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ポヒヴァ首相再任と民主化の進展 [2018年02月19日(Mon)]

この2カ月、一部を除いて、現地情報に疎くなっていましたが、今回のトンガのサイクロンを機に調べてみると、実はトンガで大きな進展がありました。

以前のトンガの議会は、30議席のうち平民が取れるのは9議席、貴族が9議席、残りは国王からの任命によるものでしたが、2006年の民主化運動を受け、2010年の選挙から、全26議席のうち貴族が9議席、平民が選挙で獲得できるのが17議席となりました。

当時もこのブログで書いた記憶がありますが、「民主化が進んだ」と思ってみたものの、よく見てみると、平民の代表が議会の過半数を占めるには、17議席のうち14議席を1つのグループや政党が獲得しなければなりません。貴族側から見れば、4議席を親貴族側が占めれば、平民主導に見えるけれども貴族の意向が強く反映できる状況になります。

2010年の選挙では民主活動家ポヒヴァ氏率いるDPFI(Democratic Party of the Friendly Islands)が12議席を取りましたが過半数に達せず、2014年の選挙ではDPFIは9議席となりましたが、首相は国王ではなく議会で議員が選出することとなり、初めて首相に選出され、内閣もほぼ全員平民で構成されました。

昨年7月、自分が現地で現地の友人に聞いた話では、閣僚が国民に話をせずに重要な事項を決めてしまうとか、一方で平民側からは貴族側は中国人を優遇しすぎており、トンガ人によるビジネスが圧迫されているとか不満が出ていました。

そのような感情が積み重なっていた中で、ローン比率の問題などIMFなどの助言を反映し、昨年、パシフィックゲームス開催用の中国からのローン19百万米ドルを取りやめるという決定が首相によりなされました。

これも一つの要因であったと聞きましたが、ポヒヴァ首相が国王が有する権力の一部を奪っているというような話があり、昨年8月下旬、突然国王が議会を解散し、国王によるこのような議会解散は初めてとのことでしたが、首相はその座を追われるという形となりました。

そして昨年11月、総選挙が行われました。前述のとおり全26議席で平民議席が17、貴族が9となっています(ちなみに民主化運動家でもあるポヒヴァ氏は、貴族議席9を認めつつも、これも国民が貴族の候補から選挙で選ぶべきだとしています)。

結果はポヒヴァ氏率いるDPFIが14議席を獲得し、2010年の選挙制度改革後、初めて1つの政党が議会の過半数を獲得する結果となりました。3議席は貴族派の無所属。

そして昨年12月、議会で首相選出が行われ、14対12でポヒヴァ氏が勝利し、晴れて首相に再任されました。

https://asiapacificreport.nz/2017/12/19/tongan-parliament-elects-pohiva-as-pm-for-next-four-years/

この投票行動を見ると、貴族側(国王側)は、ポヒヴァ氏に反対する立場にあるのが明らかであり、一方でポヒヴァ氏は国民の支持を受け、晴れて再任されたということが言えます。

制約がありながらも、ようやく、真の民主化に向かって前進したと言えるのではないでしょうか。また平民は、国王や王族への敬意はありつつも、貴族主導の政治については不満があるということが言えるのかもしれません。

今回の災害については、一つのドナーに頼らずに、国際社会による支援で復興できるかどうかが、今後のトンガ政権の性格や、民主化の流れに、間接的に影響を与える要因になるかもしれません。
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