昨日早朝バヌアツから帰国し、今朝パラオに向けて出発しました。 記憶が上書きされていくので、バヌアツにいたのがだいぶ前だったように感じられます。 昨日は朝7時前に帰宅、洗濯をしつつご飯を炊き、少し眠った後、体調管理のため、いつものコースを走りました。その後荷造りし、今に至ります。ちょっと忘れ物がありましたが…。 バヌアツでは入国の際には掲げてあった日章旗が、帰りにはなく、バヌアツ、中国、NZ、フランス、アメリカ、オーストラリアのみ。日章旗が古く色あせていたので交換するためだと思いますが、新しい日章旗がないのでしょうか。一方、真新しい中国の国旗が翻っていたのが印象に残ります。 ちなみに世銀のローンによる空港改善事業(ポートビラ・バウアフィールド国際空港やサントなど別の島の地方空港。災害時の対応にも必要なインフラ)は、今年、中国企業が落札しました。 日本も決してバヌアツとの関係が薄いわけではなく、経済協力で言えば、例えば対PNGに次ぐ大洋州最大級の有償案件を行なっています。 しかしながら、町を歩いていても日本の存在感が感じられません(現地の人々は親日的。自動車も日本、韓国、中国、アメリカが5:2:2:1程度の割合で走っています)。 もっと現地メディアと話をして、例えばラペタシ港建設の途中経過とか建設後に期待される経済効果とか、いろいろな話題をインプットし続ければいいと思いますが、おそらくそのような役割を担う人がいないのでしょう。 今回、政府やメディアの方に会い話をしましたが、日本側の情報が伝わっていないのかなあと思うことが何度かありました。仮に、日本が援助額を増やしたとしても、うまく現地で情報発信をしなければ、あまり存在感は上がらないと思います。 今のところ、現地にはJICA駐在員事務所がありますが、外交使節ではないため職務として限界があると思われます。 それはそれとして。 バヌアツでは、現地で要職についているフィジーにいた頃の友人知人であったり、現地の方々に、いろいろ助けていただいたりして期待以上の成果が上がりました。本当に人々の温かい協力があってこそ、自分が担当している仕事が成り立ちます。感謝です。 今書いていて思いましたが、バヌアツはメラネシア地域にあって、他の国に比べて、より強くインドネシアの西パプア独立運動を支持しています。現地での人権侵害についても国際社会に訴えています。バヌアツ自身、英仏共同統治時代のオーストラリアや英領フィジーへのブラックバーディングで人口が減少したり、さまざまな困難を越えて独立を果たした歴史があり、非同盟主義で、現在も各地の伝統文化・社会を守っています。容易に何処かの国の支配下に落ちるとは考えられません。(小さい声で言いますが、中国との強い関係も、もしかするとうまくやっているのかもしれません。) 帰国便ではオーストラリア映画の「Tanna」を初めて観ました。2015年ごろの映画です。全編タンナの部族語によるもので、1987年に起こった実際の出来事を元にした物語。淡々と話は進んで行きますが、次第に彼らに感情移入してしまいました。 そういえば、今日はソロモンで首相に対する不信任案が採決されるそうですが、結果がどうなるのか気になるところです。 |