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中国が南シナ海問題に関する主張への支持を得るために援助で取引しているという報道 [2016年06月07日(Tue)]

先日ここで紹介したバヌアツが中国の南シナ海に関する主張を支持しているという話、またバヌアツ現地での関係するとみられる動きなどの記事を紹介しました。

これに関して、昨日6日付で、The Sydney Morning Herald紙記事がPACNEWSにありましたので紹介します。
http://www.pina.com.fj/index.php?p=pacnews&m=read&o=1370043735755ebb0be1ae5fb8c2e5

概要は、以下のとおりかと思います。
・中国は南シナ海の人工島について外交的支持を勝ち取るため、南太平洋全域において、攻撃的に魅力を振りまく対応を始めた。
・バヌアツは南シナ海問題に対し、中国の立場を理解し支持する太平洋地域で最初の国となった。
・中国は伝統的ドナーであるオーストラリアの援助が影響力を及ぼしていた太平洋地域における大規模援助国の一つとなり、南シナ海問題における中国への支持について、(バヌアツに続き)サモア、トンガ、パプアニューギニアをターゲットとしている。
・4月中旬のフィジーの支持を勝ち取ったという主張は、すぐにフィジー政府により否定され、逆効果となった。(https://blog.canpan.info/spinf_shio/archive/587
・小さな太平洋島嶼国は、中国がすでに無視することを宣言しているが、中国政府の領有権主張に対する裁定を下す予想される国際仲裁に先んじて、あいまいな態度を取り除かれようとしている。
・中国による滑走路など人工島建設は、フィリピンによる法的異議申し立てを引き起こした。
・今月予想される国際裁定は、中国の行動を批判している米国やオーストラリア等の同盟国により注視されている。
・最近の南太平洋における中国の急激な動きは、台湾との外交的承認競争に勝つために行われた怪しげな援助約束のような過去の闘争のようである。
・いずれの太平洋島嶼国も、南シナ海問題に直接関係していないが、バヌアツ/ポートビラ在住のDr. Tess Newton Cainによれば、中国は国際的広がりとともに太平洋地域における大国としてそのプレゼンスを示そうとしているという。
・シャーロット・サルワイ・タビマスマス/バヌアツ首相は、5月、法的手続きを批判し、領有権の主張は歴史的文化的事実に基づかなければならないとして、中国政府を支持する声明を発した。
・駐バヌアツ中国大使は現地デイリーポスト紙に、質問と答えについて全面記事を掲載させた。
・中国は南シナ海に、台湾、フィリピン、ベトナム、その他の東南アジア諸国の主張と重なる九段線を引いている。
・Dr. Cainは「バヌアツで見ているように、資金供与やローンによって大規模な中国の投資を得ているサモアやトンガなど、中国の支持を表明する可能性がある国が太平洋には存在する」と述べている。
・中国政府は、支持を得る努力を隠していない。5月にサモアで開かれた珍しい記者会見で、中国の外交官が中国は南シナ海問題における被害者であると主張した。
・一方、トンガでは、中国大使があるスピーチにおいて、南シナ海の島々と最初に発見し、名づけ、開発したのは中国人であり、ベトナム、マレーシア、フィリピンは、石油と天然ガスが発見されたのち、1970年代に、領有権を主張したものだと主張した。
・パトPNG外相はRadio New Zealandに対し、中国からの外交的提案なされているが、PNGはこの問題は国際法に則り解決されることを期待していると述べた。
・4月、中国の新華社通信は、フィジーと中国の両外相が、「中国の立場」と南シナ海問題は法的行動ではなく「友好的な協議を通じた」解決の努力を支持する共同声明に合意したと報じた。しかし、翌日の会議において、フィジー政府は国民に対し、中国に対するそのような支持をしていないと報告した。
・ソロモン、ツバル、キリバス、ナウルは中国ではなく台湾と外交関係を有する。
・台湾の新しいFeng Shih-kuan防衛大臣は、月曜、台湾は中国が南シナ海上空に宣言した防空域を認めないと議会に説明した。

結局、概要ではなく、全体を書いてしまいましたが、PACNEWSは太平洋地域の現地の方々もよく読む媒体なので、南シナ海で何が問題となっているのか、中国の主張は何なのか、援助と支持の関係などについて知ることができる良い記事ではないかと思います。南太平洋のみで、ミクロ3国が書かれていないのは、米国との自由連合盟約国であるためだと考えられます。またサモアについては、サモアは国際問題について、中立の立場をとることが多く、また中国のローンもうまくコントロールしているため、あえてリスクを取るとは考えられません。トンガは、もし、国家経済上大きな重しとなっている中国のローンが全て返済免除となるくらいのことがあれば、立場を明確にする可能性はあるかもしれませんが、その他の影響を考えると、どうでしょうか。

個人的には、いろいろなことを思い出させられる、興味深い記事と感じました。またDr Cainの視点に、先のヤップに関する元米国ピースコーの話のように、現地にいるからこそ分かる危機感を垣間見た気がします。
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