウ、その他オブザーバーステータスや開発パートナーのステータスがあり、日本や中国、台湾など17か国・地域が開発パートナーにあります。ステータスの違いにより、会合に出られたり、発言できたりなどの違いがあります。

加盟国ステータスには、実は独立国という暗黙の了解があったため、仏ポリとニューカレドニアの加盟は、PIFを変える大きな変化だという声がフィジーやバヌアツの政府関係者から聞いたことがあります。

1971年の7カ国による会合から始まり、事務局化され、ミクロ3国が独立せず加盟していない時代まで、南太平洋フォーラム(SPF)と言われ、ミクロ3国が独立し、最後にパラオが加盟、90年代末に北太平洋も入ったので太平洋地域全体としてPIFに名称が変わりました。

性格としては、地域の安全保障政策や経済政策が主な対象分野であり、個別の課題に対してはCROP機関(太平洋地域機関評議会、事務局はPIFS)に振って、対応したりします。

何を書こうとしたんでしたっけ。
話はずれましたが、タイトルについて。

www.csc.edu.cn/studyinchina

PIFSを通じて、中国が奨学生を20名募集しています。

中国が国交を持つ太平洋島嶼国に対しては、人口にもよると思いますが、それぞれ年間20名程度の奨学生枠があるので、PIFSを通じてのプログラムは、おそらく国交のない台湾と外交関係を持つ6カ国(パラオ、マーシャル、ソロモン、キリバス、ナウル、ツバル)を対象にしているのではないかなあ、と思いました。

またフィジーの南太平洋大学本校には、中国政府による孔子学院があり、南太平洋大学のメンバー国で台湾と外交関係を有する国(マーシャル、ソロモン、キリバス、ナウル、ツバル)はここでも中国との接点を持つことができます(米国自由連合国のパラオ、ミクロネシア連邦はメンバーではない。マーシャルは80年代に初代大統領アマタ・カブアが米国の反対を押し切って加盟)。

南太平洋大学の卒業生は、将来、政府高官や政治家、閣僚、首脳になる人がいるし、横の繋がりがずっと続きます。


戦略的だなあ、と思っていたら、台湾もPIFSを通じて奨学金を出していました。まあ、でも中国と国交がある国から台湾というのと、台湾と国交がある国から中国というのでは、後者の方が需要が高いような気がします。
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